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搭載パソコンや対応マザーボードも多数出展!――日本AMD、Socket AM2版Athlon 64/Sempronシリーズの発表会を開催


2006年5月24日
新CPU発表会では、AMDとインテルの最速CPU同士で構成したテスト機でのパフォーマンス比較が披露された
新CPU発表会では、AMDとインテルの最速CPU同士で構成したテスト機でのパフォーマンス比較が披露された

日本エイ・エム・ディ(株)(以下AMD)は24日、米AMD社が23日(現地時間)に発表した、Socket AM2対応の新しいデスクトップ製品向けCPU、“Athlon 64/FX/X2”シリーズとSempronシリーズの新製品発表会を開催した。東京都内のホテルにて行なわれた発表会場には、Socket AM2搭載マザーボード製品や、新Athlon 64 X2/FXシリーズを搭載するパソコンが多数出展された。なお発表済みの新CPUの種類や価格については、こちらの記事を参照のこと。

記者発表会には米AMD本社から来日中の、社長兼COO(最高執行責任者)のダーク・マイヤー(Dirk Meyer)氏を始めとして、CTO(最高技術責任者)のフィル・ヘスター(Phil Hester)氏、コマーシャル事業部担当 上席副社長のマーティ・セイヤー(Marty Seyer)氏などが出席。同社の戦略や新CPUの特徴などが説明された。またインテル(株)のCPUとのパフォーマンス比較のデモも披露された。

“顧客第一主義”のコンセプトについて語る、米AMD コマーシャル事業部担当 上席副社長のマーティ・セイヤー氏
“顧客第一主義”のコンセプトについて語る、米AMD コマーシャル事業部担当 上席副社長のマーティ・セイヤー氏

セイヤー氏によるAMDの戦略についての説明では、まず同社が近年非常に好調なビジネスを実現している点について取り上げ、11四半期連続で前年を20%上回る売上の成長を遂げているとした。また同社の戦略のコンセプトである“顧客中心主義”を掲げて、大規模クラスターで構成されるスーパーコンピューターへの採用など、ハイパフォーマンスコンピューティング分野を席巻したOpteronやデスクトップ分野で成功したAthlon 64から、デュアルコアCPUのAthlon 64 X2やモバイルプラットフォーム向けのTurion 64 X2の2分野に人材と時間の投資を振り向けると述べた。

法人向け市場の戦略については、データセンターなどのサーバー分野やビジネスクライアントでのシェア拡大を図るほか、2007〜2008年にはクアッドコアCPUを投入するなどの投資を行ない、2009〜2010年にはサーバー市場で“圧倒的な地位を確率”することを目指すとしている。個人向けパソコン市場では、インテルの“Viiv”プラットフォームに対抗する“AMD LIVE! PC”を提唱し、同社のデュアルコアCPUを中核としたメディアセンターパソコンがパソコンメーカー各社から登場するとしている。また発展途上国などパソコンやインターネット環境が整っていない国や地域に対して、低価格のパソコンを開発・提供する“50×10イニシアチブ”を展開する。

米AMD CTOのフィル・ヘスター氏
米AMD CTOのフィル・ヘスター氏

新CPUの特徴については、CTOのヘスター氏によりプレゼンテーションが行なわれた。新CPUは全製品が新しい940ピンソケットであるSocket AM2に対応する。従来はAthlon 64シリーズが939ピン、Sempronシリーズは754ピンと異なるソケットを採用していたが、Socket AM2で統一されることにより、マザーボードメーカーは開発工程の簡略化や製品バリエーションの数の低減が可能になり、コスト負担が減るとしている。

またSocket AM2でサポートされるハードウェアによる仮想マシン支援機能“AMD Virtualization”(同社のFAQでは、Athlon 64 FXとAthlon 64 X2の特徴とされている)については、1台のパソコンで新旧異なるOSを稼働させたり、古いパソコンをエミュレートすることが可能になり、互換性確保や新OSへの以降が容易になるなどの利点が説明された。新CPUでサポートされたDDR2メモリーは、同社のCPUがインテル製プラットフォームに対応面で後れをとっていた数少ない仕様であったが、これについては、インテルがサーバー&ワークステーション向けプラットフォーム用にまったく新しいメモリーモジュール“FB-DIMM”(Full Buffered Dual In-Line Memory Module)を採用した事例を取り上げて批判する(市場の評価を受けていない新技術の導入、メモリーモジュールの消費電力増大、価格の高さなど)ことで、対するAMDは適切なタイミングでDDR2を導入したという見解を示した。とはいえ、同社の新CPUとインテルがFB-DIMMの対象としているCPUは異なる市場セグメントの製品であり、同列に扱ってメモリー選択の善し悪しを論じる論法には違和感を感じなくもない。


プレゼンテーション中で示されたベンチマークテストの比較グラフ

パフォーマンスについては、新CPUの中でも最高性能を誇るAthlon 64 FX-62を、従来の最高速品Athlon 64 FX-60やインテルのPentium 955 Extreme Editon-3.46GHzとの比較グラフを示して、競合製品より低い消費電力で20〜30%上のパフォーマンスを発揮すると述べられた。また会場にはAthlon 64 FX-62とPentium 965 Extreme Editon-3.73GHzを搭載したデモシステムを1台ずつ用意して、ベンチマークテスト用アプリケーションではなく一般的なアプリケーションによる性能比較が行なわれた。テストでは“iTunes”を使ったCDからの音楽取り込みや、“Adobe Illustator CS”での特殊効果を同時に実行して、FX-62ベースのシステムの方が高速に処理できることを示した。

Athlon 64 FX-62と、インテルのデスクトップCPUでは最速のPentium 965 Extreme Editionの比較テスト機。右側緑色に光るマシンがFX-62で、左の青色がPentium 965
Athlon 64 FX-62と、インテルのデスクトップCPUでは最速のPentium 965 Extreme Editionの比較テスト機。右側緑色に光るマシンがFX-62で、左の青色がPentium 965
iTunesを使った音楽取り込み速度比較。曲数が3曲と少なかったため、披露されたテストでの速度差は大きくはなかったが、アルバムCD 1枚分では3分程度の差がつくという
iTunesを使った音楽取り込み速度比較。曲数が3曲と少なかったため、披露されたテストでの速度差は大きくはなかったが、アルバムCD 1枚分では3分程度の差がつくという

発表会の終了後に公開された展示スペースには、ホワイトボックス系パソコンメーカー各社やマザーボードメーカー各社の製品が多数展示されていた。新CPU対応チップセットとしては、米エヌビディア社が『nForce 590 SLI』『nForce 570 SLI』を、カナダATIテクノロジーズ社が『CrossFire Xpress 3200』を発表しており、nForce 5x0採用マザーボードはすでに店頭販売も開始されている。新CPU自体も本日中に一部が販売開始された。共通化されたソケットにDDR2メモリー対応、モデルによっては低消費電力版の投入など、ハイエンド製品を求めるユーザーや自作パソコンマニアには実に楽しみな新CPUの登場と言えるだろう。

会場にはAthlon 64 FX-62を搭載するハイエンドパソコン製品が各社から展示されていた。これはアロシステムズ(株)の『Passant FX62 Premium GX2』で、FX-62に2GBのDDR2-800メモリー、GeForce 7900など、最高級のパーツで固めたマシン
会場にはAthlon 64 FX-62を搭載するハイエンドパソコン製品が各社から展示されていた。これはアロシステムズ(株)の『Passant FX62 Premium GX2』で、FX-62に2GBのDDR2-800メモリー、GeForce 7900など、最高級のパーツで固めたマシン
巨大なタワーパソコンを多くのメーカーが展示するなか、(株)エムシージェイはキューブ型筐体にAthlon 64 X2 5000+を搭載した『Easy-Cube27GT-BL』を出展。小さいとはいえ、2GBメモリーに500GB HDD、BDドライブを詰め込んだハイエンドな一品
巨大なタワーパソコンを多くのメーカーが展示するなか、(株)エムシージェイはキューブ型筐体にAthlon 64 X2 5000+を搭載した『Easy-Cube27GT-BL』を出展。小さいとはいえ、2GBメモリーに500GB HDD、BDドライブを詰め込んだハイエンドな一品
マザーボード大手各社もたくさんのSocket AM2対応製品を出展。写真はアスース・ジャパン(株)の対応マザーボードで、nForce系だけでなくXpress 300系もラインナップされている
マザーボード大手各社もたくさんのSocket AM2対応製品を出展。写真はアスース・ジャパン(株)の対応マザーボードで、nForce系だけでなくXpress 300系もラインナップされている
nForce 570 SLIを搭載するSLI対応Socket AM2マザーボード、日本ギガバイト(株)『GA-M57SLI-S4』。nForce 590 SLIを搭載するハイエンドマザーボードも出展されていた
nForce 570 SLIを搭載するSLI対応Socket AM2マザーボード、日本ギガバイト(株)『GA-M57SLI-S4』。nForce 590 SLIを搭載するハイエンドマザーボードも出展されていた
ATIテクノロジーズジャパン(株)が展示していた、CrossFire Xpress 3200採用マザーボード、エムエスアイコンピュータージャパン(株)『K9A Platium』。なお製品名に“K9”とあるが、新Athlon 64シリーズはK8系コア
ATIテクノロジーズジャパン(株)が展示していた、CrossFire Xpress 3200採用マザーボード、エムエスアイコンピュータージャパン(株)『K9A Platium』。なお製品名に“K9”とあるが、新Athlon 64シリーズはK8系コア

(編集部 小西利明)


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