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“ソフト産業プラザ・インキュベータオフィス”入居募集説明会を大阪市内で開催

1998年10月22日 00時00分更新

文● 野々下裕子、younos@pb3.so-net.ne.jp

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 20日、大阪市内のホテルで“ソフト産業プラザ・インキュベータオフィス”の入居募集説明会が開催された。用意された席がほとんど埋まるほどの盛況ぶりを見せていた。オフィスの設備は豊富といえる。

説明会場
説明会場



 “ソフト産業プラザ”とは、大阪市が映像情報通信(マルチメディア)産業の総合的な育成・振興拠点として、住之江区咲洲コスモスクエア地区(南港)に整備するものである。“共同研究開発支援施設”と“創業・情報化支援施設”の2つの施設からなる。“インキュベータオフィス”は、“創業・情報化支援施設”としてATC内に開設される。

施設の説明をする室長の富永氏施設の説明をする室長の富永氏



 “インキュベータオフィス”には、約900平方メートルのスペースに、大小あわせて18の部屋が用意されており、それぞれの事業規模にあわせたスペースが選べるようになっている。2~3の部屋を1オフィスとして使うことも可能だ。もちろん、ネットワーク環境も整備されており、共用ルームにあるノンリニア編集やDVD制作システムといった機材から、ライブラリー、プレゼンルーム、シャワー室などといった施設も一部有料でを利用することもできる。まさにこれからデジタルでの事業を始めたい人たちにとっては、いたれりつくせりといった内容というところだろう。

説明会の参加者は年齢も職業もさまざまな人たちが集まった
説明会の参加者は年齢も職業もさまざまな人たちが集まった



 しかし、気になるのはその立地である。南港といえば、観光地としてはメジャーになりつつあるものの、“遠い”という印象はいまだ拭えない。大阪テクノポート線(OTS)線の開通で多少交通の便はよくなったものの、インテックス大阪やWTC、ATCといった現在運営中の施設はこの距離感のために苦戦していると言わざるを得ない。関係者にとっても最も苦慮しているところであろう。

 そうした不利な部分を少しでも払拭するためか、“ソフト産業プラザ”では、環境の提供に加え、ビジネスコンサルティングやコーディネート、教育研修といったサービス面の充実させている。また、尼崎のインキュベーション施設運営に関わってきた実績を持つ室長の富永順三氏をはじめ、準備室のスタッフ4名は、いずれも民間からの採用者という珍しい形態をとっている。

交流会の風景
交流会の風景



 「入居者とスタッフとの関係づくりも大切にしていきたい」と広報担当の中村香織氏が語るように、説明会の半分は質疑応答と交流会に費やされた。会場にはスーツ姿よりもクリエイターやSOHOグループ、年配の個人事業者の参加者が目立っていた。中には、別のインキュベーション施設で卒業を迎える(インキュベーション施設の入居は期限制約がある)という参加者もいたようだ。

準備室のスタッフ。左から苗加茂和チーフITオフィサー、森田正子ディレクター、富永、中村氏
準備室のスタッフ。左から苗加茂和チーフITオフィサー、森田正子ディレクター、富永、中村氏



 「いい条件であれば多少の環境変化はかまわない」という、デジタル業界特有のフットワークの軽さを持った人たちと、新しい環境がどう結びついていくのか。オフィスは来年の1月末日より入居開始。入居者募集は11月13日まで受け付けている。

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