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これが日本の“きぼう”だ!!――NASDA、“国際宇宙ステーション”の日本担当実験棟を一般公開


2001年10月22日

“きぼう”は大きかった

宇宙開発事業団(NASDA)は20日、茨城県のつくば宇宙センターにおいて、2006年に完成予定の“国際宇宙ステーション(ISS)”で日本が担当する実験棟(JEM)“きぼう”を一般公開した。

“きぼう”
“きぼう”の船内実験室。直径4m、長さ11mの円筒形で、右端に見える作業員から、その大きさが分かる
「大きい!」
一般公開に参加した家族連れ。「大きい!」「大きいね」

ISSは世界15ヵ国の協力で、地球を約90分で1周する高度約400kmの地球周回軌道上に建設する。1998年に、最初の基本機能モジュール“ザーリャ”がロシアから打ち上げられて、建設が始まった。全体のサイズは100m×90mで、ほぼサッカーのグラウンドの面積となり、与圧部分の容積は1303m3で、ジャンボジェット機2機の客室容積に相当する。総重量は453.6トン。居住施設は米ロの2棟で最大7名が滞在でき、実験棟は日米とロシア、ヨーロッパの提供する6棟。日本はそのうち、実験棟“きぼう”と、それを米国が打ち上げる費用の代わりとして、“生命科学実験施設(セントリフュージ)”(※1)を担当する。

※1 重力が生命に与える影響を調べるため、遠心力によって0.01G〜2Gの人工重力を発生する装置を搭載する実験棟。

国際宇宙ステーション
国際宇宙ステーションの模型。スペースシャトルのドッキングポートのすぐ右、NASDAのマークが入ったモジュールが“きぼう”

“きぼう”は、微小重力下での実験を行なう“船内実験室”と宇宙空間での実験を行なう“船外プラットフォーム”、物資を保管する“船内保管室”と“船外パレット”、そのほかロボットアームやエアロックで構成する実験棟。全体のサイズは幅8.9×奥行き20.5×高さ8.6mで、重さは約27トン。船内実験室は直径4.4m、長さ11.2mの円筒形になっている。

船内実験室
船内実験室。横倒しになっている。左上部に接続しているのが、船内保管庫
船内実験室
船内実験室の模型
船内実験室のエアロック
船内実験室から船外プラットフォームへのエアロック。物資や研究機材を搬出入するためのもので、人間用ではない

船内実験室は、微小重力環境での生物実験や材料実験を行なうための10基の実験ラックを搭載している。また、“きぼう”の機能を維持するための電力供給、通信、空調などの機器も搭載する。宇宙空間ではたとえ小さな粒子でも、衝突すれば甚大な損傷を発生する可能性が高いため、船内実験室は鉄やセラミックを複合した隔壁で防護されている。船内実験室に結合する船内保管室は、軌道上での保管庫として使用し、スペースシャトルに搭載して物資の輸送にも利用できる。

船外プラットフォーム
船外プラットフォーム
船外パレット
船外パレット
船外プラットフォームの模型
船外プラットフォームの模型

船外プラットフォームは、ISSで唯一、宇宙空間で各種実験の行なえる施設。円筒形の船内実験室から外に張り出す形で設置する、宇宙環境にさらされたプラットフォーム上での作業は、ロボットアームで行なう。ロボットアームは、約10mのクレーンのような親アームと、3本のツメでものをつかめる子アームで構成する。また、船外パレットは船外プラットフォームで使用する実験機器などを搭載する。船外パレットも地上への輸送に使用できる。

ロボットアーム
折りまれたロボットアーム
これはテスト用のロボットアーム
これはテスト用のロボットアーム。真鍮色の部分が親アームで、その先の白い部分が子アーム
子アームの先端
子アームの先端

なお、“きぼう”への物資輸送には、“H-IIA”ロケットの先端に搭載する宇宙輸送船“HTV(H-II Transfer Vehicle)”を主に使用する予定。NASDAが現在開発中のHTVは、直径4m、全長は6〜8m程度。また、ISS全体への物資輸送は、ロシアの宇宙輸送船“プログレス”で行なう。

“HTV”
“HTV”のイメージ

“きぼう”は現在、つくば宇宙センター内で全体システム試験を行なっている。同試験は、“きぼう”を構成する各コンポーネントを実際に組みたてて、最終的なシステム全体の確認を、約1年をかけて行なう。“きぼう”はその後、再び分解してアメリカに運び、2004年から3回に分けて、軌道上に打ち上げる予定。

NASDAでは、“きぼう”によって高純度の半導体結晶(※2)やたんぱく質の結晶生成、生物科学や医学の研究など、基礎研究から応用化研究まで、幅広い研究活動を行なうとしている。また、研究目的以外でも、教育や芸術、文化、ビジネス、娯楽といった多様な利用も推進する(※3)。

※2 毛利衛宇宙飛行士が初めてスペースシャトルに搭乗した、1992年9月の日米共同実験プロジェクト“ふわっと'92”(ミッション番号:STS-47、使用オービター:エンデバー号)では、高純度のインジウム・アンチモン単結晶の生成に成功した。

※3 “きぼう”利用多様化のパイロットプロジェクトとして、ISSのロシアのサービスモジュールで、(株)電通が大塚製薬(株)の『ポカリスエット』のCM撮影を、2001年内に行なうことが決定している。


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