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宮崎駿の世界を堪能――『三鷹の森ジブリ美術館』がオープン

2001年09月17日 22時09分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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公開中のアニメ映画最新作『千と千尋の神隠し』が邦画興行収入の新記録を達成するなど大ヒット中の宮崎駿監督が企画原案を担当した美術館『三鷹の森ジブリ美術館』(三鷹市立アニメーション美術館)が10月1日にオープンする。場所は東京/三鷹市の都立井の頭音賜公園西園内。

美術館への入口美術館への入口。緑に囲まれた場所にあります(公園内なので当たり前ですが)
トトロ受付
入口から中に入ると、“にせ受付”でトトロが出迎えてくれます(ちなみに、下の丸い小窓からはススワタリがお出迎え)。ただし、ここでいくらがんばっても美術館内には入れないので、満足したら本物の受付を目指して先に進みましょう
美術館入口
美術館入口付近。写真右手のドアから中に入ると受付です(受付部分の愛称は“ショートケーキ”)

『三鷹の森ジブリ美術館』内部は、常設展示室や、アニメーションが発想され完成するまでの過程を5つの小部屋で再現した“映画の生まれる所”、三鷹の森ジブリ美術館でのみ鑑賞できる短編アニメーションを上映する“映像展示室「土星座」”、子供が実際に乗って遊べる“ネコバスルーム”などの展示室や、ミュージアムショップ“MAMMA AIUTO(マンマユート)”、カフェ“麦わらぼうし”などが用意されている。さらにはトトロの受付、張り出しテラス、にせ出口など、さまざまな仕掛けが施されている。これらは、宮崎監督が描いたイメージボードを元に、職人やデザイナー、アーティストらが具現化したという。

中央ホール受付を済ませて中に入ると中央ホールに出ます。写真を見ると3階建てに見えますが、実は地上2階/地下1階建て(入口からホールに向かって階段で下る)。空中廊下もあります
天井中央ホールの天井はガラスのドームになっており、ステンドグラスにはくじらが描かれ、天井扇が回っています
エレベーターハンデのある人のために用意されたエレベーター。レトロなデザインで素敵
螺旋階段
中央ホールから上の階に行く方法は、階段、先述のエレベーターなどがありますが、ぜひ写真左の螺旋階段も使ってみてください。結構怖いです

常設展示室では、トトロの立体造形を配置した“ゾートロープ”(残像現象を利用し、連続して描かれた絵が動いて見える装置)により、止まっている絵が動いて見えるというアニメーションの仕組みを紹介している。

ゾートロープ
常設展示のひとつ、トトロのゾートロープ。トトロの複数の立体造形を配置し、それを回すことでアニメーションのように見えるというもので、静止画撮影ではうまく伝わりませんが、実物を見ると残像現象で美しいアニメーションが楽しめます
立体造形
ゾートロープに使われている立体造形

“映画の生まれる所”では、物語が小さな発想から生まれ、動きと色彩により命が吹き込まれるまでの過程を体験できる。

発想の部屋
とあるおたくの部屋――ではなくて“映画の生まれる所”のひとつである発想の部屋。宮崎アニメのさまざまなイメージ画があちこちに貼られています
絵コンテの部屋
こちらは絵コンテの部屋
美術の部屋
美術の部屋。美しい背景画が飾られています

“映像展示室「土星座」”(約80席)では、美術館でしか観られない短編アニメーションが上映される。オープン当初の上映映画は『くじらとり』(原作:『いやいやえん』(中川季枝子さく/大村百合子え)、監督:宮崎駿)。

土星座
“映像展示室「土星座」”。短編アニメーションが上映されます
ネコバス
ネコバスルームにある、実際に乗って遊べるネコバス。ただし子供専用(がっかり)
マンマユート
ミュージアムショップ“MAMMA AIUTO(マンマユート)”。宮崎アニメのキャラクターグッズが販売されています(思わず『ふかふかオオトリサマ・S』(1000円)買ってしまいました。申し訳ございません)
ロボット兵ロボット兵(銅製)が、美術館の守り神として建物のいちばん高いところから見下ろしています。天気のいい日にしか近くに行けないので要チェック
草むら
宮崎アニメの主人公になったかのごとく、ロボット兵の脇を通って草むらの中を進むと……(ほんとに美術館か? ここ)
なぞの物体
こんなものを発見できる、かも
麦わらぼうし
カフェ“麦わらぼうし”。オープンテラスのほか、店内にもテーブルが用意されています
ビール
20歳以上のあなたには、飲み物はビールがおすすめ。麦わらぼうしオリジナルのラベルが貼られたビール(中身は銀河高原ビール)です(なぜ桑本の前にビールがあるのかなどと細かいことは気にしないように)
蚊取り線香ぶた
桑本のイチ押しがこれです! 蚊取り線香ぶたです! オープンテラスのテーブル席に虫除けとして置いてあります。来年にはグッズとして販売するそうです。欲しー。(今年は大量生産が間に合わなかったとのことです)

『三鷹の森ジブリ美術館』は、徳間書店、スタジオジブリ、三鷹市、日本テレビの共同事業により建設されたもので、徳間書店とスタジオジブリ、日本テレビが三鷹市に対して施設を寄付し、建物は公の施設となっている。運営は(財)徳間記念アニメーション文化財団が行なう。

料金は、一般/大学生が1000円、高校/中学生が700円、小学生が400円、幼児(4歳以上)が100円。開館時間は10時~18時で、混乱を回避するため日時指定の予約制(10時/12時/14時/16時)となっている。休館日は火曜日と年末年始。

美術館のチケットは、コンビニエンスストア“ローソン”の各店舗(全国7600店舗)でのみ販売される。ローソン店舗に設置されている“Loppi”端末で必要事項を入力し、日時指定入場引換券(入場引換券)を購入し、当日美術館で引換券と入場券を交換して入館する仕組み。

なお、ローソンチケット(Tel.03-5537-9999)、ウェブサイト“ローソンチケットドットコム”、携帯電話用サイト“ローソンチケットサイト”を通じて予約コードを取得し、7日以内にローソン店舗のLoppi端末にコードを入力して購入することも可能。

美術館最寄りのローソン店舗(三鷹市内)は、三鷹台駅前店(井の頭2-5-1)、井の頭5丁目店(井の頭5-7-38)、井口店(井口3-1-7)、三鷹仲通り店(下連雀4-1-16)、下連雀店(下連雀4-16-16)。

バス
美術館オープンに伴い、三鷹市のコミュニティバス“みたかシティバス”の新ルートが運行を開始、JR線三鷹駅から美術館まで走ります。運行は10分間隔で、三鷹駅から美術館前までは約5分。料金は大人200円、子供100円。バスのデザインは、もちろんスタジオジブリ
玉川上水沿い
バスもありますが、桑本のおすすめはJR三鷹駅南口から玉川上水沿いの“風の散歩道”を徒歩で行くこと。たらたら歩いて15分程度です。なお、美術館の近くにローソンはないので、チケットは事前に自宅近くなどで購入しておいたほうが無難です
井の頭公園
美術館は井の頭公園内にあるので、吉祥寺駅(JR線/京王井の頭線)または井の頭公園駅(京王井の頭線)で下車し、井の頭公園を突っ切って行く方法もあり。吉祥寺駅からは徒歩20分程度です。自然を堪能したいかたはこのルートをどうぞ。ただし公園内は入り組んでいるので、初めてのかたや急いでいるかたにはあまりおすすめしませんね~

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