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【IDF 2004 Spring Vol.4】次の10年に向けた新バス規格“PCI Express”は向こう12ヵ月以内にデビューへ!


2004年4月10日

“インテル・デベロッパ・フォーラム Japan Spring 2004”(以下IDF)会期中の7日、次世代バス技術“PCI Express”に関するプレスセミナーが開催された。このセミナーでは、PCI Expressのリリースに向けた現状の説明、PCI Expressの用途などが解説された。解説を行なったのは、米インテル社デスクトップ・アーキテクチャ・ラボ、PCI Expressテクノロジ・チーフ・アーキテクトのアジェイ・バット(Ajay Bhatt)氏と、インテル・コミュニケーションズ事業本部テクロノジ・イニシアティブ・ディレクターのティム・パーカー(Tim Parker)氏。

米インテル社、デスクトップ・アーキテクチャ・ラボ、PCI Expressテクノロジ・チーフ・アーキテクトのアジェイ・バット氏
PCI Expressのメリットをまとめたスライド

会場内の米エヌビディア社のブースでは、実際にパソコン内に接続されているグラフィックスカードを見ることができた。グラフィックスカードが接続されているスロットはPCI Express x16のスロット、その下のほうにある小さな空きスロットはPCI Express x1のスロット
PCI Expressは、現在広く利用されているPCIバスの次世代モデルで、シリアル伝送の信号線を2本一組(この組を“レーン”と呼び、PCI Expressの最小単位となる)で利用することで双方向データ通信を行なうバス。データ転送速度は1レーンあたり2.5Gbit/秒。使用するデバイスやアプリケーションに応じてレーンを複数束ねて同時に使用し、たとえば、グラフィックスカードのような広帯域が求められるデバイスでは16レーンを同時使用する(現在、1/2/4/8/12/16/32レーン同時使用が定義されており、それぞれx1/x2/x4/x8/x12/x16/x32というように呼称される)。また、現行のPCIがパフォーマンスの向上性が乏しかったことの反省から、PCI Expressは将来的な速度向上と互換性維持が可能な仕様となっており、セッションの中でバット氏は「PCI Expressは、次の10年に向けたパフォーマンスと拡張性を持つ」と述べている。



PCI Expressの技術的進捗。今後12ヵ月以内に市場に製品が登場するという
PCI Expressの導入例。太い実線で結ばれている部分がPCI Expressを利用したデバイス同士による接続

バット氏によると、同社および関連する業界によるシリコン技術やシステムは、2004年の量産出荷に向けた準備は完了したとのことで、今回のIDFのフロア展示でも、実際に動作している製品が登場してきている。PCI Expressは、サーバー/ワークステーション、デスクトップパソコン、ノートパソコンといった幅広い製品に搭載され、エンタープライズ、コンシューマーの各分野において活用されるという。具体的な用途としては、グラフィックス、通信、ストレージ、マルチメディアなどが挙げられており、機能に応じて、チップ、カード、モジュールなどさまざまな形で提供されるとされている。


コンシューマー/クライアント分野におけるPCI Expressの展開

コンシューマーおよびクライアント分野においては、グラフィックスカードのAGPからの移行(PCI Expressの登場後、AGP 8xはフェードアウトしていくとのこと)、現在のPCIでは帯域が不足してきている高品位なTVチューナーカードやGigabit Ethernetカードでの利用が考えられるほか、同社が提唱する“デジタルホーム”の実現に向け、ビデオレコーダーやゲームといったエンターテインメント用途のための専用のデバイスを接続するための帯域幅の確保も可能だとしている。また、PCI Expressではホットプラグやホットスワップが定義されており、現在のPCカードに近いスタイルのExpressCardにより、今よりも高速で高性能なカード型デバイスの提供も行なわれるという。

エンタープライズ分野でのPCI Expressの展開
特に通信分野に特化したケースでのPCI Expressの展開。この分野ではPCI ExpressをベースとしたAdvanced Switchingも用いられる

インテル・コミュニケーションズ事業本部テクロノジ・イニシアティブ・ディレクターのティム・パーカー氏
エンタープライズ分野では、Gigabit EthernetやSCSI、RAID、InfiniBandなどの広い帯域が必要な用途に用いられる。2004年にはXeon用のチップセットがPCI Expressをサポートし、Itaniumベースの環境でのサポートは2005年の予定だという。また、通信機器、ストレージ、組み込み環境などで、マルチホストのチップ間、ボード間、バックプレーンの接続に用いられ、中短距離のワイヤレス通信、ネットワーク、ストレージなどのソリューションにおけるコンポーネントおよびシステム・ボードの相互接続に対応する“Advanced Switching”がPCI Expressの技術をベースとしており(物理層とリンク層は完全に共通)、このため、PCI ExpressおよびAdvanced Switchingの両技術による広範な相互運用や技術の再利用、低コスト化といったメリットも生じるという。なお、Advanced Switchingの説明を行なったパーカー氏によると、現在は仕様策定の段階から実現の段階へと移行しているという。

質疑応答では、Gigabit Ethernetや高品位サウンド機能がマザーボードにオンボード搭載される現在の状況を踏まえたうえでのPCI Expressの実際の用途に関する質問が挙がった。バット氏は、コンシューマーについては、先にも述べたとおりグラフィックスがまずは中心になるとの見通しを述べるとともに、B.T.O./C.T.O.を採用しているメーカーの製品の場合、たとえばGigabit Ethernetについては注文に応じてPCI Expressカードで提供する、という方法を取ることが可能になるので、この点でコンシューマーのユーザーにもメリットになるとしている。また、PCI Expressではカードをスロットに挿入する接続方法のほか、ケーブルによる接続もサポートされており、これの用途に関する質問も出たが、氏によると、ケーブルによる接続は、サーバーのシステム部分のラックとストレージやI/Oのラック間の接続や、ノートパソコンとドッキングステーションの間の接続、マザーボードとライザカードの間の接続などでの利用が考えられるという。



(編集部 内田泰仁)


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