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インターネットを利用して男女を産み分け---プロキアッド ジャパンが“セルナス・メソッド”を紹介

1999年01月28日 00時00分更新

文● マルチメディア・ネットワーク研究会 田原佳代子

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 (株)プロキアッド ジャパンは1月27日、男女産み分け法“セルナス・メソッド(性の自然選別法)”の国内普及をめざし、2月からインターネットも利用した本格展開を開始すると発表した。男女の産み分けは「古代ギリシャ時代からの人類の夢」でもあり、また、一方ではどこまで許されるのかといった生命倫理にも絡んでくる問題。採血を必要とせず、薬物にも頼らない安全な産み分け法と言われる“セルナス・メソッド”をインターネットを通して実践することについて、生殖科学分野のエキスパートが解説を行なった。

 プロキアッド ジャパンは、フランスのラボラトワール・プロキアッド・アンテルナショナル社が設立した日本法人。ラ社はセルナス・メソッドの普及・販売を目的として、'97年にフランスで設立された企業。現在は世界30ヵ国でセルナス・メソッドのサービスを行なっている。

 セルナス・メソッドはフランスの細胞生物学者であるパトリック・シュアン博士により考案され、遺伝子操作や薬物を使用しない自然な産み分け法としてフランスで開発された。現在、世界26ヵ国でサービスが開始され、フランスを中心とする欧州各国で昨年度、セルナス・メソッドで出産した1022組中975組(95.4%の成功率)の家族で希望する性別の子供が生まれたと報告されている。さらに、'89年から6年間行なわれた公開実験では155組中153組(98.7%の成功率)が産み分けに成功したことが裁判所の執行官によって確認されている。
[プロキアッド ジャパンの発表資料から抜粋]


 記者発表では冒頭、(株)プロキアッド ジャパン代表取締役社長の若山利文氏が、国内での事業展開についての意気込みを語った。セルナス・メソッドの科学的側面については、フランスから来日したジョルジュ・カストロ医学博士とドナティアン・マヴァングー教授から説明が行なわれた。最後に仏プロキアッド社開発部長のミッシェル・コレア氏が、各国の取り組みを中心に事業としての側面について述べた。


セルナス・メソッドは医療行為か否か

若山氏「産み分けをすることが医療行為であるか否かという点については、厚生省のレベルでも正式な基準は一切でておりません。セルナス・メソッドは医療行為ではなく、最新の産み分けに関する情報を提供していくという意味で、情報提供サービスであると考えています」

コレア氏「現在、1万件のデータの分析をすすめており、最終的には報告書にまとめます。セルナス・メソッドが医療的な手段としても有効であるかどうかは、今後検討していきたい」

自己決定の権利を説く、プロキアッド ジャパンの若山利文社長 自己決定の権利を説く、プロキアッド ジャパンの若山利文社長



仏プロキアッド社のミッシェル・コレア氏 仏プロキアッド社のミッシェル・コレア氏



これまでの男女産み分け法との違いは?

マヴァングー氏「これまでの産み分け法は、精子のX染色体とY染色体を分離するという方法でした。ところが、卵子自体が両極性を持つことが明らかになったのです。そのため、卵子が持つ極性の変化に基づいて精子の染色体を選択していくことが、セルナス・メソッドの仮説にとって非常に大きな前提となっています。精子の選択によって、なんら人工的な操作を加えることなく男女の産み分けが可能になるということが、セルナス・メソッドの理論なのです」

ガボンのホルモン病理学研究センターで科学部長を務めるドナティアン・マヴァングー教授 ガボンのホルモン病理学研究センターで科学部長を務めるドナティアン・マヴァングー教授



セルナス・メソッドの仮説の前提について

カストロ氏「セルナス・メソッドは1つの仮説から出発した理論です。その仮説とは、細胞間の情報伝達(細胞間コミュニケーション)です。すなわち、細胞同士が何らかの作用をおこす時に、細胞同士が必要な情報を交換するコミュニケーションをとりながら、色々なかたちに進化していくことが前提になっています。この細胞間コミュニケーションはまだ耳慣れない言葉ですが、この10年ほどで医学・薬学分野において注目される理論になるのではないかと思っています」

フランスのリモージュ病院でPMAセンター体外受精部長の要職を務めるジョルジュ・カストロ医学博士 フランスのリモージュ病院でPMAセンター体外受精部長の要職を務めるジョルジュ・カストロ医学博士



マヴァングー氏「産み分けに必要な“最適日”の予測は、卵子がプラスとマイナスに変動するサイクルを導き出す計算式を利用することで予測することができます」

 仏プロアキッド社によると、Y染色体(男子)を持つ精子とX染色体(女子)を持つ精子では、異なった電化特性を持っているという。一方で卵子には一定の周期で変化する電荷サイクルがあり、そのためサイクルに応じて男女どちらの子供が生まれやすいかが決まるという。

 セルナス・メソッドでは、母親の年齢や血液型から卵子の電荷サイクルを推測し、そのサイクルを元に、最適日を特定した“パーソナル・カレンダー”を作成する。


産み分け手法を提供する“セルナスクラブ”

 プロキアッド ジャパンでは、会員制の“セルナスクラブ”を創設する予定。同クラブではパーソナルカレンダーの作成をはじめ、出産と育児に関する総合的なコンサルティングを提供する。同クラブへの申し込みはメールで受け付けており、5月以降は同社が開設するホームページから申し込みができるようになる。

仏プロキアッド社のサイト、なかなか刺激的な写真を使っている
仏プロキアッド社のサイト、なかなか刺激的な写真を使っている



 同クラブへの入会金は2万円で、カレンダー作成料として別途4万円が必要。これらの申込金は、産み分けに成功しなかった場合は全額返金される。

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