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「IMT-2000の64kbpsデータ通信料金はPHSより高く」──NTTドコモの木下取締役


2000年12月15日

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの木下耕太取締役兼研究開発本部副本部長は15日、都内で開かれた“NTT-ATシンポジウム2000”(主催:エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ(株))(※1)において“次世代携帯電話への取り組みと今後の展開”と題した講演を行なった。講演の中で木下氏は、IMT-2000の64kbpsデータ通信サービス料金について「現行のPHSより高くなる。PHSの64kbps料金は安すぎる」と述べ、IMT-2000のデータ通信サービスはPHSのそれよりも安くはならないという見通しを明らかにした。

※1 NTT-ATが、携帯電話関連機器メーカーの技術者や関連ビジネスを考えている企業向けに、次世代携帯電話をテーマに開催した有料(3万5000円)のシンポジウム。

木下耕太取締役兼研究開発本部副本部長
NTTドコモ、木下耕太取締役兼研究開発本部副本部長

iモード成功の理由

1600万加入に達したといわれるiモードについて木下氏は「海外などに行くと必ずiモードの成功の理由につて聞かれるが、3つの理由があると考えている。すでに全国にパケット網が完備されていたこと、片手で使えるようにしたこと、HTMLを採用したことだ」と述べた。特にHTMLについては、標準技術を採用したことで、コンテンツメーカーの参入が容易だったことが大きかったとした。

iモード加入者とiモード対応ウェブサイトの伸び
iモード加入者とiモード対応ウェブサイトの伸び

現在提供されているiモードサービスでは、データベースサービスが9%、ニュースが15%、株の購入などトランザクションが17%、エンターテイメントが57%という数字をあげ、(株)バンダイの待ち受け画面用キャラクターサービスなどの例を紹介した。エンターテイメントサービスのこれからについては、PHSが対象の音楽配信サービスや、携帯電話向けのゲームは威信サービス、映像配信サービスを紹介したが、これらについては「どれがどのように伸びるのか正直言ってわからない」という。

iモード対応コンテンツの内容別グラフ
iモード対応コンテンツの内容別グラフ

IMT-2000の展開、データ通信料金は当初は高め?

2001年5月末に、世界に先駆けてNTTドコモが開始するIMT-2000サービス“FOMA(フォーマ)”の展開については「当初は東京23区と川崎、横浜を対象地域として200ヵ所の基地局を配置する。23区以外が千葉方面でないのは、当初はトラブルの発生が予想されるので、研究所(※2)のある横須賀方面にしたため」とし、「さらに2001年中に300の基地局を追加し、国道16号線の内側をカバーすると共に大阪と名古屋でもサービスを開始、2002年にそのほかの主要都市でもサービスを開始する予定。開始から3年間に1兆円を投資する計画」と述べた。人口カバー率90%に達するのは2004年3月になるとしている。

※2 NTTドコモのR&Dセンターは、神奈川県横須賀市の横須賀リサーチパーク(YRP)にある。

FOMA対応端末
ドコモのIMT-2000サービス“FOMA”の名称発表時にも示された、FOMA対応端末。左のペン型のものは受話器の機能があり、本体とはBluetoothによって接続されるのだという

また、IMT-2000では、端末のデータ通信速度が現在の回線交換方式9.6kbps、パケット方式28.8kbpsから、それぞれ64kbps、384kbpsに向上するとされているが、料金については明らかにされていない。NTTドコモは現在、PHS網において回線交換方式による64kbpsのデータ通信サービスを展開中だが、これとIMT-2000のデータ通信サービスはどのように済み分けるのかということについて、木下氏は「PHSとIMT-2000のデータ通信サービスの住み分けは難しい。ただ、料金についてはIMT-2000の64kbpsサービスでは、PHSよりも高い料金にせざるを得ない。現在のPHSの64kbpsサービスは安すぎるのではないか」という考えを示した。また「IMT-2000のさらに次世代サービスにおいては帯域や速度は10倍に、料金は10分の1にしなくてはならないと考えているが、まだそのための技術はかたまっていない」という。

高速性を売り物にした、マルチメディアサービスが取り上げられることの多いIMT-2000だが、サービス料金については発表されておらず、かなり割高なものになるのではないかという意見も聞かれる。今回の木下氏のデータ通信料金に関する発言は、こうした意見を裏打ちするものとなった。2001年秋から冬にかけて、KDDIグループがCdma2000規格によるサービスを開始し、NTTドコモを追いかけるが、こちらもシステムへの投資額を考えるとそうそう安い料金を打ち出すことは難しいだろう。

当分は人口、地域のカバー率、サービスの多様性を考えれば、現在の携帯電話を使い続けるユーザーがほとんどで、高速な無線データ通信の役割をPHSが果たす、ということになるだろうが、IMT-2000が浸透するまでには、いわゆる“キラーアプリケーション”が必要。サービス開始前に予想するのは難しいが、普及にはかなり長い時間がかかりそうだ。

(編集部 佐々木千之)


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