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日立、同社のデザインへの取り組みを紹介する“DESIGN FRONTIER 2002”を開催

2002年11月29日 23時02分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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(株)日立製作所は29日、同社のデザインへの取り組みやコンセプトをプレス関係者らに紹介するイベント“DESIGN FRONTIER 2002”を都内で開催した。メインテーマは“Customer Experience Design(経験価値を提供するデザイン)”で、スペックの高さや見た目の派手さにとらわれず、ユーザーが製品やサービスに触れた際に“心地よい印象”“見たことのない驚き”“知的な喜び”といった豊かな経験を感じられるように務めていると説明した。

ユビキタス製品デモ日立の考えるユビキタス(あらゆるところに情報機器のある社会)の製品デモ。例えば空港で、チケット代わりのICカードを特定の光に当てると、自分の位置を中心に搭乗口やショップなどの方向と距離を示してくれる。これも日立の考える“Experience Design”の一例とのこと

会場ではまずExperience Design(経験価値、価値は経験に拠る)を、コーヒー1杯の値段を例に挙げて説明するビデオが上映された。「わずか1杯70円で出すコーヒースタンドもあれば、120円の缶コーヒーも、1000円を超える展望レストランのコーヒーもある。それらの違いはコーヒーそのものにあるのではなく、コーヒーを味わう場所や経験に対して正当な価格を払っている」と解説し、日立としても、受け手が得る安心感/安定感/先進性などを重視。ユーザーのメリットや使い勝手を第一に考えたデザインを行ない、経験価値という魅力を高めていくことをアピールした。

A5303H
こちらはすでに発表済みの“Experience Design”製品。KDDIの携帯電話『A5303H』(写真中央手前)。この製品のデザインを決定する際には、購入者(特に若い女性)が携帯電話のそばに置かれるであろうアイテムとの組み合わせを考慮したという
新型タッチパネル タッチパネルの機構
画面を本当に“押す”ことで、ボタンが反応するタッチパネル。視覚障害者に配慮して、指を置くだけでは押されず、ボタンの機能を読み上げるという機能も付加されている横から見るとパネルの稼働部分が分かりやすい。この試作モデルの製造には30万円程度かかったという

Experience Designを実践するための手順として、日立では

  • 使いやすさや便利さを追求したコンセプトを共有できるようにイメージイラストなどに描く
  • 実際にプロトタイプを製作して“使いやすさ”“うれしさ”を検証する
  • メインコンセプトを消費者に的確に伝わるよう、メディアやプレゼンテーションの方法を吟味して、効果的なプロモーションを行なう

というサイクルを作り、実施しているという。

ホームサーバー用リモコン 裏側
ホームサーバーのコンセプトモデルとセットで置かれていた光学式マウス。AV機器はリモコンで操作するものという既成概念を捨てて、メニューを選択するカーソルの移動に最適と思われるマウスを家庭向けにリファインしたもの裏を返すと光学センサーのほかに10キーや再生/停止などの操作ボタンが並び、通常のリモコンとしても利用できる
Object Link
μチップ(ミューチップ)と呼ばれる超小型ICとアンテナ部を搭載したオブジェクトをガラスの灰皿のような部分に乗せると、ICの中に記録されたID(128bit)を読み取り、対応する情報をディスプレーに表示する(ここでは机自身がディスプレーになっている)。例えば、旅行先で売られているお土産にμチップを埋め込み、サーバーでご当地の情報を配信していれば、自宅に戻った後でいつでも旅行先の情報を引き出すことができる。これも日立の考える“Experience Design”の一環

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