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“Macromedia Flash Conference開催”――NTTドコモの夏野氏も登場、505iのFlashコンテンツに期待表明

2003年06月20日 21時47分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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マクロメディア(株)は20日、都内ホテルでプレス関係者や『Macromedia Flash』ユーザー/コンテンツ製作者ら向けのセミナー“Macromedia Flash Conference”を開催した。来場者は2000名を超え、午前10時からの基調講演はほぼ満席状態だった。講演では、米マクロメディア社の会長兼CEOのロブ・バージェス(Rob Burgess)氏と(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)のiモード事業本部iモード企画部長の夏野 剛(なつのつよし)氏が壇上に立ち、会場に多く集まったFlashクリエイターへの期待に満ちたスピーチを行なった。

米マクロメディア社の会長兼CEOのロブ・バージェス氏 NTTドコモのiモード事業本部iモード企画部長の夏野 剛氏
米マクロメディア社の会長兼CEOのロブ・バージェス氏NTTドコモのiモード事業本部iモード企画部長の夏野 剛氏

バージェス氏の講演では、今後発売予定(一部は米国で発表済み)製品にも触れながら、マクロメディアの戦略を明らかにした。従来から同社がフォーカスしている“エンタテインメント(ベクターアニメーション作成)”と“ウェブサーバー&コンテンツ管理(『Cold Fusion』シリーズ)”に加えて、携帯端末向けプレーヤソフトやコンテンツ作成/配信環境、プレゼンテーション向けソフト『Breeze』『Breeze Meeting』、ウェブブラウザー以外のでFlashデータの再生環境『Central』、サーバー向け開発環境『ROYALE(ロイヤル)』の名前が新たにバージェス氏から公表された。

マクロメディアの製品戦略を示す図 製品戦略とビジネスジャンルの対応表
マクロメディアの製品戦略を示す図製品戦略とビジネスジャンルの対応表

このうちBreezeは米国ですでに発売中で、同社では次期主力製品と位置づけている。具体的にはマイクロソフト(株)のプレゼンテーションソフト『PowerPoint』で作成したPPTファイルに音声再生を組み合わせ、Flash再生環境で再生表示するもの。講演では、同社のオーサリングツール『Director』とベクターアニメーションツール『Flash』の違いを説明するために、説得力のあるプレゼンができた、とバージェス氏が話した。Breeze Meetingは、Breezeにホワイトボードやチャット機能など、コミュニケーションツールを追加したもので、米国で近日出荷予定。どちらも日本での販売を予定しているが、現時点では発売日は未定。

Centralは、常時接続でない環境でもFlashを活用するための再生環境で、米国でもデベロッパー(開発者)向けに技術デモを行なっている段階だという。こちらは2004年ごろに日本での発売を予定している。

ROYALEは、米国でもまた登場していない開発者(特にプログラマー)向けのサーバー用プログラム。従来から自動処理を行なう“アクションスクリプト”が用意されているが、よりプログラマー向けに開発環境を整えるべく準備を進めている。バージェス氏は「左脳型の人(クリエイター)と右脳型の人(プログラマー)を連携させるためのツール」と例えを交えて説明した。

バージェス氏の講演の後には、NTTドコモの夏野氏がFlash再生機能を搭載した携帯電話“505iシリーズ”について、「昨日時点ですでに(出荷台数が)33万を超えた。iモード以降、新機能を追加するとパケット通信料金が増えるという実績がある。これはコンテンツが利用されているということ。メールくらいにしか使わないと思われがちだが、コンテンツクリエイターの皆さんには、ぜひいい作品を生み出してほしい」と、505iシリーズをアピールしながら、参加者たちにエールを送った。また、夏野氏の発言の中で、「今年後半にはFlash対応のFOMA端末が登場する。そのときには再生できるFlashデータのサイズも(現在の20KBから)“ガツン”と増えます」と、次期FOMA端末についても言及した。

ウェアラブルPC 『MIGHTY BOARD』 折り畳みタイプのFlashプレーヤー
ウェアラブルPC『MIGHTY BOARD』東芝の折り畳みタイプのFlashプレーヤー(モックアップ)

なお、基調講演および会場内展示スペースでは、Flash再生機能を持つユニークなデバイスもデモンストレーションされた。ウェストユニティ(株)の“ウェアラブルPC”は、鈴鹿サーキットで行なわれたレースで実際にピットクルーが装着したもので、現実の画面に数値などのパラメーターがオーバーラップして表示される。

デザインスコープの臼木幸一郎氏がデザインした『MIGHTY BOARD』は、透明なスケートボードの中央に液晶ディスプレーが埋め込まれており、スケボーが動く方向に画面のキャラクター“マイティーマウス”も動く、というもの。このアニメーションもFlashで作成されている。

(株)東芝は、折り畳みタイプのFlashプレーヤー(モックアップ)を展示。これは今年の“CeBIT”(ドイツで開催される世界最大級の情報通信技術に関する展示会)などに出展されたもので、日本では初公開。液晶ディスプレーの解像度は640×960ドットの2画面で、OSはLinuxなどのFlash再生環境が用意されているものを利用するという。

会場で販売されていたロゴ入りTシャツ
会場で販売されていたロゴ入りTシャツ。販売員は「こんなにTシャツが売れるとは思わなかった」と驚いていた

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