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IT関連および電子技術・製品の展示会“CEATEC JAPAN 2002”開幕


2002年10月2日

ブロードバンドの次は、無線AVとハイビジョン録画、そして有機EL

台風21号が関東地方に急接近する中、10月1日に幕張メッセにてIT関連および電子技術・製品の展示会“CEATEC(シーテック) JAPAN 2002”が開幕した。会期は10月5日までの5日間で、主催は情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)/(社)電子情報技術産業協会(JEITA)/(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会(JPSA)。CEATECは、従来別々に開催されていた通信関連技術・製品の展示会“COM JAPAN”と、電子部品やデバイス、関連ソフトウェアなどを集めた電子工業の展示会“エレクトロニクスショー”を統合して、2000年より開催されているもの。

今回のテーマは“ブロードバンドの先に次が見える。”としており、出展内容には

  • デジタルハイビジョン放送の記録/保存
  • AV関連をターゲットにした家庭内無線ネットワーク
  • 有機ELパネルのより具体的な実用提案

――に関連した技術や製品/試作品が特に目立った。

なお、携帯電話関連の出展については携帯24のほうで詳しくレポートしている。

シャープ、新型Linuxザウルスを参考出展
――キーボード付きでVGA液晶パネルは反転可能

新型Linuxザウルス
シャープの新型Linuxザウルス

Hall 2手前にブースを構えたシャープ(株)では、意外なものが出迎えてくれた。8月に発売された『SL-A300』に続く、キーボード付きの新型Linuxザウルス(プロトタイプ)が参考出展されているのだ。詳細は16日より開催される“WPC EXPO 2002”で明らかにされるとのことだが、ノートパソコンのようにキーボードと液晶パネルがヒンジでつながったスタイルで、従来のスライドタイプで縦持ちで使う“MIシリーズ”のザウルスとは大きく異なるデザインだ。液晶パネルは反転して閉じればペンタッチのみで利用することも可能で、閉じた状態のサイズはほぼMIシリーズザウルスと同等。SL-A300にコミュニケーションアダプターをセットした状態よりは薄くなるという。コンパクトな本体ながら、液晶パネルの解像度は640×480ドット表示が可能で、新開発の“CG液晶”を採用している。CG液晶は、通常のアモルファスシリコンと比べると電子の移動速度が600倍、低温ポリシリコンよりも4倍高速というシャープ独自開発の新型液晶。Hall 6奥にあるシャープの技術/デバイス系ブースではCG液晶の試作品として、反射時の視認性を高めたものや透過時(バックライトあり)での視認性を高めたモデルなど、さまざまなタイプが展示されている。メモリーカードスロットは、標準でCF Type II(右側面)とSDカードスロット(背面)を持ち、コミュニケーションにはCFスロット、データ保存にはSDカードを同時に利用することができる。価格や発売時期などの詳細については、現時点では未定とのこと。

右側面
右側面
左側面
左側面

青色レーザーで大容量化&MPEG-2の拡張で高解像度/高圧縮化
――デジタルハイビジョンの記録/保存デバイス

デジタルハイビジョンの記録/保存のためのデバイスや技術として展示されていた内容は、大きく2つに分けられる。ひとつは“Bru-ray Disc”や東芝の青色レーザーディスクといった大容量メディアの開発/実用化、もうひとつは従来のMPEG-2を拡張して高解像度/高圧縮率を実現し、既存の記録型DVDメディアを活用しようというものだ。

Blu-ray Discは、ソニー(株)/日本フィリップス(株)/パイオニア(株)/シャープ/(株)日立製作所など、多くのブースで試作機(デモ動作中のもの)が見られたが、実際の販売時期は? と質問すると一様に答えに窮する。原因を聞くとメーカーによってさまざまな答えが返ってくるが、主に

  • 実装技術の問題――現在の試作機は部品点数が多く小型化できない、ワンチップ化が必要
  • メディア容量が未確定(片面単層か2層か、など)――供給されるコンテンツとの関係もあり、ハードウェアメーカーだけで決められない

という2つの課題が共通していた。

ソニー
ソニーのBlu-ray Discデッキ。記録再生のカートリッジは、手に触れる回数が多くなるので、カートリッジに入れるようになるという。再生専用メディアはディスクむき出しになりそうだ
松下電器産業
松下電器産業のBlu-ray Discを使ったハイビジョンレコーダー
シャープ
シャープのBlu-ray Discを使ったハイビジョンレコーダー。中央に紫で光るデザインが、ややX-boxをイメージさせる
パイオニア
パイオニアのBlu-ray Discレコーダー。各社ともデザインに凝っているのはいいが、とにかく本体はデカイ。メディアが小さいので(CD/DVDサイズ)、なおさら大きく見えてしまう
日立製作所
日立製作所のBlu-ray Discレコーダーは、上下に発光体が入り、文字通りブルーレイ(青色光線)なデザイン

(株)東芝は、Blu-ray Disc(片面1層で最大27GB)とは異なる、青色レーザーを使った記録メディアを開発、参考出展している。再生専用メディアは片面1層15GB(片面2層30GBが主流)、記録メディアは片面1層20GB(片面2層40GBが主流)になるとのことで、DVDフォーラムとは別に参加企業間での連携によってデファクト化を進めているBlu-ray Discに対し、東芝はこの技術をDVDフォーラムによって規格化しようとしている、とのこと。とはいえ、こちらも実用化までの道のりはまだ遠いようで、「2004年ごろではないか」としている。

東芝
東芝のBlu-ray Discとは異なる、青色レーザーを利用したハイビジョン対応レコーダー

その東芝は、青色レーザーのレコーダーの隣で“Advanced MPEG-2”という独自にMPEG-2を拡張した映像圧縮技術を展示している。これは、デジタルハイビジョン放送の1125i(水平走査本数1125本のインターレース)の解像度ながら、既存のMPEG-2のビットレート(最大9〜15Mbps程度)に合わせて圧縮率を調整するというもので、画質よりも既存のDVDでの再生互換性を重視する需要に応える技術だという。会場で映像を見た限りでは50インチクラスの大型ディスプレーに映しても、オリジナルの映像ソースと厳密に見比べない限りは多くの一般ユーザーが満足できる画質と思えた。

Advanced MPEG-2映像
東芝の“Advanced MPEG-2映像”のデモ

こうした映像圧縮技術は、三菱電機(株)がMPEG-2の符号化パラメーターを最適化することで従来18〜24Mbpsと高ビットレートが必要だったハイビジョン放送用の高画質データをほとんど画質の劣化無しに9.8Mbps程度まで圧縮できる“HDTV超圧縮技術”をデモ展示したり、日本ビクター(株)がMPEG-1相当のビットレート(1.3Mbps)でMPEG-2の解像度(720×480ドット)を表示できる“MET(MPEG Emotional Technology)”を出展していた。

三菱電機のHDTV超圧縮技術は、符号化パラメーターの最適化をリアルタイム処理できることが一番のメリットで(従来はリアルタイム処理を優先するため、データの圧縮効率が低かったとのこと)、当初は映像制作プロダクション向けのエンコーダーキットに組み込む形になるが、将来的には市販のDVDレコーダーなどにも応用が利くという。楽しみだ。

日本ビクターのMETは、ソフトウェア(CODEC部分)の技術というが、現時点では通常のMPEG-2再生に比べて2倍のハードウェア負荷がかかるという。この点の解消が急務だが、デモを見る限りでは1.3Mbpsの映像とは思えないきれいな映像を映しており、画質が最重要視されないコンテンツであれば、従来のDVDメディア1枚にかなりの時間が収録できることになるため、ぜひ実用化を進めてほしい有望な技術だ。

MET
日本ビクターの“MET”のデモ

日本ビクターでは、さらに市販のminiDVテープにハイビジョン画質(750p)の録画を行なう、民生用のハイビジョンDVカムコーダーを参考出展。D端子を備え、750pまたは525pで録画した画像を1125iに変換して出力する機能も持っている。記録メディアは、既存のminiDVテープで、通常のDV記録と同じ記録時間を確保しているという(データの圧縮率で調整)。会場では、花を飾ったセットを撮影して色再現性の高さをデモでアピールしていたが、動きの激しいシーンを撮る運動会などで、このハイビジョン撮影がどれほどの威力を発揮するか、楽しみなところだ。

ハイビジョン撮影対応DVカムコーダー
日本ビクターの“ハイビジョン撮影対応DVカムコーダー”。左手前から伸びているのはD端子ケーブル
パーツ
ハイビジョン撮影対応DVカムコーダーを構成するパーツの数々

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