30日に行なわれたマイクロソフト会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏による、“東京ゲームショウ2001春”基調講演の全文を掲載する。(カッコ内は編集部注)
ビル・ゲイツ氏登場! |
(ビル・ゲイツ氏登壇)
【ビル・ゲイツ氏】皆さまこんにちは。本日はここに来て、そして我々のビデオゲームビジネスにおける素晴らしいチャンスについて語ることのできることを、大変嬉しく思います。このビジネスというのはすべての人たちを驚嘆させました。そしてエンターテインメントの中でも、もっとも規模の大きいものとなります。しかもその可能性というのは、これから、本格的に追求されていくものだと思います。
本日考えてみたいのは、いかにしてこのビジネスをさらに成長させることができるのか、そして、どういうふうにしてすべての参加者にとって、素晴らしいビジネスに育て上げることができるのか、そしていかに素晴らしい体験というものをお客さまにもたらすことができるのか、ということです。
階段を下りてくるゲイツ氏 |
ビデオゲームビジネスというのは、世界的に展開されています。しかし、1つのキーポイントとして、私どもは日本がこのビジネスの中心地であると見ています。
売り上げ面でも3分の1を占めていますし、また、日本の企業による大変なクリエイティビティが、この分野では発揮されています。さらに、ゲームの普及率というのは、日本においては非常に高いのです。そして、4分の3の家庭はゲーム機を持っていると聞いています。
しかも、今は移行の時期です。強力なシステムが登場してきています。そして、非常にリアリティのあるシステムというものが登場してきています。こういった新しいシステムに移行する際には、さらによいツールが必要です。そして、オンライン上の体験というものを実現していかなければなりません。そのためには多くの課題があります。我々は協力して、この業界がエンターテインメントの最先端に立つことができるように、世界的に取り組まなければなりません。
腰に手を当てて、熱弁をふるうゲイツ氏 |
1つの方法として考えられるのは、奇跡的なチップによって実現された力というものを生かすことです。ムーアの法則によりますと、2年あるいは3年に1回、チップのパワーが倍増します。これは、信じられないような力です。このような指数関数的な改善が見られることは、他の分野ではありえません。そして、その直接の影響としては、ビデオゲーム機という点が挙げられます。マイクロソフト社はこういった状況を見て、そして最先端のチップの技術を活用することによって、次世代のプロダクトを構築することができると考えています。そのため、Xboxの中には最先端の技術が搭載されています。