このページの本文へ

スクウェア・エニックス、2005年3月期 中間決算説明会を開催――オンラインゲーム事業が大幅増益で収益の柱に

2004年11月19日 19時05分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
発表後の質疑応答に答える、スクウェア・エニックス(株)代表取締役社長の和田洋一氏
発表後の質疑応答に答える、スクウェア・エニックス(株)代表取締役社長の和田洋一氏

スクウェア・エニックス(株)は19日、2005年3月期 中間決算説明会を開催。同社代表取締役社長の和田洋一氏より、2004年度上半期の決算実績についての説明が行なわれた。2004年度上半期の経営実績は非常に好調で、中でもMMORPG(大規模マルチプレイヤーRPG)の『ファイナルファンタジーXI』(FFXI)を軸としたオンラインゲーム事業が好調で、収益の柱に成長していることを裏付けた。

同社の2004年度上半期の業績は、連結売上高が前年同期比23.6%増の約243億9500万円。営業利益は前年同期比155.3%増の約59億5200万円と増収増益を記録。経常利益は前年同期比で実に222.8%増の約61億3300万円を記録した。



事業部門別の中間決算業績表。オンラインゲーム事業の利益の伸びが際立っている
事業部門別の中間決算業績表。オンラインゲーム事業の利益の伸びが際立っている

事業別に見ると、オンラインゲームを除いたゲームソフトの販売事業(ゲーム事業)が、新規タイトルの不足により売上高自体は約80億9900万円で、前年同期比より13.4%減となったが、昨年度末に発売されたプレイステーション2用RPG『ドラゴンクエストV』などのリピート販売が好調に推移したため、営業利益では15億4900万円(前年同期比7.0%増)と微増した。それに対してオンラインゲーム事業は非常に好調で、売上高では76億8400万円(前年同期比101.0%増)とゲーム事業に匹敵する規模に成長し、営業利益に至ってはゲーム事業を上回る32億5200万円(前年同期比230.9%増)を記録している。

オンラインゲーム事業の好調を支えているのはFFXIだ。全世界で約55万人のユーザーを抱えていて、9月に拡張ディスク『プロマシアの呪縛』が日米で同時発売されるなど、順調にゲームの拡張とユーザーの増加が続いている。日米に続き欧州でもサービスが開始されるなど、今後も継続して成長を続ける見込みだ。また来年度には国内で、Windows用MMORPG『エバークエストII』、Windows/プレイステーション2用MMORPG『フロントミッション オンライン』Windows用MMORPG『Fantasy Earth』など、MMORPG 3タイトルのサービス開始を予定しており、オンラインゲーム事業にかける同社の意気込みがうかがえる。

同社では今年度のオンラインゲーム事業の売上高を140億円を見込む。来年度は3タイトルを国内でサービス開始予定など、さらなる拡大を目指す
同社では今年度のオンラインゲーム事業の売上高を140億円を見込む。来年度は3タイトルを国内でサービス開始予定など、さらなる拡大を目指す

また携帯電話向けコンテンツを扱うモバイル・コンテンツ事業、少年漫画誌やゲーム関連書籍を軸とした出版事業も好調であった。特に出版事業は人気漫画“鋼の錬金術師”効果で、ゲーム事業をしのぐ営業利益17億7200万円(前年同期比64.5%増)を記録している。2004年度下期には青年向け漫画誌の創刊や、11月27日発売予定のプレイステーション2用RPG『ドラゴンクエストVIII』の攻略本の発売が予定されており、引き続き成長を持続する見込みだ。

出版事業も好調で、下期には新たに青年漫画誌の創刊を予定
出版事業も好調で、下期には新たに青年漫画誌の創刊を予定

地域別の中間決算実績を見ると、国内が営業利益で前年同期比144.8%増の46億2300万円。北米は絶好調で、営業利益が前年同期比560.2%増の12億9700万円となっている。それに対して欧州は増収減益、中国でオンラインゲーム事業を手がけるアジア部門は減収減益となっている。同社は中国で関連子会社を通じてMMORPG『クロスゲート』をサービスしているが、中国でのオンラインゲーム事業の不振について和田氏は、2008年のオリンピック開催頃までは先行投資が続き、しばらく収益の波は安定しないとの見方を示した。

地域別の中間決算実績。日本国内も好調だが、急成長を遂げた北米が大きな割合を示すようになった
地域別の中間決算実績。日本国内も好調だが、急成長を遂げた北米が大きな割合を示すようになった

2004年度全体の目標について同社は、下期にドラゴンクエストVIIIが投入されるといったゲーム事業の大きな増収要因を背景に、売上高で730億円(前年比16%増)、営業利益では250億円(前年比34%増)を予想している。また今後の規模拡大について和田氏は、現在約1500人の従業員を、好調な北米や欧州向けに増員するほか、国内の開発要員も強化したいとの見解を述べた。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン