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インテルがスーパーボウルのテレビCMから撤退

1999年01月27日 00時00分更新

文● 報道局 鹿毛正之

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 米インテルは、これまで毎年放映してきたスーパーボウル中継内でのCM放映を、31日(現地時間)に開催される第33回大会では中止することを発表した。同社では、製品の出荷が間近になるまでCMの放映を差し控えるという。

 インテルはこれまでスーパーボウル中継内でのCM放送を続けてきた。昨年は自社のWebサイトでクイズを行なうことを告知するインタラクティブ広告を放映。1億3000万人の視聴者のなかから約50万人が同サイトにアクセスしたという。

 インテルではスーパーボウルから撤退した理由を明らかにしていないが、あまりにも高騰するCM放映料金が原因の一端であることは否めない。


CMの料金は30秒で180億円!


 スーパーボウルは“アメリカの国技”と言われるアメリカンフットボールの優勝決定戦で、毎年1月末の日曜日に開催される。視聴率は50%近くにも及び、全米で1億人以上の視聴者が注目するという、単一の試合としては世界最大のスポーツイベント。

 その注目度の高さから、スーパーボウルでのCMは世界で最も高額な放映料金で知られている。昨年中継を行なったNBCは30秒間で130万ドル(約147億円)という価格をつけていた。それが中継局がFOXに移った今年は、23%値上げの160万ドル(約180億円)という強気の価格が発表され、話題を呼んだばかり。

 それでも50あまりの放映枠は完売し、キャンセル待ちも多い。今回初めてのCMを放映するプロレス団体のWWFは、プロレスのイメージを嫌う他社が前後枠でのCM放映に難色を示したため、FOXから2倍とも3倍とも言われる放映料金を吹っ掛けられたとの噂も流れている。それほど人気のあるスーパーボウルのCM枠が空いたということで、インテルの撤退は他社にとっては朗報だったと言うことができる。

 ちなみに、自動車通販で知られるAutobytel社がCMを放映したときは、放映終了後に売上が30%伸びたと言われている。アップルコンピュータが'84年に放映した初代MacintoshのCMは、“伝説”としていまだに人々の脳裏に焼き付いている。これらのCMは、コンピューター業界の各社にとってもスーパーボウルでのCM放映がいかに効果的であるかということを、如実に示している。

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