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NEC、PDAやTV表示用ウェブブラウザーでHTMLページを見やすくする新技術“セマンティック・ズーム”を開発

2003年05月26日 17時37分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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日本電気(株)(NEC)は26日、本社ビルで記者説明会を行ない、PDAやTV表示用ウェブブラウザーなど、表示解像度の限られた環境でHTMLページを見やすくするための新技術“セマンティック・ズーム(意味論的拡大表示)”を開発したと発表した。発表会には、NECインターネットシステム研究所所長の片山 博氏、研究統括マネージャーの山田敬嗣(やまだけいじ)氏、主任研究員の旭 敏之(あさひとしゆき)氏らが出席し、1年後の実用化を目指して開発を進めていると説明した。

NECインターネットシステム研究所所長の片山 博氏ら レイアウト情報解析
発表会の出席者。中央がNECインターネットシステム研究所所長の片山 博氏、左が研究統括マネージャーの山田敬嗣氏、右が主任研究員の旭 敏之氏HTML文書の内容と、レイアウト情報(RDFファイル)から、見出しなど重要情報の判別、およびカーソルで文章単位に選択/表示決定などを行なう

セマンティック・ズームは、

  1. 見出しやタイトル部などの重要情報と本文要素を区別するXML文書(RDFファイル:Resource Description Framework)をHTMLページに添付し、画面全体を表示する際には重要情報以外を省略して表示し、HTMLページ全体の内容を把握しやすくする
  2. HTMLページ内のレイアウト情報を参照し、大/中/小見出しとそれに続く本文を1区切りの文章として扱い、表示したい文章単位で拡大表示の選択を可能にする

という2つの技術からなるもの。セマンティック・ズームを利用するには、ウェブサーバー側に既存のコンテンツ情報(HTML文書)とレイアウト情報(RDFファイル)を用意、配信し、クライアント側ではコンテンツ情報の解析・表示とレイアウト情報の解析・管理を行なう(読みたい文章を指示し、拡大表示する)。将来的には、HTMLファイルを自動解析して文書構造を把握する予定だが、現時点では文書構造を正確に把握するため、HTMLファイルからRDFファイルを作成/添付するためのオーサリングソフトを開発、配布する予定とのこと。

セマンティック・ズームの例 ズームアップ画面
上のTV画面がセマンティックズームを利用したウェブブラウズ画面(下は通常のパソコン画面)。赤い四角で囲まれている領域は、レイアウト情報から見出しと文章をひとまとめにして選択した。画面では分かりにくいが、見出しははっきり表示されているものの、本文部分は薄くぼんやりと表示されている文章を選択したあとの画面。選択した文章を中心に、本文と見出しが正しいバランスで表示される

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