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iVDRコンソーシアム、iVDRの最新動向を発表――コンテンツ保護技術“SAFIA”がARIBの認証を受ける


2006年4月24日

リムーバブルHDD規格“iVDR”を推進する業界団体、iVDRコンソーシアムは24日、都内の大手町サンケイプラザにプレス関係者を集めて、iVDRの最新動向について報告した。発表会では採用するコンテンツ保護の仕組みや、デジタル放送の録画におけるiVDRの利点などが語られた。

iVDR
iVDRメディア
日置氏
iVDRコンソーシアム代表を務める三洋電機の日置敏昭氏

冒頭ではiVDRコンソーシアム代表を務める三洋電機(株)の日置敏昭(ひおきとしあき)氏が登場し、「先月、ARIB(アライブ、社団法人 電波産業会)にて、著作権保護を持つiVDRがデジタルハイビジョンを記録するメディアとして承認された。PC(パソコン)用のiVDRが世の中に出たのは約2年前になるが、このARIBの認証をへて、著作権の保護が必要なAV機器への展開が可能になってきたと考える」と発言した。



iVDRには、iVDRの規格策定と機器審査を行なう“iVDRコンソーシアム”と、コンテンツ保護技術“SAFIA(サファイア)”を取りまとめる“SAFIAライセンスグループ”という2つの関連団体が存在する。日置氏によれば「基本的にはまったく別々の独立した団体」とのこと
ロゴ
iVDR認証機器に対して提供されるロゴ。コンテンツ保護が不要なPC用製品などは“iVDR”、コンテンツ保護に対応した製品は“iVDR S(iVDR Secure)”、コンテンツ保護が可能で内蔵タイプのものは“iVDR S Built-in”というロゴをそれぞれ用いる

シャープの菱川薫氏

次いでiVDRコンソーシアムからシャープ(株)の菱川薫(ひしかわかおる)氏が登壇し、iVDR規格の概要について解説した。菱川氏は内蔵タイプのiVDR Secure Built-inについて、「3.5インチHDDも定義しているので、ハイビジョンを録画するような大容量のレコーダーへの転用なども考えられる。SAFIAによりiVDR間のセキュアなデータ転送を実現することで、従来HDD組み込み型のAV機器で難しかった、著作権保護コンテンツを記録したHDDを取り替えるといったメンテナンスも可能になる」とそのメリットを強調した。



仕様
カートリッジタイプの仕様。1/1.8/2.5インチのHDDを採用した3サイズが存在する(1インチは暫定規格)。iVDR Secureに対応するためには、SAFIAセキュア拡張などの仕様(緑で着色された部分)も満たす必要がある
built-in
iVDR Secure Built-inは、パソコンで使われているシリアルATA接続のHDDに、iVDRのセキュア機能“SAFIA”を実装したもので、現在のところ暫定規格
利用イメージ
iVDR Secure Built-inの利用イメージ。1.8/2.5インチのものはモバイル機器、3.5インチのものはAV機器への組み込みが想定されている
フォーマット
iVDR技術規格は大きく分けて4つのレイヤーに分かれる。アプリケーションフォーマットとしては、テレビ録画/オーディオ記録/静止画記録のものが用意されている

また菱川氏は、SAFIAを利用することで「あらじめライセンスがない状態でiVDRにコンテンツを保存して配布し、あとでユーザーが何らかの対価を払うとライセンスを解除して再生可能になる」といったコンテンツ販売方法も実現できることを明らかにした。

テレビ録画
オーディオ記録
静止画記録
左より、テレビ録画/オーディオ記録/静止画記録のフォーマット詳細。例えばテレビ録画では、デジタル/アナログ放送を同じフォーマット(MPEG-2 TS)で記録する。また、プレイリストやフォルダー管理といった機能も用意されている
demo
会場で展示されていたiVDRを使ったコンテンツ販売のデモ

デジタル放送でもHDD間で高速コピーが可能

日立製作所の助田裕史氏

SAFIAライセンスグループの代表として登場した(株)日立製作所の助田裕史(すけだひろふみ)氏は「ARIBやD-pa(社団法人地上デジタル放送推進委員会)、BPA(社団法人BSデジタル放送推進委員会)の認証を受けたことで、やっとiVDRに正式にハイビジョンを録画できるようになった。この1年が私たちにとって大事なスタートアップの年になると思う」とコメントした。



経緯
内容
ARIB認証までの経緯と内容

SAFIAでは、HDDを暗号鍵を保存する“Qualified Storage(QST)”と実際のコンテンツを記録する“Open Storage(OST)”という2つの領域に分けて、コンテンツの管理/保護を実現する。例えばiVDR Secureに対応したHDD間でデータをコピーする場合、コンテンツは通常のATAコマンドでOSTからOSTに、暗号鍵は外部からアクセスできない保護されたSAFIA拡張コマンドでQSTからQSTに転送する。

SAFIAを使えば、機器やアプリケーションといった単位でコンテンツの再生環境を指定することも可能だ。また、コピーの世代管理も含まれている。助田氏は「iVDR Secure Built-inを含むレコーダーで録画したコピーワンス番組を別のiDVRメディアに移す場合、その移動速度は基本的にHDD性能に依存したものになる。DTCPは基本的に1倍速」と、既存のレコーダーなどで採用されているDTCPよりiVDRのほうが保護コンテンツを高速に移動できることをアピールした。

SAFIA
SAFIAのコピー制御の仕組み。QST領域はメディアをパソコンなどでマウントした際でもアクセスできない。QSTはLSI上に実装することも可能だ
デジタルテレビ録画におけるSAFIAの利点は、既存のDTCPよりも速度にコンテンツ移動が可能になるということ

土屋氏
日立製作所の情報・通信グループ、セキュリティ事業部ユビキタスセキュリティ本部ユビキタスHDDビジネスセンターの土屋健二氏

発表会の最後には、(株)日立製作所の情報・通信グループ、セキュリティ事業部ユビキタスセキュリティ本部ユビキタスHDDビジネスセンターでセンター長を務める土屋健二(つちやけんじ)氏によって、同社が提供するiVDR Secureに対応したソフトウェア開発環境が発表された。

土屋氏は、「HDD全体の出荷数のうち情報家電向けの比率が平均20%前後にまで向上し、映像を個人で持ちたいというニーズが高まっている。さらにこの3月にはSAFIAが認証された」と開発環境の提供に至った背景を語り、SAFIAミドルウェアが搭載された評価ボードや、ソフトウェア開発キット“iVDR Secure SDK”といった提供内容が明かされた。



SDK
ミドルウエア
iVDR Secure SDKの構成(左)とミドルウェアの詳細(右)。なお開発環境の価格については未定としている


(編集部 広田稔)


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