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ATI、ノートパソコン向け最新GPU『Mobility Radeon X1600』を発表!――ノート用GPUもX1000シリーズに移行を開始


2005年12月7日
パフォーマンス重視のThin&Lightノート向けに位置づけられる新GPU『Mobility Radeon X1600』
パフォーマンス重視のThin&Lightノート向けに位置づけられる新GPU『Mobility Radeon X1600』
X1600をいち早く搭載した、台湾ASUSTeK Computer社のノートパソコン『Asus A7G』。Pentium M 760-2GHzとの組み合わせで、『3DMark03』を軽快に動作させてみせた
X1600をいち早く搭載した、台湾ASUSTeK Computer社のノートパソコン『Asus A7G』。Pentium M 760-2GHzとの組み合わせで、『3DMark03』を軽快に動作させてみせた

ATIテクノロジーズジャパン(株)(以下ATI)は7日、ノートパソコン向けのPCI Express x16対応グラフィックスチップ(以下GPU)『Mobility Radeon X1600』(以下X1600)を発表した。DirectX9とシェーダーモデル3.0に対応するデスクトップパソコン用GPU『Radeon X1600』をベースに省電力機能などを加えて開発され、パフォーマンス重視の薄型ノート向けに位置づけられている。これによりATIのノート向けGPUも、シェーダーモデル3.0世代に移行することになる。

ATIのノートパソコン向けGPUのロードマップ。X1600はX700の後継で、ライバルNvidia社の製品では『GeForce Go 6600』がこれに当たる
ATIのノートパソコン向けGPUのロードマップ。X1600はX700の後継で、ライバルNvidia社の製品では『GeForce Go 6600』がこれに当たる(画像はATIの資料より引用、以下同)
パッケージ上に256MB分のグラフィックスメモリーを実装したタイプのX1600
パッケージ上に256MB分のグラフィックスメモリーを実装したタイプのX1600

ロードマップ的には『Mobility Radeon X700』の後継に当たるX1600は、90nm製造プロセスで製造され、トランジスター数は約1億5700万個。最高クロック周波数は475MHzと、X700の350MHzを大きく上回る。12基のピクセルシェーダーを3つのシェーダーコアにまとめる形で搭載し、バーテックスシェーダーは5基、レンダーバックエンド(固定レンダリング機能)は4基を備える。メモリーインターフェースは128bitで、DDR/DDR2、GDDR3/4などのグラフィックスメモリーに対応する。単体のGPUのほかに、パッケージ上にグラフィックスメモリー(64〜256MB)を実装したタイプの製品も供給される。



X1600の主な特徴とブロックダイアグラム。構造的には、バーテックス/ピクセル両シェーダーが別々に実装される、独立型シェーダーを採用している
X1600の主な特徴とブロックダイアグラム。構造的には、バーテックス/ピクセル両シェーダーが別々に実装される、独立型シェーダーを採用している
台湾から届いたばかりの、Asus A7Gを掲げて見せる、ATIジャパン マーケティング部 部長の信垣育司氏
台湾から届いたばかりの、Asus A7Gを掲げて見せる、ATIジャパン マーケティング部 部長の信垣育司氏

X1600の説明を行なった、同社マーケティング部 部長の信垣育司(のぶがきいくじ)氏は、X1600について「X1000シリーズのDNAをそのまま継いだ」という言葉で、X1600がデスクトップ用GPUの機能/性能を継承するものであることを示唆した。パフォーマンスについては「一昔前のデスクトップをはるかに凌駕するパフォーマンスを叩き出す」と述べ、メジャーな3Dグラフィックスベンチマークソフト『3DMark05』での計測結果で、X700の約1.5倍程度のスコアを記録したグラフなどを示した。また、ライバル企業(米エヌビディア社)の製品と異なり、写実的な光の表現を実現する“ハイダイナミックレンジレンダリング”を行なった状態でも、グラフィックのエッジを滑らかに見せる“アンチエイリアシング”を行なえるとして、画像サンプルを披露するなど、パフォーマンスと画質の両面で優れた能力を発揮することを強調した。



微細な90nm製造プロセスで製造されることにより、X700の350MHzから475MHzへとクロック周波数は大幅に向上。“容赦の無いパフォーマンス”というキャッチコピーに、パフォーマンスへの自信がうかがえる
微細な90nm製造プロセスで製造されることにより、X700の350MHzから475MHzへとクロック周波数は大幅に向上。“容赦の無いパフォーマンス”というキャッチコピーに、パフォーマンスへの自信がうかがえる
HDRレンダリングを行なった画像にアンチエイリアシング(AA)をかけたデモ画面。右側のAAなしと中央のX1600を比べると、銃のエッジの滑らかさや中央の青い光の表現が異なるのが分かる
HDRレンダリングを行なった画像にアンチエイリアシング(AA)をかけたデモ画面。右側のAAなしと中央のX1600を比べると、銃のエッジの滑らかさや中央の青い光の表現が異なるのが分かる

ビデオ再生支援/高画質化機能の“Avivoテクノロジ”については、映像のインターレース〜プログレッシブ変換の際に生じるエッジのジャギーを消す“デインタレーシング”が、ライバル社の技術(Nvidia PureVideo)よりも美しく行なえるなどの例を示したほか、Blu-rayビデオディスクやHD DVDで使われるH.264のデコードアクセラレーションにもいち早く対応していることが述べられた。またエンドユーザーに対するビデオドライバーの提供方法についても、改善点が示された。一般的にノートパソコンのビデオドライバーは、原則としてノートパソコンベンダー自身からの提供のみとなっている(Nvidiaも同様)。そのためGPUメーカーが最新の機能をサポートしたドライバーを作成しても、それがなかなかノートパソコンメーカーから提供されず、結果的にGPUが持っている機能が生かされないケースも多々あった。そこで同社ではベンダーの許可という条件付きながら、同社ウェブサイトから汎用のノート向けビデオドライバー“Catalyst Mobility”を提供可能とすることで、最新ドライバーの機能をエンドユーザーが入手しやすくすることを可能にするという。エンドユーザーにとっては評価できる改善と言えよう。

ノート用としては重要な省電力機能については、一般的なクロックゲーティング技術などのほかに、新たに“DLCS(Dynamic Lane Count Switching)”と“バックバイアス”と呼ばれる技術が導入された。DLCSはチップセットとのバスインターフェースであるPCI Express x16を、低負荷時にはx1に切り替えることで、バス部分で1W程度の低消費電力化を実現するという。またバックバイアスは半導体のリーク電流を動的に抑制する手法の1つとして導入された。ただしこれはより高速なハイエンドノート向けGPUや、逆に低速なメインストリーム〜バリューセグメント向けGPUではあまり効果が無く、X1600のみで提供されるだろうとのことだ。またバックバイアス機能実装のためには、非実装状態と比べて若干の追加配線等が必要なため、使用するしないはノートパソコンベンダーに任されるとのことだ。

歴代のMobility RadeonシリーズとX1600に実装された省電力化のための工夫や機能の一覧。同社では省電力化機能を“PowerPlay”と称しており、この一覧によるとX1600は6世代めに当たる
歴代のMobility RadeonシリーズとX1600に実装された省電力化のための工夫や機能の一覧。同社では省電力化機能を“PowerPlay”と称しており、この一覧によるとX1600は6世代めに当たる

X1600はベンダー向けに出荷を開始しているが、実際に搭載した製品が市場に登場するのは、Intelが2006年初頭に発表予定と予想されている次世代ノートパソコンプラットフォーム“Napa”をサポートしたマシンが登場する2006年前半になる模様だ。

(編集部 小西利明)


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