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アップルコンピュータ、FOMA動画フォーマットの3GPPをサポートした『QuickTime 6.3』を発表


2003年6月11日

アップルコンピュータ(株)は10日、3日に発表した“3GPP(3rd Generation Partner Project)”標準をサポートする『QuickTime 6.3』について製品説明会を行なった。説明会には“他社の発表会に顔を出すのははじめて”という(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモのiモード企画部長、夏野剛氏も出席した。3GPPは、NTTドコモのFOMAが、動画クリッピングサービスの“iモーション”や動画メールサービスの“iモーションメール”などで採用している。

●FOMAとPC(パソコン)の融合でPCニーズも高まる

まずはじめにアップルコンピュータの代表取締役社長 原田永幸氏が挨拶した。原田氏は「QuickTime 6はリリース後の10ヵ月で1億ものダウンロードを達成している。さらにQuickTime 6.3のリリースにより、FOMAとMacintoshをはじめとしたPC(パソコン)の融合が進むこととなる。これは大変喜ばしいことだ」と語った。

アップルコンピュータの原田社長
アップルコンピュータの原田社長

さらに「これによりPCのニーズが高まり、PC市場に貢献することができる。アップルにとっては、高いシェアを持つクリエイティブ市場に対してワイヤレスコンテンツに対するビデオオーサリング環境を提供できる。また、アップルはこれまでもAppleTalk、TrueType、IEEE1394(FireWire/i.LINK)、Rendevousといったいろいろなユーザーのためのスタンダードなテクノロジーを開発、提供してきた。QuickTimeもそのひとつであり、ますます新しい市場を作るリーダーシップを取っていきたい」と語った。

●今年度後半にはFOMAでミリオンセラーを狙う!

続いて、ドコモの顔としておなじみのNTTドコモiモード事業本部のiモード企画部長夏野剛氏が登壇し、「他社の発表会に顔を出するのはほぼ初めてではないか」と前置きし、「PCと携帯は敵対するかのように言われることもあるが、そういうものではない」と語った。夏野氏は「今回、QuickTimeにFOMA対応を実現いただくにあたって、アップル社には調整などの面で苦労をおかけした。その苦労に報いるように頑張りたい」とした。

NTTドコモの夏野氏
NTTドコモの夏野氏

それを裏付けるように「今年度後半にはかなりいいヤツを準備していて、ガツンと出していきたい。505iが大変好評をいただいているが、これと同じぐらいヒットする、ミリオンセラーとなるFOMAを出していく。ぜひ、そこに向けた動画コンテンツをクリエイターのみなさんに作っていただきたいと考えており、大きく期待している」と新しい携帯動画コンテンツ市場の立ち上がりを示唆した。

●QuickTimeの下位互換性は今後も守られる

後半は米アップルコンピュータ社 QuickTimeプロダクト・マーケティングのディレクターであるフランク・カサノバ II(Frank Casanova II)氏がQuickTime 6.3ならびに3GPPについて詳細な説明とデモンストレーションを行なった。

フランク・カサノバ II氏
米国本社から来日したフランク・カサノバ II氏

まず、カサノバ氏は「今回(のQuickTime 6.3のリリース)は特別なリリースだと考えており、こうしてここにいることに大変興奮している」とし、いかに重要なアップデートであるかを強調した。

カサノバ氏はQuickTimeについて「QuickTimeは、1991年のバージョン1から実に長い間、存在し続けている。そして、定期的に能力、機能を加えてきている。QuickTime 1.0のコンテンツをQuickTime 6で見ることができるわけであり、12年前のものをいまでも見ることができる、というわけだ。この下位互換性は今後も守られるものだ」とした。また、「原田社長から1億ダウンロードを超えた話があったが、その数を裏付けるものとして、毎日2万5000以上のサイトからQuickTimeサイトへのリンクがある。また、多くのマルチメディアタイトルがQuickTimeを採用している。音楽CDのエンハンスドCDもそうだ。さらに200以上のデジタルカメラが採用しており、動画をQuickTime形式で撮影することができる。我々はこうした企業にMPEG-4を使ってくれるように言っており、今度はそれを携帯にもっていくことができるわけだ」と語った。

●さまざな制作・配信環境を生み出すQuickTime 6.3

続いてカサノバ氏は、QuickTime 6.3の概要について紹介した。QuickTime 6はMPEG-4をネイティブでサポートしており、インスタント・オン機能などを持つ。さらにQuickTime 6.3では、3GPPをネイティブでサポートしており、ビデオはMPEG-4およびH.263のコーデック、オーディオはiTune 4やiPodでも採用しているAAC(Advanced Audio Coding)、音声に特化したAMR(Adaptive Multi-Rate)を採用している。3GPPテキストもサポートしている。

さらに3GPPを活用したさまざまなコンテンツ制作・配信のワークフローを紹介した。まず、有料コンテンツ配信のケースでは、プロフェッショナルのコンテンツクリエイターは、Final Cut Proなどのビデオ制作ツールを使って3GPPの動画コンテンツを作成し、モバイルサービスプロバイダーを通じて、第3世代携帯電話の所有ユーザーに有料配信することができる。逆に一般の第3世代携帯電話ユーザーは、撮影した3GPPの画像をモバイルサービスプロバイダーを通じて、他の、第三世代携帯電話や3GPP対応デバイスの所有者に配信できる。また、コンシューマーユーザーは、MacintoshとQuickTime ProやiMovieを使って3GPPの動画コンテンツを作成し、“.mac”などのウェブサーバーを介して、第3携帯電話の所有ユーザーと動画を共有することができる。

●Final Cut Proで3GPPをデモ

この後、これらのワークフローを実際にデモンストレーションを通じて紹介した。デモに登場したFinal Cut Pro、QuickTime Pro、iMovieのアップル製品をはじめ、米アドビシステムズ社やマクロメディア社の製品についても、いずれもQuickTime 6.3がインストールされていれば、すぐに3GPPをハンドリングできるようになるとした。

Final Cut Proで3GPPコンテンツを生成するデモ
Final Cut Proで3GPPコンテンツを生成するデモが行なわれた

まず、まもなく出荷が開始されるFinal Cut Pro 4を使って、ロックグループ“レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(RED HOT CHILI PEPPERS)”のプロモーションビデオを3GPPに書き出し、あらかじめFOMA(P2102V)に移しておいたこの3GPPファイルを実際に再生してみせた。こうして制作されたコンテンツは、iモーションとして、すでにいくつかのコンテンツが存在するとして“ハリウッドチャンネル”で配信されているニコール・キッドマンのインタビュー映像や“Disney-i”で配信されている“プーさんと風船”の2つの映像を紹介した。

また、FOMAで撮影した3GPPの映像をパソコンに送信したものを再生してみせた。これは、QuickTime 6.3をインストールしてあれば、MacintoshでもWindowsマシンでも同様の事ができる。ただし、パソコンからFOMAにiモーションメールを送ることはできない。これは迷惑メールの関連からくるもので、デモでは.macに3GPP動画を上げて、メールでFOMAにURLを送信。FOMAでは受信したメールのURLから、サーバーにアクセスし、ダウンロードして見ることができた。さらにすでにある動画をiMovieを使って3GPPに変換し、この場合も同様に.macに上げ、FOMAにダウンロードしてみせた。

デモではうまくFOMAでダウンロードできない場面もあったが、一時的なトラフィックの問題だったようで、その後は無事受信できた。

最後の質疑応答では、FOMA以外の3GPPをサポートしたデバイスについて質問があった。現時点で米国ではフィンランドのノキア社の端末があるのみ。国内ではジェイフォン(株)(J-PHONE)が販売しているシャープ(株)製の端末『J-SH53』が3GPPに対応している、とした。

■デジカメ画像をiMovieで編集し、実際に3GPPに書き出してみた

iMovieを使って編集
実際にデジタルカメラで撮影した映像をiMovieを使って編集し、3GPPに書き出してみた
“QuickTime形式”で“詳しい設定...”を選択
“QuickTime形式”で“詳しい設定...”を選択する
“ムービーから3GPP”を選択
書き出し形式は“ムービーから3GPP”を選択する
“Mobile MPEG -4”を選択する
オプション設定で“一般”タブを押して、ファイルフォーマットの中から、“Mobile MPEG -4”を選択する
最適なコーデックを選択1
最適なコーデックを選択2
“ビデオ”、“オーディオ”で最適なコーデックを選択する
“サービス”で“配信の制限”をチェック
“サービス”で“配信の制限”をチェックすることで再配信などを防ぐことができるので、有料コンテンツには有効だ
書き出し中
書き出し中
無事、QuickTime Playerで再生できた
無事、QuickTime Playerで再生できた
FOMA端末でも再生できた
FOMA端末でも再生できた
カサノバ氏からもらったコメントは、FOMAで撮影
カサノバ氏からもらったコメントは、FOMAで撮影

(千葉英寿)


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