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韓国のベンチャーと日本企業の橋渡しイベント“Net Communication In Korea & Japan 2001”が開催

2001年07月27日 01時58分更新

文● 編集部 佐々木千之

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25、26日の両日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、“第3次韓日文化/IT産業ビジネスフェア:Net Communication In Korea & Japan 2001”が開かれた。このイベントは、大韓民国外交通商部 文化観光部が主催するもので、韓国のすぐれた技術を持つベンチャー企業を日本に紹介して、日本企業とのビジネス協力発展を目的としている。

Net Communication 2001では、ベンチャー企業がブースを出し、自社の技術をアピールする展示会と、韓国のブロードバンド社会の動向やビジネスについて紹介するセミナーが行なわれ、2日間で1万人を超える来場者を集めた。

展示会場は、IT関連、アニメーション関連、ゲーム関連などのカテゴリー別に36の企業/団体が出店していた。その中からIT関連を中心にいくつかを紹介する。

KoreanTutor社

海外在住の韓国人と韓国語を学びたい外国人を対象に、ウェブベースの教育サービス“Koreantutor.com”を展開しているのがKoreanTutor(コリアンチューター)社。数ヵ月前に米国向けサイトをオープンしたのに続いて、5月には日本向けサイトもオープンした。ソウル大学韓国語教育研究所によって制作された質の高い教材による学習ができるという。

KoreanTutor
音声も含んだ教材で韓国語を学習できる。日本で数年後には韓国語で大学入試が受けられるようになるため、それに対応したコースも設置するという
KoreanTutorのPDA用教材
KoreanTutorでは、ウェブ教材のほか、Pocket PCに対応した教材も用意している

Cymax社

Cymax(サイマックス)社は、平面図上にオブジェクトをマウス操作で配置していくだけで、3D空間の設計になれていないユーザーでも、簡単にVRMLベースの3D空間を作ることができるというソフト『ケビマダン』を展示。不動産業やバーチャルショッピングモールを運営する企業に売り込みたいとしている。

『ケビマダン』の画面
3D空間オーサリングツール『ケビマダン』の画面。すでに日本語化していた

Katis社

Katis(カーティス)社は、無線を使って非接触で認証が可能なRF IC Chipを、カードや携帯電話に取り付け、少額決済を簡単に行なうという“MobiCash”システムを展示していた。韓国では一部で利用が始まっているという。携帯電話にチップを埋め込むメリットとして、紛失した場合に気づく時間がカードよりも早いことや、電車やバス運賃の支払う際の取り出しやすさを挙げていた。

Katis社のデモの様子
中央のハンディーターミナルのテンキーの上に見える“青いカードのアイコン”に、右手にあるカードをかざすと、支払が完了してレシートが出てくる、というデモを行なっていた。右手のカードの上にあるのは、カードと同じチップを埋め込んだ携帯電話のバッテリー部分

Philon社

個人の顔をイラストベースのキャラクター化するというキャラクター自販機『Chari Cooker(キャリクカ)』を展示していたのが、Philon(フィロン)社。プリクラのような筐体のキャリクカは、内蔵するカメラで撮影した画像をもとに、多数用意されたまゆ、目、鼻、口といった顔のパーツから、ユーザーのキャラクターを生成するというシステム。完成したキャラクターはカラープリンターで出力する。

韓国では大手スーパーなどに設置しているという“キャリクカ”
韓国では大手スーパーなどに設置しているという“キャリクカ”。作成したキャラクターには番号が振られており、その番号を使ってクッションやTシャツに出力するサービスも展開している

Deocom社

Deocom社は眼鏡型のヘッドマウントディスプレーを開発中。デモしていたのはVGA仕様でかなり重かったが、製品版では150g程度に抑えられるという。製品版の仕様では、800×600ドット液晶ディスプレー2基を使って、3m先に60インチのディスプレーがあるように見える、としていた。2つの液晶を両目で見るため、特別にコンテンツを用意すれば、立体画像を見ることができる。

Deocom社のヘッドマウントディスプレー(試作品)
デモではWindowsのデスクトップを表示していた。画像はまだ調整中ということだったが、ぼけのない鮮明なものだった。立体画像もリアルに見せていた

East Entertainment社

ゲーム関連では6社ほどが出展していたが、ブロードバンドの普及を反映してか、ほとんどがマルチユーザーのオンラインゲームを扱っていた。East Entertainment社は、36万人のユーザーを持つ、マルチユーザーオンラインRPG『GODIUS(カディーウソ)』を開発、運営しているゲームベンチャー。8人で対戦が可能な、オンラインアーケードゲーム『Godiboom(カディブム)』のデモを行なっていた。

オンラインゲーム“Godiboom”
オンラインゲーム“Godiboom”。爆弾を破裂させて相手を倒すという、“ボンバーマン”のようなルールのアクションゲーム

SD EnterNet社

SD EnterNet(エスディエンターネット)社は、オンラインゲームの開発と、サービスの提供を手がける企業で、現在10以上のゲームを提供、開発中という。開発中のオンライン艦隊戦ゲーム『Navy Field』とバーチャル空間での生活を楽しむオンラインRPG『Open Field』を展示していた。

バーチャル空間での生活を楽しむオンラインRPG『Open Field』
資本主義経済モデルを導入したという『Open Field』。ゲームのユーザー数には特に制限はないという

MJ Games社

MJ Games(エムジェイゲームズ)社は、現在開発中のJavaで書かれたオンライン対戦可能な麻雀ゲーム『MJ麻雀』を展示していた。現在台湾でサービス提供が決まっているという。Java対応携帯電話向けのMJ麻雀も開発中とのこと。

台湾ルール版の『MJ麻雀』
台湾ルール版の『MJ麻雀』。韓国では麻雀はほとんど人気がなく花札の人気が高いという。それでも麻雀を選んだのは、中国、台湾、日本での展開を考えたためとしている

会場には、ビジネスのネタを求める企業の担当者らしい人物が多く、あちこちで商談が行なわれていた。ざっと見た限りでは、一番元気良く見えたのはゲーム関連のベンチャー企業だった。韓国では日本製のゲーム機が浸透していない(政府によって制限されている)ため、パソコンゲームの人気が高く、開発も活発でオンラインゲーム分野で米国企業との提携も多く聞かれる。日本でもADSLなどの普及に伴ってゲームのオンライン化が進んでいるが、韓国企業との連携も増えるのではないだろうか。

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