このページの本文へ

ナナオ、キャリブレーション対応液晶ディスプレー“ColorEdgeシリーズ”の記者説明会を開催

2003年05月12日 18時18分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)ナナオは12日、都内の同社ショールームにおいて、2月に発表したカラーキャリブレーション対応の液晶ディスプレー“ColorEdgeシリーズ”の記者説明会を開催した。ColorEdgeシリーズには、18.1インチの『EIZO ColorEdge CG18』と21.3インチの『同 CG21』の2製品があり、どちらもナナオ独自開発のキャリブレーションソフト『EIZO ColorNavigator』が付属する。説明会では、主にColorNavigatorの機能概要や開発経緯などが紹介された。

ColorEdgeシリーズの記者説明会
ColorEdgeシリーズの記者説明会。写真は、技術開発化技術支援係主任の森脇浩史氏がi1を使ってカラーキャリブレーションを実演しているところ

EIZO ColorNavigatorは、ドイツのグレタグマクベス(GretagMacbeth)社/(株)恒陽社のUSB接続型カラーマネージメントキット“i1(EYE ONE)シリーズ”(別売)と組み合わせて利用する、ColorEdgeシリーズ専用のキャリブレーションソフトで、これ以外のナナオ製液晶/CRTディスプレーや他社製品では利用できない(※1)。

※1 “i1シリーズ”には、液晶/CRTディスプレーで利用可能な汎用のカラーキャリブレーションソフトが同梱されているが、EIZO ColorNavigatorはColorEdgeシリーズに最適化し、搭載ASICのパラメーターなどを変更してガンマ値や色域を調整できる、とのこと

説明会では、カスタマーリレーション推進部部長の山口省一氏と、同 技術開発化技術支援係主任の森脇浩史氏が、カラーマッチング機能に特化した“ColorEdgeシリーズ”と従来の液晶ディスプレーとの違いを説明した。それによると、液晶ディスプレーで正確な色表現を行なうために重要な項目として、

RGBの色座標
表現できる色域が正しく、CRTと同等の発色が可能なこと
色温度
白の色温度が正しいこと
ガンマ値(階調特性)
ガンマ値が正しく、階調表現が滑らであること

という3つを挙げた。ColorEdgeシリーズでは上記の条件を満たし、さらに上下左右から見た場合の色変化が少ないIPS(In-Plane Switching)方式の液晶パネルを採用。ただし、同じ方式の液晶パネルでもガンマ値の特性や色温度は1台ずつ異なるため、同社では工場で個々に調整しているという。特にガンマ値の設定には苦労し、RGB各色で10bitのカラーテーブルを用意し、液晶パネルのドライバー(表示信号を出力する回路)を微調整しながら、最終的に正確な8bit表示が行えるよう仕上げているとのこと。

キャリブレーションソフトEIZO ColorNavigatorは、輝度と色温度、ガンマ値(Windowsでは2.2、Macintoshでは1.8が一般的)を普段使っている状態に設定し、i1をセットすると自動的にパターン画像を表示し調整が始まる。他社のカラーキャリブレーション対応液晶ディスプレーと比較すると、使い方が簡単なこと、自社開発のディスプレーに特化しているため、ハードウェアレベルでガンマ値や色温度を細かく設定できること(500K単位の切り替えのほか、色座標での調整も可能)など、ColorEdgeシリーズのメリットをアピールした。

なお、カラーキャリブレーションキット“i1シリーズ”の価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は10万円弱から。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン