日本電気(株)は17日、最大ベクトル性能が144TFLOPS(テラフロップス)でベクトル型で世界最高速というスーパーコンピューター『SXシリーズ モデルSX-8R』(SX-8強化モデル)の販売を世界同時に開始したと発表した。価格は、レンタルで月額約121万円から。
SX-8R |
『SXシリーズ モデルSX-8R』は、ベクトル加算器と乗算器を2個に増やしてベクトル性能を高め、1チップベクトルプロセッサーとして世界最高性能という最大35.2GFLOPS(ギガフロップス)の処理が可能なプロセッサーを採用したのが特徴。シングルノードとして、4~8プロセッサーのモデルAと、1~4プロセッサーのモデルBがラインアップされ、モデルA(8CPU)のシングルノード(281.6GFLOPS)を最大512ノードのマルチノード構成とすることで、最大ベクトル性能は144TFLOPSになるという。併せて、メモリー容量を従来の2倍の1ノードあたり最大512GBに増やしたことで、512ノード構成時には最大128TBまで大容量化できるほか、CPUとメモリー間のデータ転送速度も約10%増の最大288TB/秒になっているという。また、CPUやメモリーなどのリソース管理を計画的に行なうことでシステムの稼働率を最大化するスケジューラー『JobManipulator(ジョブマニピュレータ)』も提供する。
同社では、今後1年間で200システムの販売を見込んでいる。また、次期ベクトルスーパーコンピューターの開発にも着手しており、1CPUあたりの性能が100GFLOPSを超える1チップベクトルプロセッサ-の開発も進めているという。