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【ITU TELECOM ASIA 2000レポートVol.1】初公開、NTTドコモの503iシリーズとFOMA端末


2000年12月15日

香港のコンベンション・エキシビションセンターを会場に、“ITU TELECOM ASIA 2000”が2000年12月4〜9日にわたり開催された。国際電気通信連合(ITU)主催によるアジア地域最大の電気通信の展示会であり、電気通信全般についての最新技術および機器等の展示会とフォーラムで構成されているもの。

香港コンベンション・エキシビションセンター
香港コンベンション・エキシビションセンターの外観。今回展示に利用された総面積は2万7896平方mと, 幕張メッセの総展示場面積5万4000平方mの約半分にあたる。世界30ヵ国より502企業(12の国単位の出展含む)のブースが集まった

今回の同イベントは、とにかくワイヤレス系の展示が目立った。まるでモバイル専門のイベントなのかと見まごうほどだ。右を見ても左を見ても携帯電話なのだ。中でも、日本のNTTドコモブースは、会期中のイベント総集客数5万人強に対し、最初の3日間で当初用意したカタログ1万部が全部なくなってしまうほどの人気ぶり。携帯電話の規格として、現状ではワールドワイドで見ると少数派のPDC方式を採用し、データ通信サービスとしてもこれまた独自のiモードを採用するドコモに対して、周囲の展示を固めるGSMおよびWAP採用の携帯電話関連企業の視線が集中した6日間であった。

503iシリーズのモックアップ
ドコモブース最大の目玉はなんといっても、2001年早々に発売が予定されるJava対応の新型端末、503iシリーズ。モックアップながら、ドコモが公式に503iシリーズの筐体を展示したのは本邦初だ
Javaを使ったアプリケーションのデモンストレーション
Javaを使ったアプリケーションのデモンストレーション。地図コンテンツを使ったものや株取引を行なうものなどが展示されていた

ドコモブースの面積は、会場内では目立つほど広いものではなかった。しかし、受け付けの真後ろに用意された今回最大の呼び物である、Java対応の“503i”端末展示コーナーと、2001年5月末に世界に先駆けてドコモが開始する第3世代移動電話事業(IMT-2000、W-CDMA)の“FOMA(フォーマ)”ブランドのコーナーには人だかりが絶えることはなかった。

503iコーナーでは、モックアップながらメーカー名が一目でわかる新端末がズラリと並ぶ。実機によるデモは残念ながらなかったが、エミュレーターを利用してPC画面上にゲームや交通情報、株価情報などのコンテンツをいくつか披露した。モデル画面は日本語ながら、中国語と英語による説明を配し、今回の“ITU TELECOM ASIA 2000”のために制作された新プログラムだという。

503iのデモ自体は日本で何度か披露されているので、目新しさは感じられなかったが、日本人以外の来場者にはそうとう刺激的な展示だったようだ。そもそも日本以外の国では携帯電話のカラー化やデータ通信は“当たり前のこと”にはなっていない。503iシリーズのみならず、隣に用意された現行のiモードに関する展示にも、常に多くの人が集まり、説明員がひっぱりだこという状態だった。

当初年内に登場とのアナウンスがNTTドコモよりあったため、筐体の大きさ、ボタンの配置、モニタのサイズなどに関心が高まり、ドコモが公式発表をしていないにも関わらず一部の端末のモックアップ画像がインターネット上に流れるなど、話題騒然の503iシリーズがモックアップながらついにベールを脱いだ。ドコモは「予定のデザインであって、発売時には異なるものになるかもしれません」としつつも「大きさや重さが著しく変更になることはないと思われる」ともコメント。来年早々に登場予定の第1弾モデルはほぼこのままのデザインになるだろう。

D503i
ワインレッドというより真っ赤な色は三菱電機のD503i。二つ折り式。モニタ部下中央に見えるのはロール式ボタンを指でくるくる回してメニューを選択し、押せば決定……というもの。ATOKポケットがFEPとして採用されているとも報じられている
F503i
シルバーのストレート型は富士通製F503i。ボディ中央に見えるまるでゲーム機の十字キーのようなボタンは、Javaによるゲームを楽しむ際には便利そうだ
N503i
シルバーの2つ折りスタイルが日本電気のN503i。ディスプレー画面の大きさで定評のあるNECの携帯電話だが、これも1番大きく見受けられた
P503i
黒いストレート型は、松下通信工業製のP503i。真中の決定ボタンらしきキーの中央は、指でグリグリすると四方に動きそう。同社のP209Sの決定ボタンと酷似。やはりJava対応のゲームに便利そうだ
P503iS
青の二つ折り型も同じく松下通信工業製P503iS。こちらの決定ボタンはノートPCの『人』のポインティングデバイスを彷彿とさせるデザインだ。ボタンのまわりに四方を示す矢印が配置されているので、やはり十字キーとしても機能するのだろうか。テンキーの大きさが展示されていた中では最も大きく、使いやすそうだ
SO503i
最後のシルバーの二つ折り型はソニー製のSO503i。ジョグダイヤル搭載など、先ごろ発売されたメモリースティックを内蔵できるタイプの同社の携帯電話とボタンの配置はほとんど同じだ

ITU TELECOM ASIA 2000開催直前の11月30日に発表されたばかりの、IMT-2000による携帯電話サービスのサービスブランド名“FOMA(Freedom Of Mobile multimedia Access)”関連の展示も行なわれていた。内容自体は11月30日の発表以上のものはなかったが、コンセプトモデルのモックアップとはいえ、写真ではなく実物が公開されたのはこれまた初めてのこと。携帯電話端末の展示をよく見てみると、iモードマークがしっかり付いていて、iモードはイメージそのままにW-CDMAでも踏襲されることを明確に示唆しているといえよう。FOMAと名づけられた、ドコモのIMT-2000事業は、2001年5月末より首都圏を対象に、サービス開始当初、回線交換の場合が64kbps、パケット通信の場合が上り最大64kbps、下り最大384kbpsのベストエフォート方式で運用される予定。

FOMA端末のモックアップ
FOMA端末のモックアップ。ディスプレーに表示されているのは音楽をダウンロードしているイメージ

11月29日に発表され、12月8日に発売されたばかりの『eggy(エッギィ)』も展示されていた。PHSを利用した映像配信サービス対応端末で、MPEG-4に対応するのは世界初ながら、すっかり503iシリーズとFOMAに人気を奪われた格好だった。さりげなく、eggyの次のモデルも横に参考展示されていたが、こちらは電話機と一体型になったタイプだ。市場に登場するのは間近のようだが、eggy(実勢価格2万5000円前後)に比べてかなり高くなってしまうらしい。

『eggy』と『P-inconp@ct』(右)と、カメラ一体型端末のコンセプトモデル
『eggy』と『P-inconp@ct』(右)と、カメラ一体型端末のコンセプトモデル

ドコモブースには、ほかにもW-CDMA用コンセプトモデルやメモリースティック内蔵携帯電話などが展示されていたが、日本のイベントで見かけたことがあるものばかりで新鮮味はなかった。それよりも目をひいたのが、端にいくつか配置された丸いテーブル。表面にPRESS RELEASESなどの文字がチラチラと泳ぐように写っていると思ったら、触れるとたちまち画面が登場する。チラチラした文字がキーの役割を果たすタッチパネル式プレゼンテーション端末だったのだ! このテーブルを囲んで商談……をしようとしても、お客様のほうはどうしても展開する画面に目がいってしまうようだった。

タッチパネル式のプレゼンテーション端末
単なる丸テーブルと思うなかれ。なんとタッチパネル式のプレゼンテーション端末だった

(月刊アスキー 大槻眞美子)


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