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NEC、ユビキタス関連ソリューションに必要な共通機能を体系化した“ユビキタスアプリケーション基盤”を発表


2004年7月27日

日本電気(株)は27日、ユビキタスネットワーク社会に向けたソリューションを実現する上で必要な基本機能を“ユビキタスアプリケーション基盤”として体系化し、ユビキタス関連ソリューション事業全体をさらに推進、2007年度末にシェア20%を目指すと発表した。同日に都内で開催された記者説明会では、ユビキタスネットワーク関連事業に関する同社の取り組みを紹介するプレス向け説明会を開催した。

“ユビキタスアプリケーション基盤”の特徴。アプリケーション間連携の基盤として提供され、デバイスやネットワークの変化に対応するのが目的
“ユビキタスアプリケーション基盤”の位置付け。インフラの差異を吸収し、アプリケーションが共通的に使用する機能をまとめたものとなる

“ユビキタスアプリケーション基盤”の詳細や事例を解説したシステムソフトウェア事業本部事業本部長の岡田高行氏
NECはこれまで、“ユビキタスネットワーク社会”の実現に必要なさまざまな基盤の整備/構築に向け、研究や実証実験、システム構築の実績を蓄積してきたとしているが、今回、これらの成果や実績を“ユビキタスアプリケーション基盤”として体系化し、ユビキタスソリューションを構築する上で必要不可欠な基本機能を抽出、機能別に8つのカテゴリーに分類している。




“ユビキタスアプリケーション基盤”を構成する8カテゴリー

“ユビキタスアプリケーション基盤”を構成する8カテゴリーと機能は以下のとおりで、これらの各基盤は、端末やインフラ技術の変化やプラットフォームなどの差異を吸収し、その上で稼動する各種アプリケーションが共通して使用する機能をまとめたものだという。

RFID基盤
人/モノ/金/情報の動きをリアルタイムに収集
双方向コミュニケーション基盤
時間/場所/端末/ネットワークの制約を超えた共同作業を実現
モバイルサービス基盤
実社会サービスとインターネットサービスの連携
認証基盤、セキュリティー基盤
いつでも/どこでも/だれとでもを安全・安心に実現
端末適応基盤
どんな端末からもサービスを受けられる環境の実現
位置情報基盤
人/モノ(特にモバイル機器)の位置情報をリアルタイムに収集
プレゼンス基盤
人/モノの状態を管理し、状況に応じたサービスを提供

“ユビキタスアプリケーション基盤”導入の効果
ユビキタスネットワーク社会の実現に向けたロードマップ

体系化にあたっては、これまで蓄積してきたノウハウの標準化だけでなく、各技術要素間の連携を考慮した設計が行なわれており、システム開発/運用の効率化が可能になるとしている。同社の試算によると、“ユビキタスアプリケーション基盤”を導入した場合の開発では、体系化前の各技術基盤が独立している状態での開発に比べ、開発工数が約1/3に圧縮できるという。また、今後の展開に関しては、ITやネットワークインフラの高度化とサービスの発展により、いつでもどこでも次世代インターネットサービスを享受できる安心で快適なユビキタスネットワーク社会を実現するべく、基盤の拡充を進めていくとしている。

サービスの構成。iモードFeliCa対応携帯電話をキオスク端末にかざすとショッピングクーポンや駐車券が配られる
キオスク端末の写真。六本木ヒルズのコーヒーショップと駐車場に設置されている
適用例のひとつ、“ぴあiモードFeliCaプレビューサービス”。7月末まで設置される
“ぴあiモードFeliCaプレビューサービス”のシステム構成
展示会の管理運営システムの構成
“ユビキタスアプリケーション基盤”を活用したシステム構成例。赤丸部分が実際に使われている基盤

執行役員常務の伊久美功一氏

今回の発表の背景や概要を説明した同社執行役員常務、伊久美功一氏は、ブロードバンドやモバイル、テレマティクス、各種デジタル家電などといったユビキタス製品/サービスにより、リアルな世界とサイバーな世界の融合が進み、機器やサービスなどすべての要素をネットワーク化していくことで、ユビキタスネットワーク社会の実現が可能になると述べた。そして、これに向けた取り組みとして、同社が得意とする技術分野やコンピタンスを活用し、ユビキタスソリューションの展開、そしてユビキタスソリューションの基盤の整備を進めていくとしている。

同氏によると、ビジネス向けユビキタス関連ソリューションの日本国内の市場規模は、“バリューチェーン領域”“情報活用/情報共有領域”“プロモーション/マーケティング領域”“コミュニケーション領域”の4領域を中心に、2007年度に1兆円に拡大すると予測されるという。そこで同社は今後、“ユビキタスアプリケーション基盤”をこれらの領域に向けて適用し、「2007年度にユビキタスソリューション事業全体で2000億円(このうち100億円は“ユビキタスアプリケーション基盤”による)の市場を獲得していきたい」と述べた。

デモンストレーションの流れ
今回のデモのシステム構成
“ユビキタスアプリケーション基盤”を活用した顧客リレーションソリューションのデモ

今回の説明会では、この日発表された“ユビキタスアプリケーション基盤”を実際に適用した例として、百貨店の顧客リレーションソリューションのデモンストレーションを行なった。大まかなストーリーは以下のとおり。

  1. 百貨店入口とテナント入口にiモードFeliCaサービス対応のキオスク端末を設置
  2. 顧客は来店時、キオスク端末に携帯電話で触れる
  3. 顧客はキオスク端末へのアクセス時に、キャンペーン情報や割引クーポンなどを受け取れる
  4. キオスク端末へのアクセスがあった時点で、テナント/販売担当員に顧客の来店を通知
  5. テナントは通知と顧客データベースの連携により、来店した顧客の嗜好などを確認
  6. アクセス場所から顧客の位置情報を特定、顧客情報画面上で確認可能
百貨店入り口に設置されている端末の画面。指示に従って携帯電話でタッチすると……
携帯電話にメールで百貨店の最新情報やクーポン券が配布される
それと同時にテナント側には顧客の来店通知が行なわれ、顧客データベース上のデータ、位置情報などが画面上に表示される

テナント側にもプレゼンス基盤を導入してよりきめ細かい通知処理を行なう場合の例
このデモでは、iモードFeliCaがインターフェースとして用いられたが、RFIDが埋め込まれた会員カードなどへの置き換えも可能だという。また、担当店員側のプレゼンス情報もシステムに組み込むことで、担当者在席/不在時の通知方法の切り替え(担当在席時は直接担当者へ、不在時は店長と担当者へ、など)といった機能も盛り込めるという。



(編集部 内田泰仁)


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