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JEITA、PC周辺機器に関する2001年実績と需要予測を発表──インクジェットプリンターは初の前年割れ


2002年2月27日

(社)電子情報技術産業協会(JEITA)は26日、ディスプレー、プリンター、HDD、光ディスク、イメージスキャナー、OCRの各機器ごとに、2001年の日本および世界市場の実績と今後数年間の需要予測を発表した。全般的に2001年度は前年割れとなっているが、液晶ディスプレー、MFP(※1)、記録型光ディスク装置など大きく伸びているものもある。

※1 MFP(Multi Function Printer):プリンター、スキャナー、コピーの機能をあわせ持った装置。JEITAでは大型コピー機をベースにした企業向け製品と、パソコン用プリンターをベースにした家庭向け製品に大別している。

データの発表を行なう、JEITAの各分科会の代表
データの発表を行なう、JEITAの各分科会の代表

ディスプレー──液晶ディスプレーの主要市場は欧米へシフト

ディスプレーに関しては、国内のCRTディスプレーメーカー24社(JEITAの自主統計参加会社。以下同)、液晶ディスプレーメーカー26社の出荷実績値をベースとして、日本および世界市場を予測したものとしている。予測対象となるディスプレーは、CRTディスプレー、液晶ディスプレー、ノートパソコン用液晶ディスプレー、携帯情報端末用ディスプレー、液晶/DMD(Digital Micro-mirror Device)データプロジェクター。ただし、国内市場はCRTディスプレーと液晶ディスプレーのみとなっている。

2001年のディスプレー世界市場は、IT不況と9月の米国でのテロによる消費の手控えが響き、当初予測を下回ったとしている。CRTディスプレー世界市場は、液晶ディスプレーの急増により2000年比87%の9753万台にとどまった。国内市場はCRTディスプレーをバンドルした低価格パソコンが伸びたものの、CRTディスプレー市場としては2000年比66%(台数ベース。以下断りのない限り同じ)と大幅減となった。

液晶ディスプレーの世界市場では、価格低下により2000年比127%と大幅に伸びた。JEITAはこの理由として、これまで普及が遅れていた欧米市場でCRTから液晶ディスプレーへの移行が進んでいるためと分析している。液晶ディスプレー国内市場は、需要が落ち着いてきているが、2000年比で117%となっている。ただし、金額ベースでは743億円と2000年比100.2%の横ばいで、単価の下落が大きく影響したとしている。これまで液晶ディスプレー世界市場で、日本は大きな割合を占めてきたが、2001年には日本以外の割合が19%も上昇して77%となり、液晶ディスプレー市場の重点は欧米に移ったとしている。

3年後(2004年)の市場予測では、CRTディスプレー世界市場は液晶ディスプレーに押される形で引き続いて減少、液晶ディスプレー世界市場は需給バランスから2002年第1四半期に若干の価格上昇傾向が見られるものの、今後も極端な値上がりのない限り需要は続くと予想しており、2004年には4920万台に達する見込みという。液晶ディスプレー国内市場も順調に伸びて、2004年には546万台と予測している。

今後の製品展開として、これまで液晶ディスプレーはCRTの代替製品として使われる場合がほとんどだったが、ノートパソコンがデスクトップに置き換わっていることもあり、ノートパソコンに接続して、ノートパソコンのセカンドディスプレーとしての需要もあるのではないかとしている。そうしたカテゴリーの製品では、ノートパソコンのディスプレーに合わせた高さや大きさを合わせた製品が考えられ、新しい需要の開拓に繋がるのではないかとしている。

会場でディスプレー分科会が披露した、ノートパソコンのセカンドディスプレー用試作ディスプレー。液晶パネルサイズをノートパソコン搭載のものに合わせ、高さも調節できる
会場でディスプレー分科会が披露した、ノートパソコンのセカンドディスプレー用試作ディスプレー。液晶パネルサイズをノートパソコン搭載のものに合わせ、高さも調節できる

2001年の市場規模(台数ベース)と2000年に対する割合は以下の通り。

ディスプレー世界市場

  • CRTディスプレー:9752万6000台(前年比87%)
  • 液晶ディスプレー:1534万1000台(前年比227%)
  • ノートパソコン用液晶ディスプレー:2604万台(前年比101%)
  • 携帯情報端末用液晶ディスプレー:1080万台(前年比105%)
  • データプロジェクター用液晶ユニット:108万台(113%)
  • DMDプロジェクター:27万台(110%)

ディスプレー国内市場

  • CRTディスプレー:3617万台(前年比67%)
  • 液晶ディスプレー:3413万台(前年比117%)

プリンター──インクジェットが初の前年割れ

プリンターでは、国内のプリンターメーカー31社の出荷実績値をベースとして、日本および世界市場を予測したものとしている。予測対象となるプリンターカテゴリーは、ドットマトリクスプリンター、インクジェットプリンター、ページプリンター、MFPの4種類。

プリンター市場についても、IT不況やテロの影響により世界市場で2000年比97%の8400万台となった。この減少には、台数ベースで多くの割合を占めるインクジェットプリンターが2000年の6370万台から、2001年は6040万台(95%)と初めてマイナス成長となったことが大きく影響しているという。カラーページプリンターで低価格の新製品が登場したが、ページプリンター全体では2000年比1%増の1180万台にとどまった。ドットマトリクスプリンターは縮小傾向にあり、2000年比89%の361万台となった。唯一好調なのがMFPで、プリンター専用機との価格差が縮小したことや、機能・操作性向上によって人気が高まり、SOHO向け、企業向けともに伸び、2000年比115%の831万5000台となっている。

地域別に見た場合、世界市場でユニークな動きを見せているのはアジアパシフィック市場で、ほかの地域が減少する中で2000年比108%の成長を見せている。ここではMFP市場は立ち上がっていないが、インクジェットプリンターとページプリンターがともに伸びている。ただし単価は下落しており、金額ベースでは2000年比102%にとどまった。日本市場も世界市場と同様に減少し、台数で2000年比96%の770万2000台、金額でも94%の6969億7900万円だったという。

プリンター市場では将来の予測としてほかの機器と異なり、2005年までの予測を行なっている。ドットマトリクスプリンターでは、今後も減少が続くものの、ほかの種類のプリンターで代替できない用途での根強い需要があり、減少率は緩やかだと予測している。インクジェットプリンターは、2001年に初の前年割れとなったが、景気回復とともに復調し、2002年には2000年規模を上回ると見ている。小型・省電力などインクジェット方式の特長を生かした新たなカテゴリー製品や、パソコン周辺機器にとどまらない展開も予想され、2005年に8000万台を超える見込みだとしている。ページプリンターでは、カラーページプリンターが“タンデム方式”と言われる高速プリント対応の製品が普及する見込みという。MFP市場は、2002年以降15%程度の成長が続く見込みで、2005年には1450万台以上になると予測している。

プリンター世界市場

  • プリンター全体:8407万5000台(前年比97%)
  • ドットマトリックスプリンター:361万2000台(前年比89%)
  • インクジェットプリンター:6036万3000台(前年比95%)
  • ページプリンター:1178万6000台(前年比101%)
  • MFP:831万5000台(前年比115%)

プリンター日本市場

  • プリンター全体:770万2000台(前年比96%)
  • ドットマトリックスプリンター:21万6000台(前年比86%)
  • インクジェットプリンター:610万4000台(前年比95%)
  • ページプリンター:108万4000台(前年比98%)
  • MFP:29万8000台(前年比120%)

HDD──日本では2.5インチ以下の製品の伸びが大きい

HDDでは、国内のHDDメーカー4社の出荷実績値と、出荷予測アンケート調査(7社)をベースとして、日本および世界市場を予測したものとしている。HDDのカテゴリーは、3.5型(3.5インチ以上)、2.5型(2.5インチ以下)の2つに分類している(容量による区別はない)。

2001年の世界市場における総出荷台数は1億9195万台で2000年比98%、日本市場は1956万台で2000年比99%と微減となった。これはパソコンそのものの出荷が減少したことの影響としている。カテゴリー別に見ると、2.5型が世界市場で3326万台(前年比103%)で、そのうち日本市場は805万台(前年比109%)となっている。出荷台数に占める2.5型の割合で見ると、世界市場では17%なのに対して、日本市場は41%と高くなっている。この理由としては、ノートパソコンの需要の高さを上げている。

HDDの将来予測では、2.5型が記憶容量が大幅に増加する一方で小型化・省電力化が進み、モバイルコンピューターや薄型のデスクトップに搭載されるほか、車載機器や情報家電向けも伸びると考えられ、2004年までには年平均15%成長し、5045万台に拡大する見込みとしている。3.5型はパソコン/サーバー向けのほか、ゲーム機や情報家電向けの需要もあり、年平均11%の成長となって、2004年に2億1953万台と予測している。

HDD世界市場

  • HDD全体:1億9195万台(前年比98%)
  • 3.5型:1億5869万台(前年比97%)
  • 2.5型:3326万台(前年比103%)

HDD日本市場

  • HDD全体:1956万台(前年比99%)
  • 3.5型:1151万台(前年比92%)
  • 2.5型:805万台(前年比109%)

光ディスク──追記書き換え型が大幅増

光ディスク装置は、国内の光ディスク関連装置メーカー20社の出荷実績値と、出荷予測アンケート調査(17社)をベースとして、日本および世界市場を予測したものとしている。カテゴリーは、CD-ROM装置、DVD-ROM装置、CD-R/RW装置、CD-R/RW+DVD-ROM装置、追記書き換え型DVD装置(DVD-RAM、DVD-R、DVD-RW、DVD+RW。およびCD-R/RWとの複合機)、MO装置の6つとなっている。DVDプレーヤーや、ゲーム用光ディスク装置は調査対象には含まれない。

2001年の世界市場は光ディスク装置全体で1億76000万台で2000年比93%、日本市場も1800万台で2000年比86%にとどまった。1999年に光ディスク装置市場において、必要資材が極端な入手難状況に陥り、各社とも大幅な増産体制を敷き始めたが、2000年に需要が下火になり、当初見込みほどの出荷が得られなかった結果、製品が大量にだぶついたという。この傾向は2001年夏頃に解消したが、製品価格は大幅に下落したという。

将来の予測では、2004年時点で世界市場で2億1200万台、日本市場で2500万台に達する見込みとしている。2003年まではパソコンの標準光ディスク装置がCD-ROMからCD-R/RWへ切り替わり、2004年ではさらに追記書き換え型DVDも伸びると予測している。

光ディスク装置世界市場

  • 光ディスク装置全体:1億7555万台(前年比93%)
  • CD-ROM装置:9120万台(前年比78%)
  • DVD-ROM装置:2700万台(前年比96%)
  • CD-R/RW装置:4565万台(前年比117%)
  • CD-R/RW+DVD-ROM装置:865万台(前年比537%)
  • 追記書き換え型DVD装置:130万台(前年比289%)
  • MO装置:175万台(前年比87%)

光ディスク装置日本市場

  • 光ディスク装置全体:1810万台(前年比86%)
  • CD-ROM装置:490万台(前年比42%)
  • DVD-ROM装置:243万台(前年比77%)
  • CD-R/RW装置:480万台(前年比112%)
  • CD-R/RW+DVD-ROM装置:407万台(前年比1696%)
  • 追記書き換え型DVD装置:42万台(前年比323%)
  • MO装置:148万台(前年比91%)

イメージスキャナー──フラットベッドは高機能化で今後も伸びる

イメージスキャナーは、国内のイメージスキャナーメーカーと販売会社21社の出荷実績値をベースとして、日本市場を予測したものとしている。カテゴリーはフラットベッドスキャナー、シートフェッドスキャナー(オートシートフィーダーを持つスキャナー)、フィルムスキャナーの3種類。

2001年の日本市場は、164万台で2000年比99%となった。2001年前半は順調な伸びを示したが、後半に減速したとしている。このうちフラットベッドスキャナーが97%(台数ベース)を占め、シートフェッドスキャナーの割合が少ないが、オフィスのペーパーレス化が進みつつあるのに合わせて、2000年比136%と大きく伸びているという。フィルムスキャナーはデジタルカメラの高画質化に押されて減少傾向にあるが、2001年は各社が新製品を発表したことから、買い換え需要で2000年比107%の伸びとなったとしている。

2004年の需要予測では、2001年比106%だが、フラットベッドスキャナーが高画質化とUSB2.0などの高速インターフェースの普及、フィルムスキャン機能の搭載などによって、平均年率で5〜6%成長を見込んでいる。シートフェッドスキャナーも平均年率15〜20%成長するとしている。

イメージスキャナー日本市場

  • イメージスキャナー全体:164万台(前年比99%)
  • フラットベッドスキャナー:158万6000台(前年比99%)
  • シートフェッドスキャナー:1万8000台(前年比136%)
  • フィルムスキャナー:3万6000台(107%)

OCR──機能の向上で業務向けが伸びる

OCRは、国内のOCRメーカー16社の出荷実績値をベースとして、日本市場を予測したものとしている。カテゴリーとしては、一般文書用と罫線などに対応した帳票用に分けている。これらの中にはソフトウェアタイプと、ハードウェアを含んでシステムとなっているものが含まれる。

2001年は、パソコンの売り上げ減少と、パソコンやスキャナーにバンドルされるOCRソフトウェアの性能が向上したことから、アップグレード需要が減少したことなどによって、全体として15万台(本)、2000年比95%となった。一方で帳票用ハードウェアタイプの製品は2000年に続いて伸びた結果、帳票用として2000年比101%の微増となった。2002年以降は、平均年率5%程度の伸びを予想している。

OCR日本市場

  • OCR全体:15万2000台/本(前年比95%)
  • 伝票処理用:1万5000台/本(前年比101%)
  • 文書処理用:13万7000台/本(前年比95%)

(編集部 佐々木千之)


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