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【MACWORLD Expo/NY2000 Vol.4】コロンブスの卵的な構造!? マウス全体をボタンにしてしまったアップルコンピュータの『Pro Mouse』

2000年07月20日 00時00分更新

文● 林 信行

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デスクトップシリーズ全製品がリニューアルされた“MACWORLD EXPO/NEW YORK 2000”。驚くほど手頃な価格になった新iMac、スーパーコンピューターの性能を驚くほどの小ささに凝縮してしまったPower Mac G4 Cube、そして最強のPowerPC G4プロセッサーを従来通りの価格で2個も搭載してしまった新Power Mac G4。いずれ劣らずの魅力的製品で、購買者を悩ませそうだ。
 
もっとも、いくら安くなったとは言え既にパソコンを持っていて、そう気軽には新製品を買えないという人も多いだろう。
 
そんな人でも新しいマウスの『Pro Mouse』や、新キーボード『Pro Keyboard』(いずれも7500円で9月よりApple Storeから購入可能になる)を買えば、少しだけ新機種を買った気分に浸れるかも知れない。
 

マウスパッドがない場所でも正確にその動きを読みとる

ここではいち早く入手した新マウス、『Pro Mouse』のしくみを少しだけ紹介したい。

クリックしているところ
クリックしているところ



Pro Mouseは世界でも初めてのボールレス(マウスボールがない)、ボタンレス(ボタンがない)マウスだ。

 

大きさはアップルコンピュータ製マウスとしては人気が高かった“ADB仕様”のマウスにかなり近いが、上下左右対称の楕円形となっている
大きさはアップルコンピュータ製マウスとしては人気が高かった“ADB仕様”のマウスにかなり近いが、上下左右対称の楕円形となっている



 
表面はガラスっぽい質感を持つ無色のクリスタルカラー(完全な透明)になっているのだが(かなり高級感がある)、よく見るとマウスが2層構造になっており、内側にやはり光沢がある黒いプラスチックの本体部分があることが分かる(この黒いプラスチック部分の内側にマウスの基板やマウスの動きを読みとる赤い光がうっすらと見える)。
 
マウスはマイクロソフト社のIntellimouse Explorerシリーズなどと同じ光センサー式(これをアップル社はオプティカル方式と呼んでいる)になっており、底面部分が発する赤い光を使って床面の移動距離を読みとっている

マウス底面の構造。底面部分が発する赤い光を使って床面の移動距離を読みとる
マウス底面の構造。底面部分が発する赤い光を使って床面の移動距離を読みとる



マウスパッドがない場所でも正確にその動きを読みとってくれるのが強みで、アップル社は同社展示ブースに人工芝や大理石などさまざまな素材が貼られた板を用意して、その上でもちゃんと操作ができることをアピールしていた。

マウス側面から見た写真
マウス側面から見た写真



マウスを全体がボタンに!? アップルならではの発想

今回のマウスでもっとも気になるのがどうやってクリック操作を認識しているかというポイントだろう。実は『Pro Mouse』は2層構造を利用して、マウスを全体をボタンにしてしまったのだ。マウスの上から軽く力を加えると「カチッ」というクリック音がしてマウスの全体が下に1ミリほど下に沈む

マウスのクリック前後の違い。マウスと机の間にある白い部分が 見えているか見えていないかの状態で、クリックしているのか、 していないのかが分かる
マウスのクリック前後の違い。マウスと机の間にある白い部分が 見えているか見えていないかの状態で、クリックしているのか、 していないのかが分かる


 

マウス上面のパーツはよく見ると接地はバネ(!?)の力でわずかに床面から浮いている(実は接地しているのは光センサーがついている黒プラスチックのパーツの方だ)。ユーザーがマウスの上から力を加えると、この無色のクリスタル部分が沈み内部のスイッチが押されるのだ。

ほんのちょっとしたデザインの工夫で、これまでにまったくなかった新しい操作を実現してしまうあたりにアップル社のデザインチームのすごさを感じさせられる。

なお、前日予想記事で書いたような傾ける、握るといった操作に反応することはなさそうだ(これらはアップル社が意図的にリークした偽情報である可能性が高い)。

ところで、新マウスの操作感は人によって違うだろうが筆者が話をした数人の米国人の間ではおおむね好評だった(日本人の間では評は2つに分かれた。新マウスが気に入らない人の中には「やはりボタンがないと不安を感じる」や「ホイール機能が欲しかった」などの意見が多かった)。

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