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マイクロソフト、新会計年度の経営方針説明会を開催――2004年度は各分野ともに好調に成長


2004年8月10日

マイクロソフト(株)は10日、2005年度の新年度経営方針説明会を都内で開催した。同社の会計年度は毎年7月1日に開始されるが、この日行なわれた説明会は、この新会計年度のスタートに伴い開催されたもので、同社代表執行役社長兼米マイクロソフト社コーポレートバイスプレジデントのマイケル・ローディング(Michael Rawding)氏が、2004年度の総括と2005年度の取り組みについて概要を説明した。


マイクロソフト代表執行役社長兼米マイクロソフト社コーポレートバイスプレジデントのマイケル・ローディング氏

同社は昨年もこの時期に同様の説明会を開催し、ローディング氏の社長就任会見が行なわれている。冒頭ローディング氏はこのことに触れ、「(昨年の説明会から)1週間後のお盆の時期、休暇を取ってフランスに行っていたが、その間にBlasterウイルスの騒ぎが発生してしまい、一部報道でその点を指摘されたこともあった」と述べたが、「今年はお盆期間中も日本国内にとどまって過ごす予定。また、Blasterのような事態は(この1年間の同社および業界全体の取り組みにより)ある程度の確信を持って“起きない”と言える」とした。

ローディング氏によると、全世界のマイクロソフト各社の2004年度の決算では、全体で約14%の成長が見られ、営業利益も前々年度より改善しているという。日本法人もこの動きと同様に成長を見せており、「Windows、Office、Serverの各関連事業はともに好調で、MSNも非常によい結果を出した」と述べた。


2004年度の技術/製品面での成果

2004年度を総括するにあたり、ローディング氏は取り組みと成果を大きく“進展”と“課題”に分類して説明し、“進展”があった内容としては、

ビジネス面での成長
IT投資やパソコン出荷台数の回復と、これにともなうOEMビジネス、ボリュームライセンス、オンライン広告の拡大
パートナーシップの拡大
パートナー企業とのアライアンスや業界連携、コミュニティーの育成に進展
“企業市民”としての活動
政府/自治体、大学、NPOとの連携、産業振興への取り組み
同社の人材と組織の運営
人員の増強と採用活動の継続、新たな人材の育成と社内のリーダーシップを取る新設チーム“Japan Senior Leadershop Team”の設置を実施

を挙げている。また、「パソコンは(この1年で)コンシューマーにとってエキサイティングなものになった」と述べ、コンシューマーに対するパソコンの浸透はさらに進んだとしている。2004年度に登場した製品に関しては、パートナーと顧客のいずれからも好評だったという『Windows Small Business Server 2003』、前バージョンよりも順調な普及を見せているという“Microsoft Office 2003”シリーズ、そして“Microsoft Office 2004 for Mac”の3製品を挙げ、“特に目立った動きのあった製品”として紹介した。

“課題”としては、大きくセキュリティーに対する取り組みと、競合する製品との競争の2つを挙げている。まず、セキュリティーに関しては、「この1年で進展もあったがまだまだ課題もあり、マイクロソフトだけでなく、業界全体での協調、協力も必要」だと述べた。また、競合との競争については、「エンタープライズにもコンシューマーにも強力な競合相手がおり、Linuxやそのほかのオープンソースソフトウェアとの競走もしていかなくてはならない」と状況を説明、特に今後のエンタープライズ市場に向けての取り組みとしては「(マイクロソフトの)最新の技術や製品を導入していない企業はまだまだあり、真のセキュアーな環境、(マイクロソフトの技術や製品によって得られる)新しい価値を得ていない。そういった企業が成功裏に(最新の技術や製品を)導入できるようお手伝いを継続しなければならない」と述べた。

また、この1年にたびたび話題となった公正取引委員会との関係については、今後も協力と対話は継続していきたいとし、質疑応答の中では、焦点となっている“特許権非主張条項(NAP、Non-Assertion of Patents)”に関しては、OEMとの過去の契約においては有効なものだったが、今後についてはクロスライセンス契約が有効になるだろうと述べている。

2005年度の取り組みの基本的な方針としてローディング氏は、「2005年度は継続性の1年」だとし、2004年度に行なってきた取り組みやその成果を継続し、成長させていくとしている。


“統合された革新”の提供に関するスライド。同社では、顧客の“ニーズに合わせた”提供をパートナー企業とともに行なっていくという

今回の説明会では2005年度に進む技術の革新、製品についての詳細な解説は行なわれなかったが、2005年度に計画されている大きなトピックスとしては、

Windows XP Service Pack 2
セキュリティーの強化、Tablet PCの機能強化、ほか
Windows Media PlayerとWindows XP Media Center Editionの新バージョン
2004年中にリリース予定
『Microsoft Office InterConnect 2004』の発売
9月10日発売(発表済み)
サーバー関連製品
マネージメント機能関連の強化など
コンシューマー向け製品
MSNのサービス強化(携帯電話分野の取り組みを強化)、Xboxのビデオチャット機能搭載

を挙げている。また、各製品/技術の顧客への提供に向けた取り組みについては、各製品/技術のターゲットとなる顧客のニーズを理解し、パートナー企業とともに展開する、というアプローチの強調を基本とするとしている。

また、Linuxとの競争に関しては、「(同社の製品は)Linuxと競争する力が十分にあると確信している」としている。ローディング氏は、LinuxとWindowsの競合に関する議論について、「最近はその性質が変化してきた」と分析。これによると、以前の議論では、ある意味感情論的な面が大きかったが、1年程度前には個々の製品の機能性や特徴が議論の中心になるようになってきたという。さらに最近では、その機能性や特徴を基に“どういう価値が生み出されるのか”という領域にまで議論が進んで来ているとし、両者の競争においては、事実に基づく価値の提供、第三者機関による評価、開かれた議論が必要であるとした。

安全なインターネット環境の実現
各カテゴリーの顧客に対する支援策の強化
エンタープライズ分野の顧客に対する取り組み
中堅/中小規模事業所のIT活用の推進事業
“情報化社会の発展”に向けた同社の貢献活動

2005年度に向けた重点方針。2004年度の活動を継続的に強化していくという

さらに2004年度に引き続き、

  • 顧客/パートナーの満足度向上
  • 安全なインターネット環境の整備(セキュリティー、プライバシー、迷惑メール、子供向けの安全対策)
  • IT管理者、開発者、インフォメーションワーカーなど、顧客に応じた支援策の充実
  • エンタープライズ分野における価値ある投資分野の創出
  • サービス/サポート体制の強化
  • 中堅・中小規模事業所におけるIT活用の推進
  • コンシューマーへのリッチな経験の提供(Xbox、MSN、Mac向け製品)
  • 日本における企業活動の拡大
  • 技術革新のための知的財産の活用(クロスライセンス、日本の知財立国化への貢献など)
  • デジタルデバイドの解消や教育環境の向上、産業/地域振興への貢献などの情報化社会の発展に向けた活動

といった展開、活動を継続して強化、進展させていくとしている。同社はそのミッションを、“(同社の製品を通じて)世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること”だとしているが、ローディング氏は、「ソフトウェアは協力な“道具”となり、人々のポテンシャルを引き出しえるものである」と述べ、同社が掲げるミッションに基づく活動を今後も進めていくとした。

また、プレゼンテーションの最後には同氏自身の社長としての新年度の抱負として、

  • “統合された革新”を通して顧客、パートナー、政府、地域の可能性を最大限に引き出す支援をする
  • 働きやすい会社、働いてみたい会社を目指す
  • 信頼される企業市民になる

の3点を挙げた。

なお同社では、各カテゴリーの製品/サービスの2005年度以降の展開については、この日の説明会とは別途、順次説明会などを通じてしていくという。

(編集部 内田泰仁)


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