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【ISEF2004 Vol.1】賞金総額3億円!インテル流“金の卵の育て方”――Wi-Fi、ロボット、火星調査……高校生科学オリンピック開催


2004年5月12日

米国のオレゴン州ポートランドコンベンションセンターにおいて、現地時間の10日〜14日、“Intel ISEF(International Science and Engineering Fair) 2004”が開催されている。日本では馴染みのないISEF(アイセフ)だが、別称“高校生の科学オリンピック”とも呼ばれグローバルレベルでの科学コンクールとして北米を中心にした学生たちには名高い。ワシントンの非営利団体(Science Service)がボランティアで運営を開始して55回目を迎える今回、メインスポンサーとして米インテル社が名乗りを上げたのは1997年のこと。以来、同社が行なう教育支援活動“Intel Innovation in Education Initiative”の一環として、大掛かりに支援している。高校生向けと侮ることなかれ、インテルは想像を遥かに超える規模の資金と人的バックアップを投入し、他のIT系イベントにも並ぶ賑わいを見せる。

初日のセレモニーでは同社CEOのクレイグ・バレット(Craig R. Barret)氏が学生にエールを送り、2日目には同社上席副社長兼CTOのパット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏が高校生の娘とのデモや、また90nmプロセス技術やロードマップなどインテル最新の情報を交えながら学生向け基調講演を行なった。

クレイグ・バレット(Craig R. Barret)氏
米インテル社CEOクレイグ・バレット(Craig R. Barret)氏

初日のオープニングセレモニーで壇上に上がったバレット氏は「君たちは優秀で褒めたいのだが、ひとつだけ不満がある。今日はおとなしすぎないか?」と切り出し、会場を盛り上げた。彼が、“未来の金の卵”たちに伝授したのは“サイエンスやエンジニアリングへの関わり方5か条”である。「数学などの基本を押さえること、予期せぬことが起こりうること、情報に惑わされないこと、ルールは変更可能であること、夜更かししても苦にならないほど好きなことを選ぶこと」。テクノロジーがどれほど早いスピードで変化しても化学、数学、物理などの基本を知っていることの大切さを語り、エラーから半導体の発見に結びついたエピソードなどを盛り込みながら興味深く話した。これは、医療系サイエンスのキャリアを目指す孫娘に与えたアドバイスと同じものだという。

盛り上がる学生たち
バレット氏がジョークを飛ばし盛り上がる学生たち
審査員たち
壇上にて紹介されたインテルフェローとノーベル賞の受賞経験を持つ審査員たち

一方、ゲルシンガー氏の基調講演は、センサーネットワークやパーソナルサーバーなど新技術を使ったソリューション実例をボールや携帯電話といった小道具やショートパフォーマンスを交え、楽しく、学生参加型で行なわれた。3月の日本来日時の会見にも登場した“ムーアの法則の拡張”やナノテクノロジーによるチップを使った医学、生物学への取り組みなども分かりやすく説明された。

パット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏
インテル上級副社長兼CTOパット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)氏
娘、エリザベス嬢を相手役に
娘、エリザベス嬢を相手役にして、20年後の自分を演じながら高齢化問題に対するソリューションを説明した

期間中、世界40ヵ国から集まった1300名の学生は、この一週間で自らの研究結果をブースにセッティングしたうえで、審査委員を前にプレゼンテーションを行ない披露する。博士号レベルの審査員の合計は1000名にも上る。こインテルのトップエンジニアであるインテルフェローや、ノーベル賞受賞経験者も多数含まれ、イベント開催中に学生たちとさまざまな形での交流も図られる。審査員参加もボランティアである。最終日には、グラミー賞さながらのノミネート形式で各賞が与えられる。500万円の奨学金、ノーベル賞授賞式への招待旅行、Centrino搭載モバイルパソコンなど総額3億円という桁外れの賞金、賞品が用意されている。

夜は遊び心あるアクティビティーが
昼間は研究テーマのプレゼン準備に追われる学生たちのために、夜は遊び心あるアクティビティーが用意されている。写真は2日目のパーティー会場の様子。甘やかしすぎ?と思えるほどに子供たちには至れり尽くせり
ピンバッジ交換
参加者たちの間で恒例となっているピンバッジ交換

ここ数年のインテルが関わるようになってからのISEFは、アジア、ヨーロッパ諸国の参加も増え、このコンテストに学生を送り込むため政府中心の支援を行なう国も少なくない。台湾や中国では、ISEFのノミネート者には大学の入学資格を与えられるという。インテルは、各国500以上に及ぶ各種科学コンクールと提携し、そこで選抜された個人2名と1グループが参加できるのだが、学生たちへのこのプライズ旅行もすべてISEFの支援金により提供されている。支援金は、インテル以外の多くの民間企業、団体からも集められており、今年は米IBM社や米HP社なども協賛として出資やスタッフ動員を行なっている。イベント開催中は、教員や小中学生向けのワークショップやセミナーも各種用意されていて連日かなり賑やかだ。

きれいな子が多いのも印象的
理数系が得意と言うよりは、身近な話題からテーマに入っているためか女の子の参加も非常に多い。なぜかきれいな子が多いのも印象的

19%が米国特許申請中という今年の参加プロジェクトの中にはWi-Fi、ロボット、火星調査など最先端のものから、ドライバー向け眠気覚まし機や救急病院の受付を簡素化するシステムなど身近なものから選ばれたトピックが幅広くある。審査を公平に行なうためメディアも含め一般にはすべて審査が終了する12日までは立ち入り禁止となっているが、13日には一般や地元の小中学生などにも公開される。

日本からの参加者は5組8名
日本からの参加者は5組8名

(遠竹智寿子)


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