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21世紀のメディアとコミュニケーションの姿をとらえ直す――NTT ICC、“コミュニケーションの現在・2003”を開催中


2003年3月8日

新宿区西新宿のNTTインターコミュニケーション・センター(NTT ICC)において、7日から23日まで、“電子メディアの姿をとらえ直し、新しいコミュニケーションのあり方を展望する”展示会&シンポジウム“コミュニケーションの現在・2003”が開催されている。一般入場料は300円。


“コミュニケーションの現在・2003”会場エントランス

この展示会は、ワークショップやシンポジウム、展示作品などを通して新しいメディアとコミュニケーションのあり方を考察するという、NTT ICCの活動の一環として開催されているもの。コミュニケーションとメディアの新しい可能性に挑戦する作品として、ICCが所蔵する14作品から5作品と映像作品を展示するほか、すでに実践されている“表現”手法について体験を通じて理解を深めるワークショップと、次世代の新しい“表現”手段の可能性について論議するシンポジウムなどを開催する。

それでは、今回展示されている5作品を順に説明していこう。

“メディア・テクノロジー〜7つの記憶”

オペラシティータワー4階のNTT ICC受付から階段を上り、5階のギャラリーBに進むと、まず右手に岩井俊雄氏作“メディア・テクノロジー〜7つの記憶”が展示されている。


“メディア・テクノロジー〜7つの記憶”。写真提供:ICC

“メディア・テクノロジー〜7つの記憶”は、カメラ、テレビ、コンピューターなど作者に影響を与えた7つのメディアを展示した作品。コンピューターならキーボードというように、メディアを代表するデバイスを木箱に入れてオブジェとし、箱の上に設置したハーフミラーに対して投射したコンピュータ映像と合成することで、非物質的な映像と物質的なオブジェの組み合わせの対比により、それぞれのメディア/テクノロジーの持つ本質的な面白さや美しさを提示するという。

“ガラパゴス”

カール・シムズ(Karl Sims)氏作の“ガラパゴス”は、12台のディスプレーにコンピューターでシミュレーションした生命体を映し出す作品。


“ガラパゴス”

ガラパゴスでは、12台のディスプレーから閲覧者の足元にセンサーが伸びており、閲覧者が自分の気に入ったバーチャル生命体の感圧センサーを踏むことで、踏まれなかった生命体が淘汰される設計になっている。11台のディスプレー上には、選択された生命体の情報を元にした突然変異体が新たに生まれ、次々と進化は継続していく。

入場直後に表示されていたバーチャル生命体
退場時(約1時間後)には画面いっぱいに成長

“Juggler”

グレゴリー・バーサミアン(Gregory Barsamian)氏作の“Juggler”は、回転するオブジェとストロボで構成された作品。展示中は15分間隔で回転と停止を繰り返していた。


“Juggler”。写真提供:ICC

写真は停止時のものだが、回転が始まると周囲が暗くなりオブジェの動きに合わせてストロボが点滅を開始する。この作品は人間の目の残像現象を利用しており、人体のフレームが手にした受話器を空中に投げ上げ、再びそれを受け取るというジャグリングを見ることができる。

“重力と抵抗:無響室ヴァージョン”

三上晴子、市川創太の両氏の“重力と抵抗:無響室ヴァージョン”は、無響室内に入った体験者の脈拍、バランス、位置情報を使い、3次元音響やライティングとしてフィードバックするシステム。展示が始まると無響室内のライトが落とされ、フィードバックされた音と光のみの世界が展開される。


“重力と抵抗:無響室ヴァージョン”

無響室は、電波暗室のように突き出た壁面で構成されている。この設計により、防音材で吸収し切れなかった音波がさらに上下左右に反射され、部屋の中心部には音が伝わらないようになっている。

“CAVEの共同[形]成”

7日午前の段階では調整中のため体験できなかったが、アグネス・ヘゲドゥシュ(Agnes Hegedus)氏、ベルント・リンターマン(Bernd Lintermann)氏、レスリースタック(Leslie Stuck)氏作“CAVEの共同[形]成”は、1.5mのサイズの人形の関節部に仕掛けられたセンサーを使い、空間のパラメーターを変化させていく作品だという。


“CAVEの共同[形]成”。写真提供:ICC

体験者は3D眼鏡をかけて3D映像の世界を体験し、人形の姿勢を操作して空間を変化させていく。CAVEの共同[形]成には7つの世界が用意され、人形に目をおおうポーズをさせると世界が切り替わっていく。

そのほか、展示会を行なっているギャラリーBでは、ルネサンスから現代にいたるさまざまな芸術作品で名を残したパイオニアたちの試みと足跡を、世界各地の取材映像や資料をもとに紹介する映像作品“アート&サイエンスの旅−不思議な画集−”(全80分43秒)なども上映している。

またギャラリーAでは、新しいメディアとコミュニケーションのあり方を考察するシンポジウムやワークショップを日替わりで開催する。

(編集部 栗山博行)


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