このページの本文へ

松下のSDテーブル、東芝のお掃除ロボ、日立の次世代モバイル端末が登場――“グッドデザイン・プレゼンテーション”

2001年08月31日 18時04分更新

文● 編集部 桑本美鈴

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(財)日本産業デザイン振興会は、“2001年度グッドデザイン大賞”(Gマーク)の応募作品の中から2次審査対象作品を一堂に集めたデザインイベント“グッドデザイン・プレゼンテーション”を、30日と31日に東京ビッグサイトで開催した。

会場の様子
“グッドデザイン・プレゼンテーション”の会場。グッドデザイン賞は人々の生活に関わるあらゆる分野の製品が対象となるため、生活雑貨から車、業務用専門機器にいたるまでさまざまな製品が並んでいる。また、2次審査会場ということで、製品を美しく見せることが目的ではないため、エントリーされた製品(作品)がただ並べられているといった状態だ

“グッドデザイン・プレゼンテーション”は、“2001年度グッドデザイン大賞”の2次審査のために集められた作品を一般ユーザーに公開するもの。グッドデザイン賞は今回で45回目となるが、審査会場を一般公開するのはこれが初めて。

グッドデザイン賞は、文具や食器、家電、車、住宅、パソコン、ロボット、鉄道車輪に至るまで、人々の生活に関わるあらゆるものの最新デザインが対象となる。

今回の2次審査は審査委員団63名による現品審査で、2次審査を通過するとグッドデザイン賞を獲得でき、Gマークを使用できるようになる。さらにグッドデザイン賞作品の中から、優れた作品に対し“金賞”が、また“エコロジーデザイン賞”“ユニバーサルデザイン賞”“インタラクティブデザイン賞”といった特別賞が授与される。そしてこれらの特別賞の中から最も優れた作品1点にグッドデザイン大賞が贈られる。

金賞/特別賞の審査会は9月20日に行なわれ、結果は10月1日(デザインの日)に発表される。表彰式およびグッドデザイン大賞審査会は10月30日に開催される。

“グッドデザイン・プレゼンテーション”会場では、応募作品の中から1次審査(書類審査)を通過した2次審査対象作品(出品数1946点)が、“商品デザイン”“建築・環境デザイン”“コミュニケーションデザイン”“新領域デザイン”の4部門ごとに展示された。なお、来場者は“ユーザー投票”に参加することが可能で、良いと思った作品を記入し投票すると、抽選で『ホンダ シビック』など2000年度グッドデザイン特別賞を受賞した製品がプレゼントされる。

審査対象の携帯電話
他の製品に混じって、さまざまなパソコンや携帯電話端末も2次審査にエントリーされている。昨今は各メーカーがデザインにも工夫を凝らした機種を数多くリリースしているため、これらの製品はエントリー数が多く、種類も豊富なためコーナーの一角を占領しているほどだ。こちらは審査対象の携帯電話端末がずらりと並ぶコーナー。店頭並みの品揃えだ
審査対象ノートパソコン
こちらは同じく審査対象のノートパソコンが並んでいる
発表前の謎の製品
グッドデザイン賞の応募作品は、ほとんどがすでに発表、発売されている製品だが、中には正式発表前でありながらエントリーされている製品もある。こういった発表前の製品は、一般ユーザーには公開不可のため、写真のように布や箱などで隠されている

また特別展示“アドバンスドデザインコーナー”が設置され、松下電器グループ/内田洋行、東芝、日立製作所による新しいデザインコンセプトの機器が展示された。

松下電器グループと内田洋行は共同で“ワークスタイルデザイン”という展示コーナーを設けた。両社は、ワークスタイルの大幅な変化や、シームレス化するシステム機器へ対応するべく、新しい視点からワークスタイルを研究、異業種コラボレーションによる新しいビジネス環境を提案している。

SDテーブル
『SDドキュメントテーブル』。ディスプレーとテーブルが一体化しており、SDメモリーカードをスロットに差し込むと、その内容をディスプレーに表示する。内容のプリントアウトも可能
SDワゴン
『SDプレゼンテーションワゴン』。SOHO向けプレゼンテーションツール。プリンター/スキャナー/コピー/FAXおよび大型液晶を搭載したマルチ複合機器。SDメモリーカード内の情報を直接液晶画面に表示でき、その場でプレゼンテーションやミーティングが可能
SDストッカー
『SDストッカー』。情報の入出力と管理機能をカードサイズに集約したもので、ビジネスユーザーが個人の情報/環境を“持ち歩く”というユビキタススタイルを提案している。OSやアプリケーション、各種データなどはSDカードで供給する
SDストッカー用ノート
SDストッカー専用のノート端末。SDストッカーをこのノート端末にセットすることで、個人の使用環境を再現でき、インターネットや文書作成、動画/静止画編集が可能となる
SDパブリック
『SD-パブリック』。駅やホテル、コンビニエンスストアなどの公共スペースに設置できるSDストッカー対応のPC端末。ストッカーをセットすることで、普段ユーザーが使用している環境と同じものをこの端末画面上でも再現できるほか、情報のセキュリティーを確保できるという。ストッカーは正面右側下部に装備しており、画面操作は右側のパッドおよびタッチパネルで行なう
SDウェアラブル端末
SDストッカー対応のウェアラブル端末。情報の入出力はBluetooth経由でSDストッカー側で制御する。CCDカメラを内蔵しており、画像情報も入力可能。さらにSDストッカーに通信カードをセットすれば通信端末としても利用できる

東芝は“Dream Container展 (for Good Design Presentation)”という展示コーナーを設置した。Dream Container展とは、異業種とのコラボレーションや、エンドユーザーのアイデアを元にしたデザイン設計など、さまざまな人たちとの新しいモノづくりを目的としたワークショップで、2日~7日に同社ショールームで開催された。今回の“グッドデザイン・プレゼンテーション”では、Dream Container展でも紹介されたさまざまなコンセプトデザインが展示された。なおコンセプトデザイン展示のため、展示物の仕様や商品化の時期、価格などは未定という。

お掃除ロボ
お掃除ロボット『ペットロボ・クリーナー』。本体下部のゴミ吸い取り口からゴミを吸収しながら自動で進んでいく。頭部(本体から突き出している部分)にCCDカメラを内蔵し、障害物などを感知できる。展示してあるのはデザインモックで残念ながら動作しない
お掃除ロボたちペットロボ・クリーナーのデザインバリエーション。部屋のインテリアにもなるようデザインに工夫を凝らしている。外側のデザイン部(布地部分)を取り替え可能にし、ユーザーがさまざまなデザインを楽しめるようにしたいという
モバイルフォン
モバイルフォンのデザインモック。Bluetooth搭載で、SDメモリーカードに対応する
モバイルPC
モバイルPCのデザインモック。こちらもBluetooth搭載で、SDメモリーカードに対応
モバイルプロジェクター
Bluetooth搭載のモバイルプロジェクターのデザインモック
PDA
Bluetooth搭載、SDメモリーカード対応のPDAのデザインモック
エコプロダクツPC
スウェーデン環境NGO“ナチュラルステップ”とのプロジェクトによって誕生した“フューチャーエコプロダクツ”の第1弾となるパソコン製品のコンセプトデザイン。ディスプレーやCPU基板など部材をモジュール化し、それらの部材を自由に組み合わせることで、必要な機能だけを選択したり変更したりできるのがポイント。本体部の主な素材はアルミニウム

日立製作所は、“次期モバイル端末のインターフェース研究”という展示コーナーを設け、次期モバイル端末をテーマにした製品システムやインターフェースコンセプトデザインを展示した。

カメラ付き携帯電話機
着脱式カメラ付き携帯電話機『Multimedia Phone』。カメラ映像に写る文字をリアルタイムで認識できるカメラと、インターネット上の情報を表示できる携帯電話端末を融合したもの。例えば、雑誌などに載っているURLをカメラで撮影すると、そのURLを文字認識して自動的にアクセスし、内容を画面に表示できる
受動型情報ブラウズ端末
受動型モバイル情報ブラウズ端末『Waterscape』。ニュースや音楽など小さな情報を水の中の“泡”として画面に表現する。画面には複数の泡が浮かんでは消えていき、ユーザーは端末本体を上下左右に傾けることで泡の動きをコントロールできる。うまく泡をキャッチできると、その泡の情報(ニュースや音楽)が表示/再生される
リンク端末
オブジェクト識別による多目的リンク端末『Object Link-2』。キーホルダーやイヤリングなど、日常身に付けているものをはずして端末のトレイの上に乗せると、本体内蔵カメラがそれを自動的に撮影する。撮影した画像を認識することで、あらかじめリンクを貼っておいた画像やアプリケーションを画面に表示できる。例えば、キーホルダーを認識すると、特定の画像を表示するようにリンク設定できる

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン