全日本空輸(株)(以下、ANA)は8日、年末からはじまる国内線の新サービスについて都内で記者会見を開催した。このサービスは予約から出発など各種手続き、情報取得を便利にする“スマートeサービス”、従来のスーパーシートに代わって導入される“スーパーシート プレミアム”、ANAグルームの新ユニフォームといったもの。ANAは、12月1日から新たに運用がはじまる羽田空港第2旅客ターミナルに移転が決定しており、これを機に新サービスを導入する(第2旅客ターミナルはANAのほか、エア・ドゥが使用予定)。
代表取締役社長の大橋洋治氏 |
まず、代表取締役社長の大橋洋治氏は「2004年度が経営ビジョン実現へ向けた大きな節目の年になる。その柱となるのが、12月1日の全面移転だ。(今度移転する)第2旅客ターミナルは未来型ターミナル。ここでは簡単・便利をさらに進化させ、予約から出発までプロセスを変革。また、他社に先駆けてチケットレスサービスを旅行代理店まで拡大し、2年後の2006年には完全チケットレス化を目指す」と話した。
続いて常務取締役営業推進本部本部長の中野雅男氏が、羽田空港第2旅客ターミナルと新サービスの概要について説明した。
常務取締役営業推進本部本部長の中野雅男氏 |
羽田空港第2旅客ターミナルの述床面積は18万m2で地下1階、地上5階建て。チェックインロビーは2階に、到着ロビーは1階となる。航空機のスポット数は15スポット(第1旅客ターミナルは24スポット)。カウンターの長さも現在の180メートルから200メートルと若干長くなる。このほか、バリアフリーや海をモチーフにしたデザインが特徴となっている。
広々とした空間を演出 | チェックインカウンターも若干長くなる | |
従来は左側扉からの降機が左右両方の扉でできるようになる | 歩行移動が不安な客のために電動カートが用意される |
メインとなる“スマートeサービス”は、“スマートeチェックイン”、“スマートeメールインフォ”、“スマートeピックアップ”、“スマートeデータボックス”といった4つの新サービスの総称だ。“スマートeチェックイン”は旅行会社やインターネットなどチケットレスを含め事前購入したすべての客は、搭乗日当日の午前0時から出発便定刻の20分前まで、パソコンや携帯電話からチェックインできるサービス。携帯電話からでもシート番号を表示して座席指定が可能で、空港ではチェックインの済んだチケットを受け取るだけ。“スマートeメールインフォ”は、自分が搭乗する便の運行情報などが指定のメールアドレス(携帯電話を含む)に配信するサービス。台風による欠航情報なども入手可能だ。
携帯電話へのサービスも充実する。携帯電話からでもシート番号を表示して座席指定も可能に |
“スマートeピックアップ”は、ICチップ入り“ANAマイレージクラブカード”や携帯電話、または携帯電話にダウンロードされた2次元バーコードを国内の空港に設置された自動チェックイン機にかざすだけで、チェックイン済みのチケットが発券されるというもの。事前にスマートeチェックインを済ませた客が対象となる。そして、“スマートeデータボックス”は空港に設置された端末によってマイレージの登録や確認、参るから電子マネー(Edy)への交換、Edyの残高照会、クレジットカードからEdyへの入金などが可能。また、割引クーポンの発行や到着地の観光情報の携帯電話へのメール送信などができる。
自動チェックイン機。ICチップ入り“ANAマイレージクラブカード”や携帯電話、2次元バーコードをかざすだけで搭乗券が引き取れる |