このページの本文へ

【IDF 2002 Fall Japan Vol.1】開発者向けフォーラム“インテル・デベロッパ・フォーラム 2002 Fall Japan”が開幕

2002年10月23日 03時23分更新

文● 塩田紳二

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

22日から24日まで、インテルの“Developer Forum”が日本で開催される。初日にあたる22日は、来日した米インテル社の上級副社長でエンタープライズプラットフォームグループ事業本部長のマイケル・J・フィスター(Michael J. Fister)氏がプレス向けに講演を行なった。

マイケル・J・フィスター氏プレス向けセッションに登場したマイケル・J・フィスター氏

担当がエンタープライズプラットフォームなので、Itaniumの話が中心となり、簡単なロードマップ(9月のIDFから変更はないようだ)と、ビジネスの話があった。質問などでも出たが、やはりItaniumマシンのライバルとなるのは米サン・マイクロシステムズ社のマシン。このレベルになると、単にプロセッサー性能だけでは決まらず、システム構築などを実際に行なうインテグレーターやメーカーの力量が効いてくるところ。その意味では、インテルは、プロセッサーやチップセットといった半導体製品以外にさまざまな製品やサポートを行ない、エンドユーザーへ販売を行なうメーカーや、ソフトウェアを開発するベンダーを手助けするという形でItaniumの普及を計る考えのようだ。

Itaniumのロードマップ
同氏のプレゼンテーションにあったItaniumのロードマップ。来年は、次期Itanium2の“Madison”や“Deerfield”などのプロセッサーが登場予定

展示会場では“ワイヤレスMMX”や『Digital Media Adapter』をデモ

IDFの中身は、同時に行なわれるコンファレンス(講師による技術解説。日本でいうセミナーのようなもの)が中心だが、展示会場もあり、インテルや関連製品ベンダーなどが出展を行なっている。

展示会場では、日本電気(株)が“PCI Express”(次世代I/O規格)のトランシーバーをデモ。2台のパソコンの間をPCI Expressで接続してデータを転送する展示を行なっていた。ただし、動いているのは、PCI Expressの信号ラインの部分のみで、PCI Expressのコアロジック部分を動作させているわけではない。

PCI Express用トランシーバーチップ
NECのPCI Express用トランシーバーチップ。これは、PCI Express信号ラインを駆動するためのデバイス。基板の表裏から16本のラインが出ており、8レーン(PCI Expressの基本信号は送信受信の2本のラインで1レーン)で通信を行なっている

インテルの展示としては、次期Xscaleプロセッサーに搭載される“ワイヤレスMMX”テクノロジーのデモがあったが、デバイス自体は未発表ということで、ボードは見せてはくれなかった。つながっているパソコンの上で、ワイヤレスMMX命令のオンオフとクロックを変化させて、従来のXscaleに比べて、ワイヤレスMMX命令で高い性能が出せ、たとえばMPEG-4のデコードのような処理を低い周波数でも可能にするというところをアピールしていた。

ワイヤレスMMX命令のデモ
ワイヤレスMMX命令のデモ。ノートパソコンの後ろの箱の中に次期Xscaleの試作チップが入っている
ノートパソコンの表示画面
液晶ディスプレーには、MPEG-4のデコードレート(上段)、消費電力が表示され、ワイヤレスMMX利用のオンオフ、周波数などを変化させてフレームレートの違いを見ることができる

また、同じくXscaleを使った『Digital Media Adapter』もデモ。これは、パソコンとその上のアプリケーションと組み合わせて動画、静止画、音楽といったメディア再生を行なうアプライアンス(専用機)。パソコンとの接続はEthernetや無線LANで行ない、オーディオアンプやテレビに接続して利用する。マイクロソフトの『Smart Display』(Mira)と『Windows XP Media Center Edition』(Freestyle)と考え方は似ているが、画像のエンコード処理などはパソコン側で行ない、Digital Media Adapter側は出力に徹するもので、こちら側は組み込み用LinuxやUniversal Plug&Play(UPnP)を使って接続制御するもので、かなり家電製品に近い感じがある。また、Digital Media Adapter自体は、リモコンを使って制御するようだ。

『Digital Media Adapter』 『Digital Media Adapter』
インテルが公開した『Digital Media Adapter』。近いうちに米国で出荷が始まるとのことロゴからすると中国のLegend社(聯想集団有限公司)の製品と思われる。Ethernetと無線LANタイプの2種類が展示されていた。こちらはEthernetタイプ

さて、明日は、米インテルCTO(最高技術責任者)で副社長のパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏、本日登場したフィスター氏の基調講演が行なわれる予定。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン