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アカマイ、『PLAYSTATION3』と『Wii』のコンテンツ配信インフラとして同社のプラットフォームが採用されたと発表

2006年12月19日 19時26分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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発表会
PS3とWiiを前に発表する代表取締役社長の小俣氏

アカマイ(株)は19日、都内の同社会議室に報道関係者を集め、同社のコンテンツ配信プラットフォームが、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの『PLAYSTATION3』(PS3)、任天堂(株)の『Wii』などでサポートしているコンテンツダウンロード用のインフラとして採用されたと発表した。

同社は、パソコン向けソフトウェアダウンロードの配信インフラをNHN Japan(株)などに提供してきたが、据え置き型のゲーム機で同社のプラットフォームが採用されるのは初となる。

発表会には、代表取締役社長の小俣修一(こまたしゅういち)氏、米アカマイ・テクノロジーズ(Akamai Technologies)社 上級製品マネージャのクリス・アレクサンダー(Kris Alexander)氏が出席し、発表の概要説明などを行なった。



将来的にはゲームもダウンロードが主流になっていくのでは

小俣氏
代表取締役社長の小俣修一氏

小俣氏は、現在の国内のゲーム市場について「ゲームソフト、コンテンツ配信の実績を見ると、2005年の時点ですでに3分の1がコンテンツ配信の売上で占められている。音楽業界を見てみると、CDという物理的なもので買われていたものが、ダウンロードでデータとして買われる形態に移ってきており、ゲームでも同じようになっていくのではないか」と述べた。

コンテンツ配信
ソフトの売上実績は、コンテンツ配信が全体の3分の1を占める

同社の配信プラットフォームシステムは、従来のセンターからコンテンツを配信するのではなく、世界各地のインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)と契約して、ダウンロードサーバーを分散させる“分散エッジ・サーバー”方式を取っており、人気のあるコンテンツにアクセスが集中しても、配信が滞りなく行なえるという。また、それぞれの地域からユーザーに対して配信されるため、北米ではこのコンテンツ、日本ではこのコンテンツといった“コンテンツの地域制御”ができるという。

分散エッジ・サーバー方式
アカマイが誇る“分散エッジ・サーバー方式”

また、小俣氏は「この配信システムを持っているのは全世界でもアカマイだけ」と語る。その理由として「1998年の創業以来、ずっと分散型のシステムを追及してきており、2003年まで投資を続けて赤字だった。このシステムを実現するには、全世界にあるプロバイダーの1つ1つと契約していかなければならず、資金的にもこのシステムに追従できる企業がなかったため」と説明した。

安定した回線と劣化のない高品質なダウンロードを提供

アレクサンダー氏
米アカマイ・テクノロジーズ 上級製品マネージャーのクリス・アレクサンダー氏

次にアレクサンダー氏が、実際にアカマイがどういったメーカーに採用されているのかを説明。オンラインゲームのプログラム配信からインターネットメディアのデモダウンロード、ストリーミング再生といった分野で主に採用されているという。

Turbine Gamespot
オンラインゲーム『Dungeons & Dragons』を運営する米Turbine社では、トラフィックが最高時で平常時の10倍まで行なったが、ほぼ100%ダウンロードに失敗することなく配信できたというインターネットゲームメディアの“Gamespot”では、5月にアメリカのロサンゼルスで開催されるE3(ELECTRONIC ENTERTAINMENT EXPO)にて、6万回線の同時ストリーミングに対処できた

今回のPS3(PLAYSTATION NETWORK)では、HTTPによるダウンロードサーバーとコンテンツを保存するストレージをアカマイが担当し、Wiiでは、ウェブサイトデータとダウンロードサーバー、ストレージといった部分を担当している。

PS3 Wii
PS3では、ダウンロードサーバーとストレージを担当。大規模需要に対応できることを最優先しているWiiでは、日本だけでなく全世界でのゲームコンテンツ配信社として、新しいゲームを配信するにあたっての効率のよさを重視

また、両機に先駆けて1年前の2005年12月10日に発売されたマイクロソフト(株)の『Xbox 360』でも、“Xbox Live”というコンテンツ配信、オンラインマッチングシステムがあるが、現時点ではアカマイの配信システムは採用していないという。アレクサンダー氏は、「マイクロソフト社とは、Windows Vistaのプログラム配信プラットフォームとして採用された実績があり、今後はマイクロソフトのほかの分野でも自社のシステムを導入する可能性はある」と述べた。

お詫びと訂正:記事掲載当初、アカマイ(株)代表取締役社長の名前を小俣修一(おまたしゅういち)氏と記載しておりましたが、正しくは小俣修一(こまたしゅういち)氏になります。ここに訂正するとともに、お詫びいたします(2006年12月20日)

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