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【続報2】中古売買合法の判断を「素直に喜びたい」


2001年3月27日

中古ゲーム販売店フランチャイズ事業の(株)上昇が(株)エニックスを相手取り、“頒布権”に基づくゲーム中古販売の差止請求権がメーカー側にないことの確認を求めた訴訟で、東京高等裁判所(山下和明裁判長)は27日、一審と同じく上昇の主張を認める判決を下した。

上昇の金岡勇均社長
上昇の金岡勇均社長。会場には、市民団体“中古ゲームと歩むユーザーの会”も姿を見せ、拍手のなかでの会見となった

ここでは同日午後に開かれた、ゲーム販売店による任意業界団体“テレビゲームソフトウェア流通協会(ARTS)”による記者会見の模様を紹介する。

●商品の性質や流通実態を踏まえた判断

弁護団の藤田敬士弁護士
弁護団の藤田康幸弁護士。メーカーによるインターネット配信についてコメントを求められ、「ユーザーの権利が過度に制限される事態になれば、同じように問題にしていかなければならないと、個人的に思っている」とした

弁護団の藤田康幸弁護士は、高裁の判決について、「商品の性質や流通実態を正しく踏まえた判断」と高く評価した。

また、藤田弁護士は同時に、高裁が映画の著作物に頒布権を認めた立法趣旨の検討を行なった点を大きく取り上げ、「この判決は、単にゲームソフトにとどまるものではなく、大量生産、大量流通する他の商品に普及する、影響の大きい判決になる可能性がある」と分析した。その上で、「条文の文言をそのまま解釈する“分離解釈”を行なった大阪地裁の判決に対し、強力なアンチテーゼになる」と、3月29日の大阪高裁判決(※1)を強く意識した発言を行なった。

※1 大阪高裁判決 中古ソフト販売に関しては、同様の訴訟が大阪高裁においても審理されており、3月29日に判決が言い渡される。大阪訴訟の一審では、東京訴訟と異なり、ゲームソフトメーカー側の主張が認められている。

●中古販売でゲーム離れを食い止める

裁判の当事者である上昇の金岡勇均社長は冒頭、「私たちの主張が受け入れらたことを、心から感謝したいと思う」と、喜びの表情で語った。

子供のテレビゲーム離れが進んでいると言われている昨今、上昇が東京訴訟を提起した'98年10月と比べて業界を取り巻く環境は厳しくなっている。これについて、「子供たちが少ないお金で多くのソフトを体験できるということ、子供たちがゲームにしっかりなじむ環境を作ることが、テレビゲーム市場のなかで最も大事だろう。このサービス(中古販売)を定着させることが、市場全体の発展につながるだろう」と、金岡氏は判決に期待を寄せた。

ARTS代表理事の新谷雄二氏
ARTS代表理事の新谷雄二氏。新谷氏は、中古ゲーム販売店“わんぱくこぞう・wanpaku”のフランチャイズ事業を展開する(株)アクトの代表取締役社長である

ARTS代表理事の新谷雄二氏は、中古売買合法の判断が下されたことについて、「素直に喜ぶ」とコメントした。メーカー側との話合いの余地について、新谷氏は、「頒布権を前提とした話合いはできない。メーカーが今日の判決を真摯に受け止め、頒布権がないということで話合いをしようというのであれば、前向きに検討したい」と再三の主張を繰り返した。

ARTSは、中古販売による利益をメーカーに還元する方法を提案しており、具体的な数値として中古販売の1〜3パーセントとしている。この数値では低すぎるという見方もあるが、「ゲームソフト販売店の粗利は、新品販売と中古販売を併せても売上の25パーセントに届かない額であり、人権費や家賃等の経費が販売金額の15〜20パーセントにのぼる。今の経営状態ではギリギリ」(新谷氏)と述べ、理解を求めた。

(Web企画室 伊藤咲子)


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