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シイガイズ、SDIO対応ZigBeeカードを開発し、開発キットとして提供──RFIDリーダー/ライターの開発キットも

2005年09月16日 15時41分更新

文● 編集部 小林久

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シイガイズ(株)は16日、SDIO規格に対応したZigBeeカードを開発。このカードを利用したZigBeeシステムを構築するための開発キット『SDIO-ZigBee開発キット』を10月初旬に発売すると発表した。合わせて同社は、SDIO規格に対応したRFIDのリーダー/ライターも開発。『SDIO-RFIDカード開発キット』に同梱して10月1日に発売する。販売は主にシステムインテグレーター向けで、価格はSDIO-ZigBee開発キットが25万円。SDIO-RFIDカード開発キットが15万円。

CEOの平山氏
シイガイズ代表取締役CEOの平山勝啓氏

ZigBee(ジグビー)は家電機器向けの無線通信技術。IEEE 802.15.4で規格化されている。データ転送速度は最大250kbpsと低速で通信の到達範囲も数十mと狭い代わりに、低消費電力で、接続できる機器の数が最大約6万5000(=216)台と多い。近くにある機器を経由すること(Meshトポロジーによる接続)で、無線の到達範囲外にある機器とも通信できるのも特徴で、広範囲なネットワークを構築できる。現状では、やり取りするデータ量が少ない家電機器の遠隔操作などを中心に実用化が進められている。



開発キットの内容
開発キットに付属するリファレンスボードとSDIO対応のZigBeeカード

開発キットには、PDAなどに装着できる『SDIO-ZigBeeカード』が1枚、ZigBeeデバイスのリファレンスボードが2台付属。このほかドライバーソフトやAPIライブラリーなど各種ソフトウェアとマニュアルが同梱されている。リファレンスボードには、温度センサーやLEDと外部機器を接続するためのRS-232Cポートが搭載されている。SDIP-ZigBeeカードを装着したPDAに管理ソフトをインストールすることで、これらの機器の情報を確認したり、遠隔操作したり、情報を確認できる。

シイガイズでは、さまざまなセンサーを搭載した機器をZigBeeで結び、管理用途や防犯用途などをZigBeeの応用例として考えているという。ZigBeeを利用することで「社内のどの場所で照明が付いているか」「自販機の在庫数や温度、釣り銭は?」といった情報を確認できるほか、機器のオンオフを1ヵ所で一括して行なうことができる。



管理画面
PDAにインストールした管理画面で、ZigBee端末の情報を確認したり、遠隔操作できる。Windows Mobile 2003に対応

また、PDAでZigBee機器を管理できるソフトを提供するメリットとしてシイガイズ代表取締役CEOの平山勝啓(ひらやま かつひろ)氏は「例えば、ガス会社が個々の家庭に訪問して点検する際に無線を利用すれば、家の中に入らずに外からガス機器の状態を確認できる。センサーネットワークをスポット的に管理したり、モバイル端末で見たいといった需要はあるはず」と説明した。

なお、SDIO-ZigBee開発キットは、現状でPDAを中心にして、近くの端末の情報や制御ができる(Starトポロジー)状態になっているが、複数のZigBee端末をカスケード結合するより広い範囲のZigBeeネットワーク(Meshトポロジー)の構築に関しては、11月以降にサポートしていく予定だという。



RFIDリーダー/ライター
SDIO-RFIDリーダー/ライター。RFIDタグの情報や内容の変更をPDAから行なえる

一方、SDIO-RFIDカード開発キットはPDAを利用して、RFIDのタグ情報を確認したり、変更することができる。応用例としては流通分野の在庫管理のほか、病院での診察や投薬履歴の管理、セキュリティーシステムの構築などを想定しているという。 「これまでRFIDのリーダー/ライターは数十万円から百万円台と高価な専用端末が中心だったが、PDAを利用することでRFIDをより身近に活用できる」(平山氏)

開発キットには、SDIO-RFIDリーダー/ライターのほか、RFIDタグのサンプル3枚、ドライバーソフト、APIライブラリー、サンプルアプリケーションのソースコードなどが付属する。システムインテグレーターはこのAPIを利用して短期間でRFIDとPDAを利用したシステムを構築できる。開発に際してはシイガイズがサポートするが、より高度なRFID技術に関しては米TradeWind Technologies(トレードウィンド・テクノロジーズ)社と共同で開発支援する。

対応OSはWindows Mobile 2003とPalm OSで、使用周波数は13.56MHz(7cmの範囲)。リーダー/ライターのサイズは幅28×奥行き60×高さ11mm。対応するタグの形式はISO 15693、I-Code SLI、Tag-it HF-I、my-d SRF 55VxxP、LRI512、ISO 14443A、Mifare(IDのみ)、Mifare Ultralight、Proprietary I-Code 1、Pico Tag 2K、16k、32k。

ターゲットは米国や国内のシステムインテグレーターで、販売数は当面月産2000枚程度。2006年末には1万枚程度を見込んでいるという。現状のSDIOに加え、携帯電話機での使用を想定したminiSDサイズの製品も開発中で、市場のニーズを見て投入していく予定だという。



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