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NTTとNTTレゾナント、“第3世代検索サービス”の創出を目指す共同実験“ナビゲーション・プロジェクト”を開始――研究開発中の検索技術を公開

2004年10月26日 20時34分更新

文● 編集部 小西利明

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gooラボ内で開始された4つの実験プロジェクト(上の4項目)
gooラボ内で開始された4つの実験プロジェクト(上の4項目)

日本電信電話(株)(NTT)とエヌ・ティ・ティ レゾナント(株)(NTTレゾナント)は26日、新しいスタイルの検索サービス“第3世代検索サービス”の開発を目的とした“ナビゲーション・プロジェクト”の立ち上げを発表。同日より、NTTレゾナントが運営するポータルサイト“goo”内に設けられている研究成果の公開サイト“gooラボ”にて公開共同実験を開始した。実験を体験可能な形で公開してユーザーにも直接体験してもらうことで、ユーザーの声を元に技術とサービスの向上を図る。

NTTレゾナント取締役副社長の中嶋孝夫氏
NTTレゾナント取締役副社長の中嶋孝夫氏

発表会の冒頭でNTTレゾナント取締役副社長の中嶋孝夫氏は、検索サービスの進化について、第1世代がYahoo!を代表とするディレクトリー型、第2世代がロボットによるキーワード検索型(goo、googleなど)と定義した上で、第3世代を“ナビゲーション型”と定義し、「量的な拡大ではなく、人に優しい検索という時代に入るのではないか。結果的に人にとっての用事の解決が、よりスムーズに、より快適に行なわれていくもの」とした。

26日より公開実験が開始されたのは、以下の4つの項目。実験で使用される技術は、“NTTサイバーソリューション研究所”(NTT傘下の研究機関で、ユーザーインターフェースに関わる機器やソフトウェアの研究、コンテンツ流通に関わる著作権保護技術、ポータル技術の研究を行なう)が開発したものである。今回の4つの実験は第1弾であり、今年度内にさらに4つの実験の公開が予定されている。

・TopicMaster(トピックマスター)
“ニュース記事分類・検索実験”:キーワードからニュースを検索したうえで、検索結果に関連するトピックを文中より抽出、カテゴリ分けして分類提示する。実験期間は2005年1月末まで。
・ブログスコープ
“ブログ検索高度化実験”:ブログサイトのRSS(RDF Site Summary)や新着記事全文を対象に、キーワード検索や類似記事検索を行なう。またブログ内から数多くリンクされているサイトを“話題のサイト”としてランキング表示する機能もある。実験期間は2005年1月末まで。
・パーソナルサマリ
“ウェブページパーソナライズ実験”:ニュースサイトやブログサイトを指定して、ウェブブラウザー上に新着記事のサマリー(見出し)を一覧表示する。レイアウトはカスタマイズ可能。実験期間は2005年3月末まで。
・HotWindow+
“最新話題提示実験”:ニュースサイトやブログサイトから、現在話題となっているキーワードを抽出、40ジャンルに分類されたジャンルごとに分類して表示する。パーソナルサマリ内に組み合わせて表示も可能。実験期間は2005年2月末まで。


“TopicMaster”の概念説明。キーワードを元に検索されたサイトの中から、固有表現を抽出して優先度を付けたうえで、分類(人名、場所、組織、その他)して表示を行なう 実際に“EEZ”(排他的経済水域)で検索してみた様子。記事中で頻出する地名や組織名が、右に“絞り込みのヒント”として一覧表示されている
“TopicMaster”の概念説明。キーワードを元に検索されたサイトの中から、固有表現を抽出して優先度を付けたうえで、分類(人名、場所、組織、その他)して表示を行なう実際に“EEZ”(排他的経済水域)で検索してみた様子。記事中で頻出する地名や組織名が、右に“絞り込みのヒント”として一覧表示されている
“ブログスコープ”で“スギヒラタケ”を検索した様子。gooブログ内でスギヒラタケを話題にしているサイトがリストアップされている。gooブログ以外のブログサイトを対象とすることもできる “ニューストレンドランキング”と称して、ブログサイトで話題にされているリンクを抽出してランキング付けを行なう。右側の“ブログを見る!”から、そのリンクを含むブログサイトの一覧も参照できる
“ブログスコープ”で“スギヒラタケ”を検索した様子。gooブログ内でスギヒラタケを話題にしているサイトがリストアップされている。gooブログ以外のブログサイトを対象とすることもできる“ニューストレンドランキング”と称して、ブログサイトで話題にされているリンクを抽出してランキング付けを行なう。右側の“ブログを見る!”から、そのリンクを含むブログサイトの一覧も参照できる
ニュースやブログの新着記事を一覧表示できる“パーソナルサマリ”。デフォルトではgooが提供するニュースの一覧のみだが、ユーザーが任意のサイトを追加できる。また各カテゴリの配置はドラッグ(灰色の枠で囲まれている)&ドロップで表示位置を変更可能
ニュースやブログの新着記事を一覧表示できる“パーソナルサマリ”。デフォルトではgooが提供するニュースの一覧のみだが、ユーザーが任意のサイトを追加できる。また各カテゴリの配置はドラッグ(灰色の枠で囲まれている)&ドロップで表示位置を変更可能
各ジャンルで話題のキーワードを自動で抽出して表示する“HotWindow+”。ウェブブラウザー上だけでなく、スクリーンセーバーやアクティブデスクトップの項目としても動作可能 ジャンル“医療”の“スギヒラタケ”をクリックすると、スギヒラタケを話題にしているニュースサイトが一覧表示される
各ジャンルで話題のキーワードを自動で抽出して表示する“HotWindow+”。ウェブブラウザー上だけでなく、スクリーンセーバーやアクティブデスクトップの項目としても動作可能ジャンル“医療”の“スギヒラタケ”をクリックすると、スギヒラタケを話題にしているニュースサイトが一覧表示される

あくまでも実験であるため、たとえば現時点ではTopicMasterで検索できるキーワードがまだ少なかったり、検索対象がgooが提供するニュースサイトに限られているといった制限がある。またキーワードと“絞り込みのヒント”の関連性についても考慮されていないようで、頻出の度合いだけで抽出されてしまうなど、発展途上の技術であることを感じさせた。しかしこれらの技術が成熟することで、検索サービスがより便利に使いやすくなる可能性を秘めているのは確かであろう。

今回の実験はいずれも無料で提供される。パーソナルサマリのみ、個人に応じたデータ(検索対象とするカテゴリーやサイト)を登録しておく必要があるため、“gooパスポート”に登録し、“gooパスポートID”の取得が必要となる。それ以外の3つは、登録は不要である。実験の終了後は、サービスとしての評価が良ければ、フィードバックを元に修正を行なったうえで、来春以降に本番サービスへの移行を目指す。

動作環境については、OSはWindows 98以降、ウェブブラウザーはInternet Explorer 6以上が対象となる。またHotWindow+のみ『Macromedia Flash Player 7』が必要である。対象動作環境以外でも、最新版のNetscape 7.2や7.2コンパチブルのMozilla、Mac OS版のInternet Explorerならば一部は動作する模様だ。

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