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NVIDIA、DirectX 10世代のハイエンドGPU“GeForce 8800”とハイエンドチップセット“nForce 600”を発表!


2006年11月9日

ついに登場 DirectX 10対応GeForce 8800!

『GeForce 8800 GTX』搭載カードのサンプル写真
『GeForce 8800 GTX』搭載カードのサンプル写真
搭載カードを手にしたNVIDIA チーフサイエンティストのデイビッド・B・カーク(Dr.David B.Kirk)氏
搭載カードを手にしたNVIDIA チーフサイエンティストのデイビッド・B・カーク(Dr.David B.Kirk)氏

米エヌビディア社(NVIDIA)は8日(現地時間)、DirectX 10に対応するハイエンドのグラフィックスチップ(GPU)“NVIDIA GeForce 8800 GPU”(コード名G80)シリーズと、同社製GPUのSLI構成接続に対応する新チップセット“nForce 600”シリーズを発表した。GeForce 8800は、DirectX 10のShader Model 4.0をサポートしたパソコン用GPUとしては、史上初の製品となる。OEMメーカーへの出荷はすでに開始されており、搭載グラフィックスカードも間をおかずに登場する予定。

GeForce 8800シリーズは、市場セグメント面ではGeForce 7900/7950シリーズの後継となる、ハイエンドクラスのGPUである。既存のDirectX 9と、Windows Vistaで実装される予定のDirectX 10に対応したパソコン用GPUである。最大の特徴は、“NVIDIA統合アーキテクチャ”と称する“ユニファイドシェーダーコア”を搭載する点にある。

GeForce 8800のブロックダイアグラム。16基のストリーム・プロセッサがひとつのブロックとなっている
GeForce 8800のブロックダイアグラム。16基のストリーム・プロセッサがひとつのブロックとなっている

DirectX 9世代のGPUが、頂点(Vertex)演算やピクセル演算を、それぞれに特化したシェーダーユニットで演算処理していたのに対して、GeForce 8800シリーズではひとつの汎用シェーダーユニット(GeForce 8800での呼称は“ストリーム・プロセッサ”)でいずれの演算処理もこなせるようになっている。このため従来のアーキテクチャーでは、たとえば頂点演算が多いシェーダープログラムではピクセルシェーダーが余ってしまうような無駄が発生していた欠点を解消でき、ストリーム・プロセッサを有効に活用して優れた演算能力を発揮できる。

GeForce 7900などの独立型シェーダーでは、実行するプログラムの傾向によって、無駄となるシェーダーが出てしまう
GeForce 7900などの独立型シェーダーでは、実行するプログラムの傾向によって、無駄となるシェーダーが出てしまう
統合シェーダーでは、プログラムに合わせてすべてのシェーダーが有効に機能するので無駄がない
統合シェーダーでは、プログラムに合わせてすべてのシェーダーが有効に機能するので無駄がない

G80と呼ばれていた頃のGeForce 8800のアーキテクチャーについては、公開された情報がほとんどなかったため、GeForce 7900世代と同様の“独立型シェーダー”のアーキテクチャーを採用するのではないかとの観測もあった。しかし実際のGeForce 8800は統合型シェーダーを採用することで、プログラムに応じて効率的にシェーダーユニットを活用できる能力を備えた。GeForce 8800のストリーム・プロセッサは頂点/ピクセル演算だけでなく、ジオメトリー演算や物理演算のプログラムも処理可能である。パフォーマンスはゲームによって異なるが、既存のハイエンドGPU『GeForce 7900 GTX』と比べて2倍のパフォーマンスを発揮するとしている。

GeForce 7900 GTXを1とした場合の、ゲームにおけるGeForce 8800 GTXのパフォーマンス(緑線)。既存のゲームでも1.5〜2倍の性能を発揮している
GeForce 7900 GTXを1とした場合の、ゲームにおけるGeForce 8800 GTXのパフォーマンス(緑線)。既存のゲームでも1.5〜2倍の性能を発揮している
同じゲームを用いた対ATI Radeon X1950 XTXとの比較。こちらも1.5〜2倍の性能を発揮している
同じゲームを用いた対ATI Radeon X1950 XTXとの比較。こちらも1.5〜2倍の性能を発揮している

GeForce 8800は“Giga Thread技術”と称するマルチスレッドアーキテクチャーを備えており、数1000以上もの独立スレッドを同時にサポート可能としている。また“NVIDIA Lumenexエンジン”と呼ばれる機構を備え、シェーダーの下流で16ポイント(16x)のフルシーンアンチエイリアシングを高速に処理可能となっている。GeForce 7900シリーズでは、ハイダイナミックレンジレンダリング(HDR、24bitカラーを超えた高表現幅のレンダリング)時のアンチエイリアシング適用ができなかったが、GeForce 8800では128bitのHDRに対してアンチエイリアシングをかけられるようになり、ジャギーのない美しい映像表現を可能としている。

GeForce 8800 GTXとATI Radeon X1950 XTXイメージ品質比較の図。Radeonでは床のテクスチャー表現に異常が見られるが、8800ではスムーズに描画されている
GeForce 8800 GTXとATI Radeon X1950 XTXイメージ品質比較の図。Radeonでは床のテクスチャー表現に異常が見られるが、8800ではスムーズに描画されている

GPUによる物理演算処理能力についても強化されている。同社が“Quantum Effect技術”と呼ぶ機能では、物理演算の処理を重視して設計されたプロセッサーにより、CPU側に負荷をかけずに、GPU上で高度な物理シミュレーションを実現できるとしている。ビデオ再生アクセラレーションについても、“PureVideo HD”と呼ぶ技術を搭載しており、MPEG-2やWMV、H.284やVC-1などのコーデックのハードウェアデコードアクセラレーションや、高画質化処理機能を内蔵している。

GeForce 8800シリーズは上位に当たる『GeForce 8800 GTX』と下位の『GeForce 8800 GTS』がラインナップされており、それぞれストリーム・プロセッサの個数や動作周波数、メモリーバスバンド幅が異なる。映像出力は2系統のデュアルリンクDVI出力に対応し、2560×1600ドットの高解像度出力が可能である。マザーボードとの接続インターフェースはPCI Express x16。また2枚の同じグラフィックスカードを利用したSLI構成にも対応する。

GeForce 8800 GTX
コアクロック:575MHz/ストリーム・プロセッサクロック:1.35GHz/ストリーム・プロセッサ数:128個/対応メモリー:GDDR3 768MB/メモリークロック:900MHz
GeForce 8800 GTS
コアクロック:500MHz/ストリーム・プロセッサクロック:1.2GHz/ストリーム・プロセッサ数:96個/対応メモリー:GDDR3 640MB/メモリークロック:800MHz
GeForce 8800 GTXのSLI構成の写真。SLIブリッジコネクターの長さが、従来より長い新型となっているのに注意
GeForce 8800 GTXのSLI構成の写真。SLIブリッジコネクターの長さが、従来より長い新型となっているのに注意

ハイエンドGPUは、CPUをしのぐほどの消費電力を必要とする。GeForce 8800シリーズもこの傾向に代わりはないが、消費電力は64.1〜145.5W(平均では116.6W)で、ライバルであるカナダATIテクノロジーズ社(現 米AMD)のハイエンドGPU『Radeon X1900 GTX』と同程度(73.4〜131.6W、平均115.1W)としている。

消費電力比較のグラフ。8800も前世代のGPUと同レベルの消費電力で済んでいる
消費電力比較のグラフ。8800も前世代のGPUと同レベルの消費電力で済んでいる

搭載グラフィックスカードについては、大手OEMメーカーからの製品出荷が9日中にも行なわれると見込まれている。


nForce 680a/680i

Intel CPU用で初のSLI公式対応チップセット『nForce 680i SLI』を搭載するデモマシン
Intel CPU用で初のSLI公式対応チップセット『nForce 680i SLI』を搭載するデモマシン

同時に発表されたnForce 600シリーズのチップセットは、AMDプラットフォーム用の『nForce 680a SLI』(以下680a)と、Intelプラットフォーム用の『nForce 680i SLI』(以下680i)の2機種。いずれもGeForce 7000番台シリーズやGeForce 8800シリーズのデュアルGPU構成“SLI”に対応するハイエンドチップセットである。

nForce 680iのアーキテクチャー図
nForce 680iのアーキテクチャー図

“ハイエンドパフォーマンスユーザー向け”を標榜する680iは、CPUのオーバークロックなどを楽しむユーザー向けに、オーバークロックツールの充実や高速FSB(システムバス)、高速メモリー対応などを特徴とする。またIntelプラットフォーム向けとしては、唯一のSLIをチップセットで正式サポートする製品でもある。ノースブリッジに当たるSPPは、1333MHzのFSBクロックとDDR2-1200のSLI対応メモリーに対応する。対応ソケットはSocket 775、対応CPUはCore 2 Extreme、Core 2 Duo、Pentium D 9xx/8xx、Pentium 4、Celeron Dに加えて、2007年に登場するCore 2 Quadにも対応する。

オーバークロックはBIOS(NV BIOS)上で行なう一般的な方法だけでなく、Windows上で動作するソフトウェア“nTune ユーティリティ”で設定する方法も用意される。CPU速度やメモリー速度を、Windowsの再起動なしに変更することも可能だ。またnTunesでは動作させるアプリケーションに合わせて、任意の設定プロファイルを自動的に読み込み、変更することも可能である。

Windows上で設定可能なオーバークロックツール“nTunes”。FSBクロックやCPU、メモリーの電圧、メモリーのタイミング設定など、非常に多くの項目を操作できる
Windows上で設定可能なオーバークロックツール“nTunes”。FSBクロックやCPU、メモリーの電圧、メモリーのタイミング設定など、非常に多くの項目を操作できる
既存のnForce 590 SLIと比較して、680iではCore 2 Duo E6300-1.86GHzを、1.9倍もオーバークロックできたという
既存のnForce 590 SLIと比較して、680iではCore 2 Duo E6300-1.86GHzを、1.9倍もオーバークロックできたという

グラフィックスカード接続用のPCI Expressは、SPP側がPCI Express x16を1基、サウスブリッジに当たるMCP側がPCI Express x16とPCI Express x8(x16と同形状)を1基ずつ備えており、PCI Express x16を2基使用したSLI構成はもちろん、3枚目のグラフィックスカードを接続することも可能となる。

シリアルATA IIポートを6、パラレルATAポートは2備え、RAID 0/1/0+1/5のRAID構成も可能である。USB 2.0は10ポート。7.1チャンネル対応の高品位オーディオ機能も内蔵する。またGigabit Ethernetポートも2ポート備えており、パケットフィルタリングをハードウェアで行なうTCP/IPアクセラレーションや、ゲームやVoIP電話、ファイル転送など、アプリケーションごとにネットワーク使用の優先順位をウィザード形式で設定できる“NVIDIA FirstPacket技術”などの機能も備えている。

未発表のAthlon 64 FXをデュアル構成で装着できるモンスターチップセット

もう一方の680aは、1207ピンソケット(L1 Socket F1207)に対応する未発表のデュアルコアAthlon 64 FXをデュアルプロセッサー構成で接続可能なハイエンドチップセットである。メモリーコントローラーはCPU側が備えるので、チップセット自体はMCP側だけで構成される。

680a搭載システムのアーキテクチャー図。2つのデュアルコアCPUに2つのMCPで対応するモンスターだ
680a搭載システムのアーキテクチャー図。2つのデュアルコアCPUに2つのMCPで対応するモンスターだ
680a搭載マザーボードのサンプル写真。対応CPUは未発表の1207ピンソケット用Athlon 64 FX。x16タイプのPCI Expressスロットが4本、SATAが12ポートというのもすごい
680a搭載マザーボードのサンプル写真。対応CPUは未発表の1207ピンソケット用Athlon 64 FX。x16タイプのPCI Expressスロットが4本、SATAが12ポートというのもすごい

アーキテクチャー図やマザーボード写真のとおり、680aは2つのCPUソケットを備えて、デュアルコアCPUのAthlon 64 FXを2プロセッサーまで搭載できる。つまり2CPUコア×2プロセッサーで最大4CPUコアをサポート可能だ。さらにチップセット自体も2つのMCPから構成されるため、PCI Express x16×2、PCI Express x8×2という前代未聞の拡張スロット構成に対応可能となっている。4枚のグラフィックスカードを装着し、それぞれに1台ずつのディスプレーを接続することも可能だ。まさにモンスターなチップセットと言えるだろう。

680aの特徴とする機能。4つのGPU、4つのGbE、12のSATAで4つのRAIDボリュームと4づくし
680aの特徴とする機能。4つのGPU、4つのGbE、12のSATAで4つのRAIDボリュームと4づくし

MCPを2個分搭載するので、ストレージやネットワーク関係も680iの2倍の数を接続可能だ。そのためシリアルATA IIは最大12ポート、Gigabit Ethernetも4ポート搭載できる。USBは10ポートとなっている。組み合わせるCPUが未発表であるが、CPUが市場に登場すれば680aと組み合わせることで、Intelのクアッドコア搭載のCore 2 Extreme QX6700を搭載するシステムに匹敵、あるいは凌駕するパフォーマンスを発揮するマシンを構築できると期待される。

(編集部 小西利明)




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