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ネットワーク製品開発者向けセミナー“UPnP Forum Asia Summit”開催

2002年11月11日 17時04分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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ネットワークを通じて、情報機器から家電製品まで幅広く制御する規格“Universal Plug and Play(UPnP)”の開発者向けセミナー“UPnP Forum Asia Summit”が東京国際フォーラムで開催された。主催はUPnP Forum Asia Summit事務局。11日と12日の2日間に渡って行なわれ、現在のUPnP Forum(運営委員会)の活動内容や現在策定が進められている(ほぼ完了しつつあるという)“UPnP V2”の概要などについて詳細が説明された。UPnPに特化したカンファレンスがアジアで行なわれるのは、今回が初めて。

スコット・マンチェスター氏
米マイクロソフト社のホームネットワーク・テクニカル・エバンジェリストのスコット・マンチェスター氏

初日の午前中は、主に現在のUPnP(V1)の概要が紹介された。スピーカーとして壇上に立った米マイクロソフト社 ホームネットワーク・テクニカル・エバンジェリストのスコット・マンチェスター(Scott Manchester)氏は、「新しいネットワークの世界を実現し、生活の質の向上とビジネスチャンスの創出を図ることこそが、UPnPの目標」と切り出し、現在のUPnP Forumの活動と成果を説明した。

機器の認識 機器の詳細
UPnPの動作を5ステップで説明するパネル。機器がネットワークに接続した場合自動的、もしくは別の機器がネットワーク上のデバイスを探しに行くなどして、新たな機器の存在を認識する認識した機器の詳細情報をXMLファイルで受け取る。このXMLファイルにはデバイスの種類や動作内容などが記載されている
動作 障害発生報告
SOAP(Simple Object Access Protocol)を利用して、機器を制御する。その結果を命令した機器に返す何か障害が発生した場合には、先に登録した特定の機器にのみ障害発生を報告する
プレゼンテーション

UPnPは現在、UPnP対応ブロードバンドルーター同士でWindows Messengerなどのコミュニケーションアプリケーションの接続を簡単に行なえる技術として認知・利用されているが、本来は新しい機器をネットワーク上に接続すると、既存の機器に対して、自身のIPアドレスと利用可能なポートなどの情報を知らせ、自動的に利用可能にするという技術だ。将来は電力線ネットワーク(Home PNA)などの普及により家電製品にもネットワーク対応が進み、ビデオデッキやオーディオ機器をリモコンで操作するような感覚で、家庭やオフィスのパソコンからこれらの機器を制御可能になるという。ただし、そのためには多くの固定IPアドレスが必要で、IPアドレスの枯渇が心配される。そこでIPv6への移行が必須となる。

スタンドの制御
UPnP非対応機器でも、電源のオン/オフなど簡単なコントロールであれば中間デバイスを介して制御が可能。写真はセミナー会場の外に設けられたデモスペースの1つにあった、三菱電機の家電コントロールチップのデモで、スタンドの下に置かれた制御ボックスに相当する機能を1チップ化しているという

また、現在策定が進められているV2では、“ウェブサービス”への対応が大きなポイントだという。現在のV1ではネットワーク上に存在するUPnP対応機器がデバイス単位でしか認識できないが、V2ではそのデバイスが実行可能なサービス(プリントアウトや録画、再生など)単位で管理され、それらの設定はウェブブラウザー上で管理できるようになる。現在、ブロードバンドルーターなどではウェブブラウザー上で特定のIPアドレスを指定し、設定変更を行なうものが増えているが、さらに進んでUPnP対応機器をネットワーク上に接続し、機器を選ぶだけで設定メニューが呼び出せるようになるという。これにより、ユーザーの使い勝手が向上し、デバイスごとに個別の管理用アプリケーションを作成する必要もなくなる。

対応OSは、Windows Me/XP、およびWindows XP Embedded、Windows CE.NETがUPnP(V1)をサポートしており、次期Windows(コードネーム:Longhorn)ではUPnP(V2)もサポート予定とのこと。

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