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日本科学未来館、『Geo-Cosmos』に新コンテンツを追加――火星をグルグル回そう!

2002年07月10日 16時50分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本科学未来館は10日、開館1周年を迎えたことを機に、同館のシンボル展示である発光ダイオード球体ディスプレー装置『Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)』、およびデジタル6面ドーム映像を楽しめる『ドームシアターガイア』において新コンテンツを追加したと発表した。

毛利さんと火星
日本科学未来館館長の毛利衛氏と、同館のシンボル展示である発光ダイオード球体ディスプレー装置『Geo-Cosmos』。映し出されているのは新コンテンツの“火星”。「地球や火星を自分の手でグルグル回すのはすごく気持ちいい」(毛利館長)

Geo-Cosmosは、SMD(サーフェス・マウント・デバイス)式の発光ダイオード(LED)パネル(16×16cm)を3715枚(LED数は95万1040個)貼り込んだ、直径6.5m(地球の約200万分の1)、重量15tの球体ディスプレー装置。国内外の研究機関とのネットワークにより、地球に関するさまざまなリモートセンシングやシミュレーションデータ等の科学的な画像を共有し、過去/現在/未来の地球の姿を映し出せる。

これまでGeo-Cosmosでは、衛星から送られてくる雲の画像データを取り込んだ“今日の地球”や、地球全体の一酸化炭素濃度の画像といったコンテンツを映し出していたが、本日より、“海表面温度”や“地表面温度”の画像、さらに太陽系の惑星や衛星(火星/水星/木星/金星/月/エウロパ)などの画像も見られるようになった。

月
こちらは“月”。アポロ11号の月面着陸位置なども表示できる

また、従来の“今日の地球”は3時間ごとにデータを更新していたが、本日より1時間ごとの更新となる。専用端末『Geo-Cosmosコントローラ』も用意され、来館者は端末を使ってGeo-Cosmosの映像を操作できる。

木星コントロール『Geo-Cosmos』と、専用端末『Geo-Cosmosコントローラ』。映し出されているのは“木星”。コントローラのボタンで、ディスプレーに表示するコンテンツを選択できる。さらに、青のトラックボールをグルグルすると、Geo-Cosmosの映像もグルグル回る。気分はもう「この星は我が手中にある…、ふふっ」

さらに同館では、この球体ディスプレー装置を地球や他惑星の研究を進める科学者や、新しい表現を求めるアーティストに開放していくとしており、その第1弾として、国立環境研究所の野沢徹博士による地球温暖化の研究データを元にした“地球温暖化シミュレーション”を新コンテンツとして追加した。

“地球温暖化シミュレーション”は、1890年から2100年までの地上2mにおける気温をシミュレーションしたデータを、1年当たり6枚の画像にして、Geo-Cosmosでアニメーション表示するもの。野沢博士は、「地球で起こっていることは球で見るほうが自然。これにより新しい研究ができるのでは」としている。

地球温暖化シミュレーション
“地球温暖化シミュレーション”による2032年の気温の様子。赤い部分は気温が高くなっているところ。このシミュレーションでは、2090年ごろには地球全体が赤く染まる。「多くの人々に地球温暖化現象を意識してもらうことで、それを回避することも可能になると思う」(毛利館長)

一方の『ドームシアターガイア』は、直径15.24mの球型シアターで、席数は123席。上半球がスクリーンとなり迫力ある映像が楽しめる。本日発表された新コンテンツは“宇宙・時空を超えた旅”。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した映像を元に、ビッグバン直後から今日の地球に至るまでの様子をCG画像で再現するもの。監修兼ナビゲーターは文部科学省宇宙科学研究所の矢野創博士、ナレーターは女優の緒川たまきさん。

同館館長の毛利衛氏は、「世界に類をみない新しいものに常に挑戦していく。開館時はGeo-Cosmosを作ること自体がシンボルであったが、1周年を迎え、それが進化していくことを皆さんにお見せしたい」としている。

毛利さんと野沢さん
毛利館長(右)と野沢博士(左)。「研究者の皆さんにGeo-Cosmosを研究発表の場として活用してほしい」(毛利館長)

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