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インテル上席副社長兼CTOのパット・ゲルシンガー氏が来日会見!


2004年3月5日

インテル(株)は4日、都内で“インテルにおける研究開発”と題した説明会を行なった。スピーカーとしてインテルコーポレーション上席副社長兼CTOのパット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏が登場したが、特に目新しい発表はなく、ラボなどの現状説明が中心となった。今回の来日も、韓国・ソウルの研究所開設にあわせたもので、どちらかと言えば、報道関係者との質疑応答に時間が割かれた形となった。

インテルコーポレーション上席副社長兼CTOのパット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏
インテルコーポレーション上席副社長兼CTOのパット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏

韓国に76番目のラボを開設

ゲルシンガー氏によると同社の研究所として韓国が加わることで、その数は76ヵ所になるとのこと。「今年も約48億ドル(約5330億円)の投資を考えており、このうちかなりの部分が研究開発に割り振られる。景気が下降気味で研究開発費を削減する企業が多いなかで、弊社の研究開発予算はアップしている」と話した。また、アメリカでの特許の申請件数もこの1年間でトップ10にランクインしていると自信をみせた。

来週には韓国に研究所を開設。これでインテルのラボは全世界で76ヵ所になる
来週には韓国に研究所を開設。これでインテルのラボは全世界で76ヵ所になる。

ムーアの法則の拡張を進める

プロセス技術に関しては「次のプロセス技術はいつ出るのか?とよく聞かれるが、答えは簡単だ。大きな発表があった2年後になると。65nmは2005年の発表になる」と説明。32nm以降の技術に対しても投資しており、スケーリングを高めるためのワイヤリング技術、漏れ電流の低下なども研究を続けていると付け加えた。また、一方でムーアの法則の拡張も進めているとし、30億ドル(約3330億円)の投資をしていると続けた。ムーアの法則の拡張とは、シリコンというプラットホームを使いながら新しい市場へ技術を展開していくことだ。氏はその例として、シリコンバイオ、センサー、各チップ上で無線機能を展開するラジオインテルフリー、シリコンフォトニクスの4点を挙げた。シリコンバイオに関しては、同社の技術をタンパク質の分析に活用することでガン検査における精度を従来の10倍に高めることに成功していることが紹介された。同社ではノーベル賞受賞者であり、ゲノム研究で知られるリーランド・ハートウェル(Leland Hartwell)氏にツールを提供しているという。シリコンフォトニクスに関しては2月12日に同社が発表済みだが、標準的なシリコン上でデータの光変調を行なう技術だ。これにより、パソコンやチップ間などで広帯域の光ファイバー接続を実現できるようになる。放出される光は1GHz以上の速度でオン・オフを行ない、これまでのシリコンで実現されている事例と比較して50%高い性能を発揮する。氏は、この技術をサーバーや通信プラットフォームで低価格で展開していくと話した。

インテルではムーアの法則の拡張も進めている
インテルではムーアの法則の拡張も進めている。図はその主な分野。

マルチコアアレイのアーキテクチャーでパフォーマンスを向上

今回の説明会では多くの時間が質疑応答のために割かれ、会場に集まった報道関係者からさまざまな質問がなされた。例えば、プロセスの微細化による周波数の向上が以前ほど見られなくなった理由やシリコンフォトニクスの実装イメージといったものから、社員の特許に関するものまで多岐にわたった。周波数が上がらなくなった理由について氏は、電圧を下げることが難しくなってきた点を挙げ「スケーラブルなマルチコアアレイのアーキテクチャーを使う方向にある。複数のコアを使うことによって、ひとつのコアの周波数はそんなに上がらなくても全体のパフォーマンスを上げていこうということだ。ひとつのスレッドのかわりに、複数のスレッドで全体のパフォーマンスを上げようとしている」と回答した。

シリコンフォトニクスの技術に関してはその将来性を強調した。「光のいいところはスピードがあり、距離があっても劣化しないところだ。ある程度のデータ損失はあるが最小限に抑えることができる。非常に高速な変調された光をシリコンから直接出してファイバーと結合させ、それを効率よく実行させることができれば、データセンターあるいはラックをまたがって動作させることが可能だ」と話した。また、チップ間に銅配線ではなくシリコンフォトニクスを採用するのは2015年以降になるだろうと話した。

今回の説明会では多くの時間が質疑応答のために割かれた
今回の説明会では多くの時間が質疑応答のために割かれ、会場に集まった報道関係者からさまざまな質問がなされた

「AMDとは実装方法もアーキテクチャーも異なる」

なかなか標準化が進まないUWB(ウルトラワイドバンド)については、IDFでの発表を振り返りながら、マルチバンドのスタンダードグループ、WiMedia Alliance、Wireless USB Promoter Groupという3つグループで標準化を促進していくと話した。

なかには、Xeonの64bit拡張について、この時期に投入することを決めた理由やAMD互換についての質問もなされた。これについては「ソフトとエコシステムの問題だ。我々がマイクロプロセッサーにゲートを導入することは簡単だ。しかし、システム全体を整備し、活用することは難しい。いろいろ苦い体験があってなかなかソフトベースを新しい機能に移行させるのは困難なことを痛感した。マイクロソフトが64bit対応のOSに関して進歩したので、これが鍵となった」とタイミングについて言及。AMD互換については「我々ののマイクロアーキテクチャーは彼らとは違う。NetBurstというのは彼らのものとは異なるし、実装方法も違う」と話すにとどめ、もちろんアプリケーションデベロッパーにとっては実装方法の違いは関係なく、OSレベルでコンフリクトしなけらば問題ないだろうと話した。

さらに変わった質問としては、最近話題になった東芝の特許裁判の例を挙げながら、インテルの特許管理について質問がなげかけられた。インテルは1800の特許を取得しており、申請数はそれ以上になるとし、発明者に1000ドル(約11万1000円)を支払っているという。インテルの発明者には1人で90の特許を取得している人もいるというが、同社はこの人に9万ドル(約1000万円)を支給していることになる。ゲルシンガー氏はというと、約10の特許を持っているとのことだ。氏は、「研究設備、出願費用、給料を支給されているし、コストはインテル負担で、その恩恵をインテルが期待するのは当然だと思う。基本的にそれが正しいやり方だと考えている。ほかの会社のやり方は違うかもしれないが、我々はこういうやり方をとっている。したがって訴訟には同感しかねる状況だ」と答えた。

(編集部 小板謙次)


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