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【SIGGRAPH 2003 Vol.6】最先端のグラフィックス技術を実用化した製品が披露された展示会場レポート


2003年8月9日

今年も目立ったフェイシャル技術関連

米国時間7月27日より米カリフォルニア州サンディエゴ市にて開催されていた“SIGGRAPH 2003”は、7月31日に全日程を終了した。

“SIGGRAPH”では協賛企業やグラフィックス関連企業がブースを構える展示会場も併設される。“COMDEX”や“CES”といった巨大IT展示会と比べれば規模は小さいが、グラフィックス関連企業のみの展示会としては世界最大規模なのは間違いない。今年も“SIGGRAPH”の展示会場は例年通り、通常の展示会場とユニークな最新技術を集めた“EMERGING TECHNOLOGIES”の2つに分けて開催されたが、今回はこのうち、通常展示会場の様子を振り返っていく。

Image Metrics“Facial Motion Capture”
顔面ドット打ち無しでリアルタイムキャプチャー

ゲームや劇場映画の3DCG制作においてますます重要視されているのがフェイシャル(顔)アニメーション技術だ。実在の人間をデジタルスキャンして作り上げた“デジタルアクター”を、3Dグラフィックスの世界へ登場させる“デジタルキャスティング”において重要となるのが、デジタルアクターの表情アニメーションだ。いかに背景がリアルで素晴らしい3DCG映像でも、キャラクターの演技が不自然では見るものに違和感を与えてしまうからだ。

そこでよく用いられるのが、実際の人間の顔面の筋肉の動きをトレースして表情のモーションキャプチャーを行なう技術だ。こうした技術はこれまでにいくつも発表されており、最も代表的なのは人間の顔面上にドットマーカーを描き、この動きを計測、その変位をデータ化していく方式だ。


ブース内ではimage-metricsスタッフが自らがCCDカメラ付き帽子をかぶって演技を行ない、手元の3DCGキャラクター画素の演技通りに表情を変えるデモンストレーションを行なった

これに対し、英イメージ・メトリックス(Image Metrics)社は、顔面上にドットマーカーを描かずに表情のモーションキャプチャーが行なえるソフトウェアを開発した。その原理は簡単に解説すると、まず入力対象とする顔から顔面上の、目、鼻、口、眉などの各部位を認識し、“その各部位がどう変形したか”という情報から計算して表情の変化を取得するという。

担当者によれば、処理系は軽く、ほぼリアルタイムで情報を取得、3DCGキャラクターへその表情モーションを反映させることが可能だという。CPU性能にもよるが、平均的なスペックのパソコンであれば、そのディレイはわずか2〜3フレーム程度だとのこと。しゃべれば口の形もその通り変わるし、瞬きや眉の動きにも追従する。主にゲームグラフィックス制作向けをターゲットとしたアプリケーションとのことで、現在、数社のゲームスタジオが顧客となっているという。

デモではCCDカメラ付き帽子をかぶって行なわれたが、入力ソースはカメラで撮影したビデオファイルでも構わないという

Genemation『Genemation』
顔モデルの取り込みと顔の自動生成

英ジェネメーション(Genemation)社ブースでは、顔生成に特化したソフトウェア『Genemation』(社名と同じ)の発表を行なっていた。


Genemationのブース

『Genemation』の機能は大きく3つ。1つは正面、側面から見た顔写真から、3Dモデルを生成する機能。現在は顔面上のパーツの認識は手動で行なわせる必要があるが、次期バージョンではこれも自動化させる予定だという。2つ目は、顔モデルをランダム自動生成する機能だ。顔生成の種は全て『Genemation』側に内蔵されているので用意する必要はない。ユニークなのは、2つの顔から特徴の(加重)平均を取り、それらの家族のような顔を生成することができる機能だ。この機能は写真から取り込んだ顔に対しても適用することができるので仮想的に2人の子供の顔モデルを生成することができる。3つ目は作り上げた顔に対して喜怒哀楽の表情アニメーションや、年齢の変更処理など、カスタマイズ、モディファイが行なえる機能だ。作り上げた顔データはジオメトリーデータ、テクスチャーデータと共にMaya、3DS Max、VRML(Virtual Reality Modeling Language)などへエクスポートが可能となっている。

ところで、『Geneamtion』は基本的には“売り切り”の製品であり、生成した顔にロイヤリティーが発生しないのも特徴だ。これは中小のゲーム制作スタジオにとってはありがたいシステムだろう。価格は現在のところ未定で、8月中に製品版をリリースする予定。現在同社のWebサイトからは評価版がダウンロード可能となっている。


実際に会場にいたスタッフの顔を撮影した写真を用いて顔モデルの作成を行なってもらった

生成された顔モデル。髪の毛や歯は、別途調整する必要がある

VRMLへエクスポートしWeb上で生成した顔を動かしてみた

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