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【E3 2004 Vol.3】任天堂『NINTENDO DS』を公開! 2つの液晶画面とタッチスクリーンでゲームの革命を目指す


2004年5月14日

ソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカから『PlayStation Portable』(以下PSP)が発表されたのと同日となる11日、携帯ゲーム機の王者である任天堂(株)は、新携帯ゲーム機『NINTENDO DS』(日本での製品名は『ニンテンドー・ディーエス』。以下DS)を発表した。DSの主な特徴は以下の4つ。

  1. 上下2つの液晶パネルを搭載する
  2. 液晶パネルは感圧式タッチスクリーンになっている
  3. 『ゲームボーイアドバンス』との互換性を持つ
  4. Wi-Fi準拠の無線通信機能を搭載する


DSを掲げる任天堂社長、岩田聡氏。『ニンテンドー・ディーエス』は「今までで一番の誇り」と語った


2Dだけでなく3Dグラフィックにも対応

発表が行なわれた講演で、米国任天堂(Nintendo of America)のマーケティング担当副社長レギー・フィルズエイム(Reggie Fils-Aime)氏がジャケットの内ポケットよりDSを取り出すと、会場にはどよめきが起こった。銀色のボディに黒枠で囲まれた上下2枚の液晶ディスプレーが目を引く。下側のディスプレーの左右には、スーパーファミコン風の4つボタンと任天堂伝統の十字キーが配置されている。


ついにその姿を現した『NINTENDO DS』。2画面、タッチパネル付きディスプレー、GBAとの互換性、3D表示、無線通信など、機能の充実振りは驚くほどだ

続いて上映されたプレゼンテーション映像では、上の画面に3D表示で空を飛ぶマリオやルイージが、下の画面には各キャラクターの位置を上から見下ろした地図が描かれた。DSでは2つのスクリーンのどちらにも2D、3Dのグラフィック描画が可能となっている。3Dグラフィック能力は『NINTENDO 64』程度とのことで、部分的にはプレイステーション2並みとさえ言われるソニー『プレイステーション・ポータブル』(PSP)に比べると非力ではある。CPUは『ゲームボーイアドバンス』(GBA)と同じARM7と、新しいARM9の2つのCPUを搭載する。

下部の液晶ディスプレーは感圧式のタッチパネルになっており、スタイラスや指で直接操作ができる。もちろんボタン類もひととおりそろっていて、十字キー、下パネル右側の4つのキー、ヒンジの左右にある2つのキーと、スーパーファミコンと同様のキーが備わっている。

DSの実機写真。下部ディスプレーはタッチパネル付きで、ペンや指での操作が可能になる


GBAカートリッジとDS専用カートリッジの
2種類を装着可能

DSはGBAとの互換性を持つことも大きな特徴だ。DSの本体下側パネルにはGBA用カートリッジの挿入口、上側パネルにDS専用カートリッジの挿入口を持ち、2つのカートリッジを同時に装着できる。同じような携帯ゲーム機をいくつも所有するのはユーザーとしては好ましい話ではない。DSが豊富なGBAのソフトを継承できる点は、高い評価を与えられるだろう。GBAスロット側のゲームとDS側のゲームでの連動も可能なようだ。またGBA側スロットは一種の拡張スロットとして利用することも可能だという。

一方のDS専用カートリッジは、薄型のカードのような形状をしている。現時点では1Gbit(128MB)の容量があるとされていて、任天堂では低コストで生産に要する期間も短いとアピールしている。

本体下側にはGBA用カートリッジのスロットがある。DS用メモリーカードは上側にスロットがある
DS用メモリーカード。サイズはSDカードより一回り大きい


無線LANが携帯ゲーム機を変えるか

2つの画面や互換性にも匹敵するDSの大きな特徴が、Wi-Fi準拠の無線LAN機能である。無線通信機能自体はPSPにも搭載されているが、ゲームボーイでケーブル接続、GBAではケーブルに加えて無線接続も実現した任天堂は、携帯ゲーム機同士の接続機能を非常に重視しており、DSでも重点機能としてアピールしている。通信距離は100フィート(約30m)程度で、最大16人までの同時接続が可能という。

Wi-Fi準拠の無線LANならば、対戦相手が見通せる範囲にいる必要すらない。プレゼンテーション映像の中でも、ビルの中で姿の見えない相手と接続し、対戦ゲームを楽しむ様子が描かれていた。ゲームセンターの格闘ゲームのように、見知らぬ相手から突然対戦の申し込みを受けるなんてことも可能になりそうだ。またスタンバイモードのDSに対して無線接続を行ない、自動でメッセージを受け取らせるといったことも可能とのことだ。

任天堂としてはあくまでDSをゲーム機に位置づけているが、DSのプレゼンテーションの中では、タッチパネル付きディスプレーに仮想キーボードを表示して、DS同士でのメッセージのやり取りのイメージ映像も流れた。家庭や身近な友人同士でのコミュニケーションツールとしての利用も想定しているのだろう。アプリケーション次第では、DSを無線LAN経由でインターネットに接続させて、インターネットメールのやり取りや遠隔地のプレイヤーとの対戦も可能になるだろう。

さらにもう1つの特徴として、内蔵マイクによる音声認識機能があげられていた。これについては具体的なデモがなく、どの程度の能力があるのかは不明だが、任天堂の資料ではボイスチャットや声による操作を例としてあげている。

現時点では2画面をうまく活用しているデモは見受けられず

米国では非常に人気のある『メトロイド・プライム』のDS版、『METROID PRIME HUNTER』。ペンでタッチしたところを攻撃という、タッチスクリーンを活かした要素が取り込まれている
発表時点では100社以上のゲームメーカーがDS用開発キットを受け取ったという。ナムコやセガ、コナミといった日本のメジャーメーカーに加え、米エレクトロニック・アーツ(Electronic Arts)や仏ユービーアイソフト(Ubisoft)、米アクティビジョン(Activision)といった欧米の大手も参入を表明している。また任天堂自身も、“スーパーマリオ”シリーズや“メイドインワリオ”シリーズ、“メトロイド”シリーズの作品の開発を行なっているという。2画面、タッチパネル、そして無線LANの標準搭載と、今までにない機能を多数備えたゲーム機だけに、任天堂社長の岩田聡氏が言う「ゲームに新たな世界を切り開く」可能性には期待が持てる。

E3 2004の展示会場では、プレイ可能なDSが展示されていた。しかしその展示とデモソフトを見る限りでは、まだ“2画面ならでは”というデモは見受けられなかった。たとえば画面の1つが3D表示のゲームのメイン画面で、もう1つがマップ表示や状態表示というだけでは、2画面の活用法としてはいささか物足りない。2画面でなければできないゲームの登場に期待したいところだ。

一方のタッチスクリーンは、なるほどこれは面白い使い方ができそうだ、と感じられた。たとえばメイドインワリオ風のミニゲーム集では付属のスタイラスペンを使い、制限時間以内に上画面に書かれた漢字を書いたり(漢字の書き取り勉強にいいかも?)、左右から飛んでくる野菜や果物を切ったりといったゲームが用意されていた。またナムコの『パックマン』をモチーフにしたデモでは、スクリーンに一筆書きでパックマンの形を描くと、描いたとおりのパックマンが動き出して逃げ回るモンスターを食べるというデモがあった。自分の描いた絵がその場で動き出すというのは独特の楽しさがあり、これもまたタッチスクリーンならではの遊び方といえよう。



動いているのは『メイドインワリオ』のDS版。10秒以内にスタイラスペンで漢字を書け! ただ、会場の外人さんにはちょっと漢字は難しかったかも!?
デモ映像で流れたインスタントメッセンジャー風のソフト。仮想キーボードでのキー入力のほか、手書き文字も送れるようだ


発売は年内 価格は?

DSの発売スケジュールに関しては、残念ながら具体的な日程は公表されなかった。日米では2004年内。ヨーロッパとオーストラリアでは2005年第1四半期を予定という、漠然とした目安が提示されたのみにとどまる。

また気になる価格についても“手ごろな価格”という程度で、具体的な言及はなかった。とはいえ任天堂の通例からいって、200ドル(約2万3000円)を超えるような値段を携帯ゲーム機で付けることは考えにくい。149ドル(約1万7000円)程度が妥当なところだろうか?

プレゼンテーションや展示会場での評判も上々なDS。任天堂が見せる“ゲームの革命”がどのようなものになっていくのか、早く実機を手にしてみたいところだ。

(月刊アスキー編集部・小西利明)


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