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新江ノ島水族館が4月16日に開館――8000匹のイワシの大群が見られる大水槽や深海生物の飼育コーナーを新設


2004年2月5日

江の島ピーエフアイ(株)は4日、東京・三田のオリックス本社で記者会見を開催し、大型レクリエーション施設“新江ノ島水族館”を4月16日に開館すると発表した。江の島ピーエフアイは、オリックス(株)、オリックス・リアルエステート(株)、(株)江ノ島水族館など6社が出資し、民間企業の資金を活用した社会資本整備システム“PFI(Private Finance Initiative)方式”で2002年3月に誕生した特別目的会社(Special Purpose Company)。

新江ノ島水族館関係者一同
新江ノ島水族館の関係者が集まって記者会見が行なわれた。中央の女性が館長の堀氏、その右には“応援団長”の徳光アナウンサー。右には限定オリジナルフィギュアを企画・監修した作家・荒俣宏氏と制作した海洋堂の宮脇専務らが並ぶ

新江ノ島水族館は、現在の江の島水族館(県立湘南海岸公園内)をリニューアルして、新たに片瀬西浜海岸沿いに大型水槽やショッピングモール、深海生物の飼育・観察が行なえる特殊水槽、イルカやアシカ、鯨などの海洋生物と人とが共同でエンターテインメントを繰り広げるという“ショースタジアム”などの複合施設として新設される。地上2階、地下1階で全長253m、奥行き42mと南北に細長い建物で、開発コンセプトは“相模湾/太平洋に親しみ体験するエデュテインメント施設”だという。

オリックス・リアルエステートの代表取締役社長の西名氏ら
オリックス・リアルエステートの代表取締役社長の西名弘明氏(右)と江の島ピーエフアイの代表取締役の高谷哲典氏
作家の荒俣宏氏と海洋堂の専務取締役の宮脇修一氏
限定オリジナルフィギュアの開発に携わった、作家の荒俣宏氏(左)と海洋堂の専務取締役の宮脇修一氏
海洋科学技術センターの三輪哲也氏
海洋科学技術センターの三輪哲也氏

会見にはオリックス・リアルエステート(株)の代表取締役社長の西名弘明(にしなひろあき)氏、江の島ピーエフアイ(株)の代表取締役の高谷哲典(たかやてつのり)氏、新江ノ島水族館館長で(株)江ノ島水族館の代表取締役社長でもある堀 由紀子氏、オリックス・リアルエステート(株)の不動産事業第一部部長の三坂伸也(みさかしんや)氏が列席し、開発コンセプトや見どころなどを説明した。また、新江ノ島水族館の開館を記念して、同館内にのみ設置された専用カプセルベンダーマシン(いわゆる“ガチャガチャ”“ガチャポン”)で発売されるオリジナルフィギュア(全18種類)の企画・監修を行なった作家/博物学者の荒俣 宏(あらまたひろし)氏、フィギュアの制作を担当した(株)海洋堂の専務取締役の宮脇修一氏、深海生物の展示コーナーに深海と同じ環境を再現できる特殊な水槽“深海高圧環境水槽(ディープアクアリウム)”を展示して共同飼育・研究を進める海洋科学技術センター(今年4月には独立行政法人 海洋研究開発機構として新たに運営開始予定)の極限環境生物フロンティア研究システム 深海環境応答研究グループグループリーダーで工学博士の三輪哲也氏が出席し、オリジナルフィギュア開発の経緯や深海生物を常設展示する企画意図などを語った。

マイワシ8000匹がお出迎え クラゲの中から見た海の様子!?

新江ノ島水族館の大水槽のイメージスケッチ
新江ノ島水族館の入り口近くにある大水槽のイメージスケッチ。水深6.5m、水量1000トンの巨大な水槽を群れを成して泳ぐマイワシが出迎えてくれる
エントランスのスケッチ
同じくエントランスのスケッチ。グランドオープン(4月16日)から各種イベントを開催予定

高谷氏によると、見どころは、入り口近くに設けられた水深6.5m/底面積144m2/水量1000トンの巨大水槽(厚さ41cmのアクリルガラス製)で、相模湾にも生息するマイワシ約8000匹が群れを成して泳ぐ様子が見られるほか、自然環境を再現するために2つの造波装置を用意して、絶えず岩場が波しぶきを上げたり、波の下を泳ぐ魚たちの姿を観察できる。

また、同水族館が30年以上の経験を持つというクラゲの飼育・展示のノウハウを生かして、クラゲの体内から海の中をのぞき見るような世界を表現した“クラゲファンタジーホール”も配置。大小9つの水槽に、世界で一番大きなクラゲと言われる“シーネットル”など約10種類のクラゲを展示・公開するほか、クラゲやその幼生の拡大映像(DVD-Video)を放映する映像コーナーも設けている。

深海生物の飼育コーナーについて三輪氏は、「深海潜水艇(“しんかい2000”や“しんかい6500”)を使って深海生物を見たり触れることは可能だが、通常、これらの深海生物を地上まで引き上げてくると(水圧の変化などで)すぐに死んでしまう。どのように長期間飼育・管理して観察や研究を続けるかが課題だった。江ノ島水族館(旧江の島水族館)は海洋生物の飼育実績が豊富で、設備の新規活用や研究活動にも積極的な理解を示してくれた。水族館のもつアドバンテージと研究機関のアドバンテージを融合して、博物館としての機能や生物種の保存など、研究に役立てていきたい。特に(新江ノ島水族館から)目の前に広がる相模湾近くの海底火山に生息する生物として、心臓とエラしか持たない謎の多い深海生物“ハオリムシ”や深海性アナゴ、(熱水噴出地域のみに住むという)“ユノハナガニ”や“ゲンゲ”の仲間などを常設して、皆さんにぜひお見せしたい」と語った。

“みなぞう(美男象)”くん
江の島水族館からの人気キャラクター、ミナミゾウアザラシの“みなぞう(美男象)”くんは、現在新たなパフォーマンスをトレーニング中だという

なお、同社(江の島ピーエフアイ)が併せて建設を進めており、4月16日に新江ノ島水族館と同時オープンする隣接の体験型海洋学習施設“なぎさの体験学習館”は、“BTO(Build Transfer Operate、建設・譲渡・維持管理運営)”方式によって完成後に所有権を神奈川県に移転し、神奈川県からの委託によって同社が維持管理や運営を行なう。ここでは、アカウミガメの産卵の様子なども見られるという。堀氏は、「相模湾の海を通して地球を学び、生態を知って、生命の神秘に触れてほしい」と同館を訪れる来場者に向けてアピールした。

18種類のオリジナルフィギュアを 海洋堂が制作

精巧なフィギュアの数々
海洋堂が制作した精巧なフィギュアの数々、全18種類。「シークレットはないんですか?」という記者の質問に、「最初からシークレットがある、と言ったらシークレット(秘密)にならないだろう」と宮脇氏は答えた

荒俣宏氏はオリジナルフィギュアの企画・監修に携わったことについて、「中学のころから通いつめていた(旧)江の島水族館のリニューアルを聞いて、ぜひともお手伝いがしたかった。(海洋堂専務取締役の)宮脇修一氏のお父上とは親交があったが、(実際にフィギュア制作を依頼するべく)専務を口説き落とすのはかなり難しかった。まず海洋堂に企画を持っていくには世界観が必要。単に珍しい海の生き物を精巧なフィギュアで1〜2体作ってくれ、と頼んでも受けてくれない。日本人は魚が死んでいても(お刺身)干からびていても(干物や剥製)、それを見てときに生きている状態を思い描くもの。そんな“日本人の心に訴えるフィギュア”を創ってほしい、と“くすぐり”を入れた。続いて、メディアとして訴えることも重要と考えた。単なるみやげ物やおもちゃではなく、フィギュアをメディア(情報伝達・発信の媒体)にしたい。深海の珍しい生き物の生態を間近に見られる水族館がオープンする。これを全国の方、特に子どもたちに広く知らせたい。そのためにフィギュアが格好のメディアになるんじゃないか、と訴えてようやく口説き落とした。すると宮脇さんのほうから、“それならガチャポンがいい。200円で買えて、カプセルを開けるまで何が出てくるかわからないけど、確実に子どもたちの手に入る。それらを眺めることで生物たちへの興味・関心が高まるだろう”と逆に提案が出てきた。これには驚いた」と、企画当初のエピソードを興奮交じりに語った。

細部まで眺める荒俣氏と宮脇専務
フィギュアを実際に手に取り、細部まで眺める荒俣氏と宮脇専務
緻密な加工と彩色に見入る荒俣氏
緻密な加工と彩色に見入る荒俣氏。会見の開始直後に関係者のマイクが舞台裏の笑い声を拾ってしまったアクシデントがあったが、宮脇氏に「妖怪ですよ」とナイスなコメントを囁いていた

宮脇氏はフィギュア制作にあたっての苦労や意気込みを、「今までにひとつの水族館限定のフィギュアを作ったことは一度もない。正直、どこの水族館を見ても、魚のできそこないのようなおみやげ物ばかり。どうせやるなら科学的な裏づけに基づいて、水族館の名前を冠した完成度の高い作品、自分でも満足いくものを作ってみたいと考えた。制作に当たっては、真面目に形だけを捉えたフィギュアではなく、水槽の中で生き生きしている造形や鮮やかな彩色に苦労した。その甲斐あって、どこの博物館にいっても手に入らない立派なものができたと自負している」「さらに、どこかの通販番組ではないが、このカプセルには以前別の企画で作った深海生物のフィギュア全18種類も1体ずつ入れてあり、今回の限定海洋生物フィギュアと合わせて200円で2体が手に入る。ぜひお子さんを連れて遊びに来て、フィギュアを手にしてじっくり眺めてほしい」と述べ、「今回のカプセルフィギュアに加えて、次なる企画も進行中。新江ノ島水族館のフィギュア構想に期待していてほしい。さらに驚くはず」と、第2弾以降のプランをほのめかす発言も聞かれた。

応援団長として“徳さん”登場!!

応援団長を引き受けた徳光和夫アナウンサー
応援団長を引き受けた徳光和夫アナウンサー。旧江の島水族館は、本人はもちろん、息子さんや孫娘といっしょに何度も足を運んだ思い出の場所だという

最後に、館長の堀氏とは大学時代の同窓であり、地元湘南・茅ヶ崎に40年以上在住しているというフリーアナウンサーの徳光和夫氏が、新江ノ島水族館の応援団長として登場した。徳光氏は、「私も息子や孫娘を連れて江の島水族館には何度も通っている思い出の場所。堀さんは大学時代に仲間内ではマドンナ的な存在だった。その堀さんと新江ノ島水族館を通じて感動的な再開ができたのは大変うれしい。海洋堂さんのフィギュアも見せてもらったが、極めて精巧で驚いた。こうした方々の強力で、4月にはリニューアルではなく“グランドオープン”が迎えられると期待している」「江の島水族館は50年、テレビも50年、ジャイアンツは70年ということで、がんばってください」と応援の言葉を贈った。

なお、4月16日午前10時から応援団長の徳光和夫氏らによるオープニングセレモニー、16日から18日までオープニングイベントとしてマーチングバンドによる行進が行なわれるほか、5月中旬まで風船で作った動物たちが来場者を迎える“バルーンアート装飾”、5月1日〜30日には世界の鯉を集めた“鯉特別展”などのキャンペーンが予定されている。



(編集部 佐久間康仁)


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