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ロボット、グリッド研究、真空管作り〜サイエンス好きの今どき高校生たち――“第1回 ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ”の最終審査が開催


2003年11月26日

自由科学技術研究コンテスト“第1回 ジャパン・サイエンス&エンジニアリング・チャレンジ”の最終審査が、東京の日本科学未来館において23日に開催された。このコンテストは、(株)朝日新聞社が主催するもので、文部科学省、科学技術振興事業団、東京都教育委員会、日本物理学会、発明協会が後援、インテル(株)とアジレント・テクノロジー(株)が特別協賛している。

記念撮影
受賞者、主催者、後援者、協賛企業による記念撮影

全国の高校生、高等専門学校生から自由なテーマで研究作品を募り、応募があった138件。今回、2次審査に残った20件の生徒たちが、展示会場にブースを設置し、訪れる審査員を前に研究内容のプレゼンテーションを披露し最終審査に挑んだ。

同日の審査会議によって、文部科学大臣賞、最優秀賞、優秀賞、インテル賞、アジレント・テクノロジー賞、朝日新聞社賞の各賞が決定、会場を移しての結果発表と表彰式が行なわれた。

プレゼンテーション審査の様子
プレゼンテーション審査の様子
インテル(株)代表取締役共同社長
インテル(株)代表取締役共同社長グレッグ・ピアーソン(Greg Pearson)氏もブースを訪れた

本コンテスト上位3プロジェクト受賞者には、特別協賛である米インテル社がメインスポンサーをつとめる国際科学フェア“Intel International Science and Engineering Fair(Intel ISEF)”への出場権が与えられている。また残り3プロジェクトの学生にも体験ツアーとしての参加権が提供される。彼らは、高校生の科学オリンピック大会とうたわれる同フェアに参加し、世界の高校生たち約2000人と交流を深め、競い合うために、来年、米オレゴン州へ飛ぶことになる。

ロボット、グリッド研究、真空管作り〜サイエンス好きの今どき高校生たち

〜当日の研究内容から〜
“変形菌とササラダニ・トビムシの走食性を探る”(最優秀賞)
矢野 嵩典さん

公文国際学園高等部 矢野 嵩典さん(3年)
“一般の人々でも利用可能なグリッド技術の実現”(優秀賞)
グリッド技術による有効利用
国立筑波大学付属坂戸高等学校 神林 亮さん。校内250台に及ぶパソコンのほとんどが一日中利用されていない現状を見て、グリッド技術による有効利用を考えたという。具体的には校内で“分散型行列計算ソフトウェア”を製作。インターネット上で“メルセンヌ素数候補におけるコラッツ算判例探索プロジェクト”の立ち上げを行なった。 「ファイヤーウォールなどで止まっていたら別ですが、ネットワークにさえ繋がっていたら校内のリソースをどこでも利用可能だということで、最終的に落ち着いたのが分散型の行列計算アプリケーションです。また、日本国内でボランティアコンピューティングの研究というとNTTがやっているセルコンピューティングがひとつあるだけですが、外国だと個人でやっている研究がいくつかあるんです。 日本国内で誰もやっていないのであれば自分がやってみようじゃないかという気持ちもありました」(神林さん)
“放電管をつくってスペクトルを見よう”(アジレント・テクノロジー賞受賞)
化学は割りと好きだけど物理は計算が不得手という沙樹さん
化学は割りと好きだけど物理は計算が不得手という沙樹さん。今回の研究は、中学3年生の時に“陰極線”の実験が切れてしまったのを思いだしたのがきっかけ。また、物理の授業で見た真空放電の実験も忘れられず自分でやってみたいという思いから、既成の真空ポンプは使わず、冷却した活性炭に空気を水着させて高真空をつくりだした。自作の分光器でのぞくとスペクトルを見ることができる
スペクトルを見るためにキャピラリーを付けたりするのが既成の放電管と比べて大変だった
「スペクトルを見るためにキャピラリーを付けたりするのが既成の放電管と比べて大変だった。人前で話すのが苦手なのでプレゼンテーションがすごく緊張しました」(市川さん)
渋谷教育学園幕張高校 市川沙樹さん(2年)
“高温物質上を浮遊する液滴PARTSII 液滴の膜沸騰破壊”(文部科学大臣賞)
富山県富山高等学校 早水 悠登さん(2年)、大崎 剛喜さん(1年)、前澤 文宏さん(1年)

富山県富山高等学校 早水 悠登さん(2年)、大崎 剛喜さん(1年)、前澤 文宏さん(1年)
“超低コストな組織培養技術の確立とその応用”(朝日新聞社賞)
大井泰輔さん

神奈川県立中央農業高等学校 大井泰輔さん(3年)
“類似の拡張についての研究”(インテル賞)
入江慶さん

筑波大学附属駒場高等学校 入江 慶さん(2年)
“ボールロボットの製作”
ボールで移動するロボット
群馬県立高崎高等学校 多胡 尚さん。タイヤよりも自由に動けて、足より容易に作れる駆動装置はないかと考え、ボールで移動するロボットを思いついたという。ボールの外周に4つのモーターを接するように取り付け、前後左右の方向転換なしに8方向に自由に移動可能なUFO型ロボットを作成。“目”となるセンサーには、高輝度発光ダイオードとフォトトランジスターを組み合わせた光センサーを使い、板の外周に8つ設置した。床の色を光が反射するかどうかで色を判別する。“脳”となる回路には米マイクロチップ・テクノロジー(Microchip Technology)社のワンチップマイクロコントローラー『PIC16F84』を使用。「タイヤよりも素早く細かい動きができるので、例えばあるエリアを動き回って働くような仕事に向いているのではないかと思った」(多胡さん)
“変形菌と腐木との美味しい関係”
文部科学省が認定するスーパーサイエンス校に通う3人
岡山県立岡山一宮高等学校 芦田有香さん他2名(2年)。文部科学省が認定するスーパーサイエンス校に通う3人。もともと中学のころから理科が好きで去年高校入学と同時に生物部に入部したという。変形菌をかわいいよ〜見て〜とか言いながら研究しているという。 「生物部に入ったら顧問の先生が変形菌好きだったんです。電子顕微鏡で最初見た時は気持ち悪いなと思っていたけれど、変形菌という種類の中でいろんな形があって面白い。だんだんかわいくなってきたんです。身の回りの不思議とかが以外な現象が科学的に証明されることとが楽しいです。ひとつが終わると次にこれはナンでなんだろうという新しい疑問が生まれてきてまたそれを調べたくなるので研究に終わりはないです」(芦田さん他3人)将来は生物に携わることや医療関係に進みたいという。

(遠竹智寿子)


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