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アニメを超えた実写!? “ハニメーション”とは?――『キューティーハニー』制作発表会開催

2003年10月23日 23時37分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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2004年夏に全国松竹・東急系でロードショー公開予定の映画『キューティーハニー』の制作発表会が、東京・有楽町の東京国際フォーラムで22日に開催された。会場には、監督の庵野秀明氏と原作の漫画家・永井 豪氏、キューティーハニー役を演じた女優・佐藤江梨子さんら出演者が出席し、作品への思いなどを語った。

監督の庵野秀明氏(中央左)ら
制作発表会に出席した、主演の佐藤江梨子さん(中央)、原作の永井 豪氏(中央右)、監督の庵野秀明氏(中央左)ら
キューティーハニーを演じる佐藤江梨子さん
主人公如月ハニーことキューティーハニーを演じる佐藤江梨子さん。コスチュームデザインは寺田克也氏が担当。(C)2003 キューティーハニー製作委員会 (C)1973 永井豪/ダイナミック企画

映画キューティーハニーは、永井 豪氏の同名漫画を庵野監督が実写映画化するもの。漫画では、主人公の如月ハニー(きさらぎはにー)がさまざまな職業を演じる(コスチュームに着替える)シーンが子供心にかなりエッチで、親に隠れて読む漫画(見るTVアニメ)の代名詞として定着していたが、今回の映画でも「30くらいのコスチュームが用意されて、20着くらい着替えました」(佐藤江梨子)というように、キューティーハニーの7変化はしっかり用意されているようだ。

発表会の最初に流された90秒間のラッシュ(ダイジェスト版)を見たところ、この映画の見どころは“いかにも庵野監督”らしいアニメーション的映像表現を最大限に取り込んだ“ハニメーション”(キューティーハニーに合わせた造語)という制作手法だ。アニメーションのセル画制作と同様に、最初に1コマずつの絵コンテを並べ、それに合わせたポーズを俳優が演じ、コマ撮りしたフィルムを並べてアニメでも単なる実写でもない映像を作り出すというもの。また、いわゆる“庵野爆発”と呼ばれる独特のミサイル発射→爆発シーンなど、監督の過去の作品を知る人にはニヤリとさせられる演出も散りばめられている。

主な配役は以下のとおり(敬称略)。

キューティーハニー/如月ハニー
佐藤江梨子
秋 夏子
市川実日子
早見青児
村上 淳
ブラック・クロー
及川光博
ゴールド・クロー
片桐はいり
コバルト・クロー
小日向しえ
スカーレット・クロー
新谷真弓
執事
手塚とおる
シスター・ジル
篠井英介(ささいえいすけ)
NSAクライアント
松田龍平
リョウ宇津木
京本政樹
鬼谷京子
吉田日出子

俳優陣の顔ぶれの豪華さもさることながら、ハニーや怪人役が身につけるコスチュームにも監督らしいこだわりが見られる。キューティーハニーの露出度が高いピンク&ハートの衣装を寺田克也氏が手がけたのをはじめ、出渕 裕氏、貞本義行氏、安野モヨコさん(庵野監督の奥様)、すぎむらしんいち氏とそうそうたる顔ぶれがキャラクターデザインに携わっている。「いや、友達に頼んだので」と庵野監督は言うが、王子を卒業したスター・及川光博氏の演じる、顔の半分と中分けの髪が対照的に白黒というハイコントラストな“ブラック・クロー”、一度着ると動けないほど完成された金色の鎧に身を包む、個性派女優・片桐はいりさん演じる“ゴールド・クロー”、「実はキューティー・ハニーに負けないくらい肌を露出してるんです。2度目に見るときはぜひ注目してください」と自ら語るマルチアーチスト・小日向しえさんの“コバルト・クロー”、肩幅より広いカツラにさらにカンザシが伸びて、「カニ歩きしかできないんです」と撮影時の苦労を語った女優・新谷真弓さん演じる“スカーレット・クロー”という四天王は、キューティーハニーの多彩なコスチューム以上に(?)注目だ。

市川実日子さん演じる秋 夏子(写真手前)
市川実日子さん演じる秋 夏子(写真手前)は、警察庁公安8課所属の女性警部で、キューティーハニーのことを付け回すが、いつも取り逃がしてしまう。(C)2003 キューティーハニー製作委員会 (C)1973 永井豪/ダイナミック企画

ちなみに、庵野監督自身は「原作の漫画を小学5、6年生の頃に読んで、アニメも隠れて見ていた。早見青児を“セイジくん”と呼ぶ男の子っぽい女の子、男をリードするハニーのような女性が好きだったし、今も憧れがある。その原作の面白さを映画にも詰め込んだ。永井先生の描いたキャラクター性は崩さず、むしろ強調していると思う。永井先生の作品には今もシンパシーを感じるところがあり、この映画は永井先生が一番のお客さんだと思っている。永井先生がこの映画をみて喜んでくれれば、それで満足です」と語る。

ナゾの男、早見青児
ナゾの男、早見青児(村上 淳氏、写真左)。背後のクラシックテイストなスポーツカーなど、画面に登場するアイテムには監督のこだわりがそこここに散りばめられている。(C)2003 キューティーハニー製作委員会 (C)1973 永井豪/ダイナミック企画

主演の佐藤江梨子さんは、「どのコスチュームも恥ずかしいとは思わなかったけど、ゴミ袋を着て走るシーンは、“うっ”と思いました。皆さんの記憶にあるハニーとはちょっと違うかもしれないけど、現代的なコスチュームばかりで気に入ってます」と話し、及川さん演じるブラック・クローとの格闘シーンについて質問されると、「殺陣が上手で感動しました。ただ、(撮影時は)暑くて白と黒の汗をかくので、合間にはメイクさんが白と黒のパフを持って頑張ってたのが印象的でした」(佐藤)「なんで、そんな裏話を! (佐藤さん=ハニーとは)かなりの接近戦で、彼女にまたがるシーンもあって、目のやり場に困った。ナイスバディーなベイベー(及川さんが女性を呼ぶ際の敬称)なので、ポーズが決まるところがいいですね」(及川)と撮影時のエピソードを披露した。

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