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【E3 2004 Vol.4】SCEIとIBM、次世代プレイステーションタイトル開発用にCELL Processor搭載のワークステーションを開発

2004年05月14日 21時55分更新

文● 月刊アスキー編集部・小西利明

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11日にソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカ(Sony Computer Entertainment America、SCEA)社が開催したカンファレンスの中で、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)はソニー(株)および米アイ・ビー・エム(IBM)社と共同で、次世代プレイステーションで使用されるCPU『CELL Processor』(以下CELL)を搭載するワークステーション開発を行なっていることを発表した。

講演中のスライドより。CELLベースワークステーションの開発では、ベースシステムやOS上のミドルウェア、アプリケーションをIBMとSCEIが共同して行ない、OS部分では担当の分担が行なわれている模様だ

CELLはSCEIとIBMが共同開発したCPUで、1CPU内に多数の処理ユニットを搭載するマルチコアCPU。CELLは次世代プレイステーションで採用される予定だが、ゲーム機専用のCPUというわけではない。CELLの構想が発表された当初から、特にエンターテイメントコンテンツの開発環境のような、並列処理が威力を発揮する用途への応用も語られていた。今回の発表はその具体的な進展を示すものといえる。

SCEIにて次世代プレイステーションやCELLの開発を担当する最高技術責任者(CTO)の茶谷公之氏はこの講演の中で、映画とゲームの制作環境をCELLベースワークステーションで共通化することで、統合された制作環境を作り出し、たとえば映画用に制作したモデルデータやアニメーションをそのままゲームに応用するといったコラボレーションが可能になるとした。

ただし、次世代プレイステーション用のゲーム開発がCELLベースワークステーションだけでできるわけではなく、ゲーム用には別の開発環境が提供される模様だ。リリーススケジュールは2004年第4四半期中にプロトタイプが登場と発表されたが、その後の具体的なスケジュールは発表されていない。

開発用ワークステーションということで直接コンシューマーに縁のあるマシンではないが、CELLがゲーム機のCPUにとどまらず、より広いコンピューティングの世界を視野に入れたプロセッサであることを証明する動きとして興味深い。

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