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ルイ・ヴィトン、村上隆氏が制作したアニメ『SUPERFLAT MONOGRAM』の試写会を開催――“デジモン”のスタッフが制作を担当

2003年02月26日 23時53分更新

文● 編集部 伊藤咲子/ワカオトモコ

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LVパンダと村上氏
写真左から、アニメに登場するキャラクター“LVパンダ”と村上隆氏

ルイ・ヴィトン ジャパン(株)は25日、村上隆(むらかみたかし)氏が制作したアニメ『SUPERFLAT MONOGRAM(スーパーフラット・モノグラム)』の試写会を、ルイ・ヴィトン表参道店で開催した。村上氏は、現代美術家で、美術作品の製作・販売を手掛ける(有)カイカイキキの代表。ニューヨークの競売会社クリスティーズが2002年に開いた現代美術のオークションで、同氏制作の立体の少女像『HIROPON(ヒロポン)』に、約5500万円(手数料込み)の値が付き話題を呼んだのは記憶に新しい。

ルイ・ヴィトンは、村上氏と同ブランドのアーティスティック・ディレクターMarc Jacobs氏(マーク・ジェイコブス)のコラボレートによって制作された2003年春夏コレクションのカバンなどの製品群を3月1日に発売する。アニメ『SUPERFLAT MONOGRAM』は、この発売を記念して制作されたもの。

村上氏らによる2003年春夏コレクションは、“モノグラム・マルチカラー EYE LOVE MONOGRAM”“モノグラム・チェリーブラッサム”“モノグラム・マルチカラー”などのラインにわかれ、それぞれカラフルでポップなデザインを採用している。村上氏は、カバン等のコレクションデザインが決まった後に、今回の世界観をさらに深くしようと、ルイ・ヴィトン側にアニメの制作を提案した。アニメには、耳やシッポにカラフルなモノグラム柄があしらわれた“LVパンダ”や、ボディが同柄の“オニオンヘッド”など、村上氏がデザインしたオリジナルキャラクターが登場する。

アニメは村上氏がクリエィティブディレクターを務め、「『デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム』を見てめちゃくちゃ感動した(村上氏)」ということで、東映アニメーション(株)が制作を担当した。プロデューサーは東映アニメーション取締役の高城剛氏、監督は『デジモンアドベンチャーぼくらのウォーゲーム』監督の細田守氏。アニメには村上氏のキャラクターのほか、小学生の女の子“アヤちゃん”などの人物キャラクターも登場するが、これらは全て、“デジモン”シリーズのキャラクターデザインを担当した中鶴勝梓氏がデザインをしている。

高城氏は、アニメの企画をルイ・ヴィトン側と詰めていった過程を振り返り、「固い門をブッ壊すのが僕の役目。フランスに飛び、昼飯を食べながら重要人物に会ってプレゼンテーションをし、日本にとんぼ帰りするという日々が続いた」と語った。





『不思議の国のアリス』の村上隆氏&ルイ・ヴィトン版

アニメの放映時間は5分。童話『不思議の国のアリス』の村上隆氏とルイ・ヴィトン版ともいうべきストーリーで、“Spirit of travel(旅の真髄)”というルイ・ヴィトンのブランドコンセプトに対し新しい提案をするという考えのもと制作された。

ストーリーは、裕福な家庭に育った小学生のアヤちゃんが、ルイ・ヴィトン表参道店の前で友達と待ち合わせをするところからはじまる。友達はなかなか現われず、アヤちゃんは携帯電話のメールで連絡をとろうとするが、携帯電話はアヤちゃんの手をするりと離れ、突如現れたLVパンダに飲み込まれてしまう。アヤちゃんは抗議するが、LVパンダはアヤちゃんも飲み込んでしまい、アヤちゃんは“モノグラム・マルチカラー”の世界に迷い込んでしまう……。

LVパンダ
“LVパンダ”は全高2.5メートル。ふつうのパンダ並みの大きさだが、頭が大きい

ルイ・ヴィトン表参道店では、3月1日~4月7日までの間、“村上隆 スペシャルディスプレー『SUPERFLAT MONOGRAM』”と題し、同アニメを放映やLVパンダ等キャラクターのフィギュアの展示を、ショーウィンドーやフロアで行なう。またアニメは、表参道店をはじめ、丸井今井札幌店、松屋銀座店、名古屋栄店、大阪心斎橋店、神戸店、博多リバレイン店ほか、世界各地の合計18店舗でも放映される予定。



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