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懐かしいあのゲームに出会える!! 『ポン』、『マリオ』、『パックマン』などのインスタレーションも――『BIT GENERATION 2000 テレビゲーム展』(前編)


2000年6月19日

6月15日、神戸市六甲アイランドにある神戸ファッション美術館で『BIT GENERATION 2000 テレビゲーム展』が始まった。8月29日まで開催される同展は、国内の公立美術館がテレビゲームを日本の現代文化のひとつとして捉え、その歴史と現在を多面的に紹介する初の機会だという。たしかに我々が日常当り前の娯楽として消費し続けているゲームが、美術館で展示されることは今までになかった試みだ。さっそく会場に入ってみよう。

ゲームを素材にしたインスタレーション展示、数々のゲームインターフェースや関連グッズの展示、そして実際に遊べるゲームが数多く設置されている
ゲームを素材にしたインスタレーション展示、数々のゲームインターフェースや関連グッズの展示、そして実際に遊べるゲームが数多く設置されている



“見る”より“やる”展示
薄暗い展示フロアーの中央にはなぜか卓球台がある。横にも同じ卓球台。が、こちらの盤面では白いドットで描かれたバーが物憂げに白球を打ち返している。そう、黎明期の名作『ポン』(アタリ)が投影されているのである。実物の卓球台と質量を持たないビット世界の卓球ゲーム。『アトムとビット』と題されたインスタレーションだ。床に映写されたパックマンがさまよい、マリオはドット画からポリゴンへと進化していく。

ドットからポリゴンへと進化するマリオの姿
ドットからポリゴンへと進化するマリオの姿



こうしたインスタレーション展示を見ていても、目はさっと作品を撫でていくだけで、どうにも落ち着かない。そう、この会場には実際に遊ぶことができる数々のゲーム機がずらりと並んでいるのだ! 恐らく本展に行ってみようかと考えている方々には「何を実際にプレイできるのか?」が最も重要な情報だろう。さっそく列挙してみよう。

『クラシックテトリス』(PS/BPS、1999)
『スペースインベーダー2000』(PS/タイトー、1998)
『スピードレース』(アップライト/タイトー、1974)
『ブレイクアウト』(中型筐体/アタリ、1976)
『スペースインベーダー』(アップライト/タイトー、1978)
『アステロイド』(アップライト/アタリ、1979)
『パックマン』(中型筐体/ナムコ、1980)
『ウィザードリィI・II・III』(SFC/メディアファクトリー、1999)
『ゼビウス』(中型筐体/ナムコ、1983)
『ハングオン』(大型筐体/セガ、1985)
『スーパーマリオブラザーズ』(FC/任天堂、1985)
『ファミリースタジアム'91』(SFC/ナムコ、1990)
『ドラゴンクエストIIIそして伝説へ…』(SFC/エニックス、1996)
『テトリス』(アップライト/セガ、1987)
『ウィニングラン』(大型筐体/ナムコ、1989)
『シムシティー』(SFC/任天堂、1991)
『ソニックザヘッジホッグ』(MD/セガ、1991)
『ストリートファイターII』(SFC/カプコン、1991)
『ダービースタリオン』(PS/アスキー、1997)
『バーチャファイター3』(大型筐体/セガ、1996)
『ファイナルファンタジーVII』(PS/スクウェア、1997)

ゼビウスに興じる人、奥にはハングオン。過去のゲーセンが蘇ったような風景
ゼビウスに興じる人、奥にはハングオン。過去のゲーセンが蘇ったような風景



数あるゲーム展示中、保存のため電源が入っていないのはこれのみ。1971年の『コンピュータスペース』(ナッチング)
数あるゲーム展示中、保存のため電源が入っていないのはこれのみ。1971年の『コンピュータスペース』(ナッチング)



他にも各メーカーから提供された新旧さまざまなゲームがずらりと並んでいる。家庭用ゲーム機はそのまま好きなだけ遊べる(1日中ドラクエから離れない客がいてもおかしくはない) し、アーケードものは入り口でコインをもらって遊ぶ形式だ。初日は11時の開館前からプレス内覧会が行なわれたが、取材そっちのけでゲームに興じる記者多数。そして開館と同時に待ちかねていたゲームフリークの青年たちがコインを手に会場内へ散っていった。夏休みに子供連れで行くにはぴったりの展覧会にも思えるが、目当てのゲームを心ゆくまでプレイするには平日の午前中を狙った方がいいかもしれない。ちなみに神戸展終了後には、茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーで2000年10月28日から2001年1月28日まで開催される。

“ゲーム博物館”実現に向けた試金石として
「わぁ、これ懐かしいなぁ!」

恐らく近所に住んでいるのだろう。乳母車を押した奥さん連れでやってきたご主人が、さっそくゲームにとりつく。奥さんは所在なげに展示を見てまわっていたが、すぐに戻ってきて「まだやってるの? もう行こうよ」と促す。まるで街のゲーセンと変わらない風景が、美術館で展開しているのが面白い。ゲームそのもの以外の展示は、ややあっさりしすぎていて物足りない感じさえあるのだが「プレイしてなんぼ」のゲームは、場所が美術館だろうが場末のゲーセンだろうが、またたくまに人を魅了する魔力を失わない。

家庭用ゲームだけでなくアーケードゲームも入り口で渡してくれるコインで遊ぶことができるのだ
家庭用ゲームだけでなくアーケードゲームも入り口で渡してくれるコインで遊ぶことができるのだ



企画者である『テレビゲーム・ミュージアム』は十数年前にゲーム好きの有志が集まって始めたNPO(非営利団体) だ。「ゲームにもミュージアムが欲しいね」というシンプルな動機で始まったこの団体は京都の『ゲームアーカイブ・プロジェクト』(GAP)と協力体制をとりながら、歴史的な資料を収集、保存、展示するミュージアムの実現に向けて構想中だという。本展はその実現に向けての試験的展示といえそうだが、考えてみればゲーム大国日本にゲーム博物館的なものが今までなかったということこそ驚きでもある。後編では、展示内容をさらに詳しくレポートすると同時にテレビゲーム・ミュージアムの活動についても紹介していきたいと思う。

過去の人気ゲームを切手風にアレンジしたポスター(部分)。同様の切手型オリジナルシールを来場者先着25000名にプレゼント。早く行かないとなくなっちゃう?
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会場の神戸ファッション美術館は、六甲アイランドのランドマーク的存在。ファッションに特化した独自の展示で人気。「ファッション」も「ゲーム」も、意識的にアーカイヴしなければ消費され消えていく運命というところに共通点がありそうだ
会場の神戸ファッション美術館は、六甲アイランドのランドマーク的存在。ファッションに特化した独自の展示で人気。「ファッション」も「ゲーム」も、意識的にアーカイヴしなければ消費され消えていく運命というところに共通点がありそうだ

(Yuko Nexus6)


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