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これが海底光ファイバーケーブル敷設船だ!!――AGC、台湾で敷設船を公開


2001年7月30日

深海に横たわる海底ケーブルは、どのようにしてメンテナンスするのか。英領バミューダ諸島に本社を置くアジア・グローバル・クロッシング(Asia Global Crossing:AGC)社は、25日の台湾へのケーブル陸揚げに合わせて、同社の保有する海底ケーブル敷設船を、台湾・基隆(キールン)港で関係者に公開した。

海底ケーブル敷設船
海底ケーブル敷設船“WAVE MERCURY”号

AGCが今回公開したのは、敷設船というよりもケーブルのメンテナンス用の船だった。普段見ることのできない船内、および海底光ファイバーケーブルのメンテナンス方法を、写真を主として紹介する。

タラップを上って乗船
左舷のタラップを上って乗船する

“Wave Mercury(ウエイヴ マーキュリー)”号は、総トン数1万105トン、全長122.97m、全幅19.33mの、海底光ファイバーケーブルのメンテナンス船だ。日本船籍で、GCの関連企業である米グローバルマリンシステムズ(Global Marine Systems)社が所有している。進水は1982年で、デンマークの造船所で建造された。

通常は日本の横浜近辺に停泊していて、海底ケーブルが損傷した場合、現場に駆けつけてケーブルを引き上げ、修復作業を行なう。海底ケーブルが損傷する原因としては、底引き網や船のアンカーがひっかけることなどがあるが、サメが噛み付いて損傷した事例もあるという。

後部甲板
後部甲板。船尾から引き上げたケーブルは、ここを通って前部の船首楼内へと導かれる

船体の前半は船橋と船首楼で占められている。後半は露天の甲板になっており、海底ケーブルを引き上げる巨大なウインチや遠隔操作による作業ロボット、クレーンなどを搭載している。

作業ロボット
作業ロボット。有線による遠隔操作で作業を行なう
作業ロボット正面下部
作業ロボット正面下部。中央のカバーがかかっているのがカメラ、左右に縦に取り付けられているのがマニピュレーター

海底ケーブルに何らかの障害が発生した場合、現場に急行した“Wave Mercury”は、作業ロボットを海底に下ろし、磁気センサーなどを駆使して海底ケーブルを探し当てる。ケーブルは海底面に露出しているのではなく、海底面から数mの深さに埋設されているため、作業ロボットは本体下部から水流を発して土砂を除去し、ケーブルを掘り出す。

切断用アンカー
海底ケーブル切断用アンカー
ブイ
ケーブルを海上で保持するためのブイ。直径は2m前後

ケーブルは切断用のアンカーで切断し、一方を船内に引き上げ、もう一方はいったんブイに繋いで海上で保持する。

ローラーコンベヤー
船首楼の内部にはローラーコンベヤーが並んでいる

引き上げたケーブルは、船首楼の内部のローラーコンベヤーを通って船内の作業場へと引き込む。

海底ケーブル
作業場に引き込まれた海底ケーブル
光ファイバー
8本の光ファイバー。それぞれ色分けされている
3種類の海底ケーブル
3種類の海底ケーブル。浅い海では、最も太い、頑丈にシールドされたケーブルを使う

海底光ファイバーケーブルには、色分けされた8本の光ファイバーが納められている。

光ファイバー接続機
光ファイバー接続機

光ファイバーを接続するには、表面のコーティングをはがし、光ファイバー接続機にセットする。

接続機上面
接続する光ファイバーを、左右それぞれにセットすれば、細かい位置などを自動的に調節して、接合・蒸着する
接続機画面
接続機の画面。左右のケーブルの先端が接近しているが、上下に若干ずれている。このずれを自動的に修正する

接続機は細かい位置などを自動的に調節し、光ファイバーを加熱して接合し蒸着する。

ひっついた光ファイバー
蒸着した光ファイバー。

光ファイバーの接続が完了すれば、再びケーブルを海に沈めることになる。ケーブルが海底まで達するには、深度によっては数日かかることもある。ケーブルを沈める位置も、地形などさまざまな要素を考慮して、精密に決定するという。

そのほか、船橋などの船内も紹介する。

船橋
船橋。ケーブル敷設船といっても、操縦系統は通常の船舶と大差ないように感じられた
レーダーの画面
レーダーの画面
コントロールルーム
コントロールルーム。海底ケーブルを引き上げる作業を管理する。操船も、ここで行なえるという
モニター画面
コントロールルームのモニター画面。スラスターフィードバックなどと表示されているので、船の微妙な位置調整を行なう画面だろうか
トイレはこちら
船内にかなりの数の、この表示が貼り付けてあった。日本人の船員も乗船しているために、このようなデザインになったのだろう
台湾海軍の艦艇
隣には台湾海軍の艦艇が、多数停泊していた。カメラを向けても制止されなかったが……
花火
夜になるとAGC主催のレセプションが行なわれ、多数の花火も打ち上げられた
出港
そして、その花火とほかの船の汽笛に見送られて、“Wave Mercury”は夜の海へと出港した

(編集部 中西祥智)


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