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【2005 CES Vol.6】合い言葉は“フルHD対応” 1080pに対応した大画面デジタルTVが続々登場――各社のHDTVをチェック


2005年1月11日
1080pに対応する韓国サムスン電子の80インチプラズマTV『HP-R8082』。高解像度化が困難だったプラズマTVも、今年はフルHD対応の製品がいくつか登場するだろう
1080pに対応する韓国サムスン電子の80インチプラズマTV『HP-R8082』。高解像度化が困難だったプラズマTVも、今年はフルHD対応の製品がいくつか登場するだろう

デジタル放送とデジタルTVの急速な普及にともない、デジタルTVに対してさらなる高解像度への要求が高まっている。その目安としては、“1080p”と呼ばれる縦方向の有効走査線数が1080本(1920×1080ドット)でプログレッシブ表示の表示方式に、TVが対応できるか否かが重要視されている。既存の大画面デジタルTVのほとんどは、実は1080本の走査線を備えていない。そのため1080pや1080i(有効走査線数1080本でインターレース表示)の映像を表示する際には、実際のTVの走査線数に合わせて縮小表示を行なっている。当然この方式では1080p/i本来の画質を忠実に再現しているわけではなく、今後登場するデジタルTVには、1080pを縮小したりせずに表示する能力が求められている。1080pをそのまま表示できることを、一般的には“フルHD(High Definition)対応”と呼び、大手TVメーカー各社は“フルHD対応”の文字が記されたハイエンドの大画面デジタルTVを続々と出展してきた。各社のフルHD対応デジタルTVについて見てみよう。

HDソリューションに力を入れる松下電器

フルHD対応に非常に力を入れていたメーカーの1つが松下電器産業(株)である。同社のブースでは、入ってすぐのところにフルHD対応の液晶リアプロジェクション(リアプロ)TVを展示し、高解像度大画面の美しさをアピールしていた。また構造的に画素密度の微細化が困難で、液晶TVに比べて高解像度化に不向きと言われていたプラズマTV用に、極端な巨大化をせずに高解像度化が可能な“High Definition Plasma Display Panel”の試作品を出展。プラズマTVのフルHD対応にも道筋を付けた。

フルHD対応する松下電器の液晶リアプロTV『PT-61LCX85』(未発売)。61インチの大画面を備える
フルHD対応する松下電器の液晶リアプロTV『PT-61LCX85』(未発売)。61インチの大画面を備える
一般的な50〜60インチクラスのプラズマディスプレーでフルHD対応を実現する“High Definition Plasma Display Panel”の試作品
一般的な50〜60インチクラスのプラズマディスプレーでフルHD対応を実現する“High Definition Plasma Display Panel”の試作品
左が既存のプラズマディスプレーパネルの拡大映像で、右がHigh Definition Plasma Display Panelの拡大映像。画素を構成する発光体のサイズが小さくなっているのがよく分かる

またフルHDに限った話題ではないが、松下電器ブースではHDコンテンツを家庭内ネットワークを通じて家中の機器に配信するという、“HD Networking”と題した展示を行なわれて注目を集めていた。松下電器の掲げるHD Networkingでは、ケーブルTV用同軸ケーブル(COAX)や高速無線LAN、そして100BASE-TX並みのスピードを持つ電力線ネットワーク(HD-PLC)を使用して、HD対応のホームサーバー“AVCサーバー”内のコンテンツを、家庭内の他のHDTVから視聴する。展示の主体は家庭内ネットワークを構築するためのネットワーク機器で、特にHD-PLC用アダプターは物理層で最高速度170Mbps、実効転送速度は最大90Mbps、COAX用アダプターでは物理層最大250Mbps、実効転送速度最大150Mbpsと、HDコンテンツを複数ストリーム同時に送るに足る非常に高速なネットワークを構築可能としている(無線LANはIEEE 802.11aを想定)。こうした機器展示だけでなく、HDコンテンツのさまざまな利用シーンでの活用を提案するなど、松下電器のHD関連製品への力の入れようがありありと分かる展示であった。

松下電器の掲げるHD Networkingの構成図。HD-PLCやCOAX、無線LANなど、新規の配線が不要な家庭内回線を使ってネットワークを構築するという現実的なプランだ
松下電器の掲げるHD Networkingの構成図。HD-PLCやCOAX、無線LANなど、新規の配線が不要な家庭内回線を使ってネットワークを構築するという現実的なプランだ
HD-PLC対応のネットワークアダプターの試作品。この他にもHD-PLC対応ルーターやネットワークカメラの試作品も展示されていた
HD-PLC対応のネットワークアダプターの試作品。この他にもHD-PLC対応ルーターやネットワークカメラの試作品も展示されていた
家庭内のHDコンテンツサーバーには、HDD/BDレコーダーが使われる
家庭内のHDコンテンツサーバーには、HDD/BDレコーダーが使われる

巨大なパネルでフルHD対応 サムスン電子

韓国サムスン電子社も、フルHD対応をキーワードにした大画面デジタルTVを多数出展していた。もっとも、表示画素を微細化して同等の面積でフルHD対応を可能にしようという松下電器のアプローチとは異なり、パネルサイズの大型化によって必要な画素数をカバーしようという発想で、展示されていたフルHD対応TVはどれも、その表示方式では最大級のサイズを持つデジタルTVばかりだった。同じ韓国のLG電子社と「世界最大の○○TV」を激しく競い合う間柄だけに、さもありなんという印象だ。

サムスンの57インチサイズのフルHD対応液晶TV。5000:1のハイコントラスト性能を有する
サムスンの57インチサイズのフルHD対応液晶TV。5000:1のハイコントラスト性能を有する
80インチ・フルHD対応のプラズマTV『HP-8082』。画素サイズの大きなプラズマTVでも、これくらい大きくすれば1080p分の解像度を得られる。同社では世界最大かつ最高解像度のプラズマTVと称する
80インチ・フルHD対応のプラズマTV『HP-8082』。画素サイズの大きなプラズマTVでも、これくらい大きくすれば1080p分の解像度を得られる。同社では世界最大かつ最高解像度のプラズマTVと称する
こちらは70インチ級のDLP方式リアプロTV『HL-R7078W』。フルHD対応と10000:1のハイコントラスト性能が売り
こちらは70インチ級のDLP方式リアプロTV『HL-R7078W』。フルHD対応と10000:1のハイコントラスト性能が売り
極めつけはコレ。なんと画面サイズ102インチのフルHD対応プラズマTV『Z102』。1枚のパネルで作るTVとしては世界最大をうたう。「50インチTV 4枚分の大きさ」というすさまじい大きさだ
極めつけはコレ。なんと画面サイズ102インチのフルHD対応プラズマTV『Z102』。1枚のパネルで作るTVとしては世界最大をうたう。「50インチTV 4枚分の大きさ」というすさまじい大きさだ

その他のフルHD対応機器

液晶TV“AQUOS”を米国でも大々的にプロモーションすると発表したシャープのブースでは、65インチと世界最大のフルHD対応液晶TVを参考出展。来場者から画質の良さには感心する声も聞かれた
液晶TV“AQUOS”を米国でも大々的にプロモーションすると発表したシャープのブースでは、65インチと世界最大のフルHD対応液晶TVを参考出展。来場者から画質の良さには感心する声も聞かれた
日本で発売済みのHD対応(1080iまで)HDD/DVDレコーダー『DV-HRD200』も出展されていた
日本で発売済みのHD対応(1080iまで)HDD/DVDレコーダー『DV-HRD200』も出展されていた
LG電子の71インチ・フルHD対応プラズマTV『MW-71PY10』。サムソン電子との“世界一でかいぞ”競争では一歩及ばなかったが、「こちらは発売中の製品として世界最大だ」と主張
LG電子の71インチ・フルHD対応プラズマTV『MW-71PY10』。サムソン電子との“世界一でかいぞ”競争では一歩及ばなかったが、「こちらは発売中の製品として世界最大だ」と主張
こちらも“製品としては世界最大”のフルHD対応液晶TV『55LP1D』。画面サイズは55インチ
こちらも“製品としては世界最大”のフルHD対応液晶TV『55LP1D』。画面サイズは55インチ
エプソンアメリカ社ブースにあった、3LCD方式のフルHD対応プロジェクター用液晶パネル。3LCDとは赤青緑の光の三原色を別々の液晶パネルで発光させて映像を作り出す方式
エプソンアメリカ社ブースにあった、3LCD方式のフルHD対応プロジェクター用液晶パネル。3LCDとは赤青緑の光の三原色を別々の液晶パネルで発光させて映像を作り出す方式
3LCD方式のプロジェクターを推進する日本企業連合“3LCDグループ”のブースにあった、富士通(株)のフルHD対応液晶プロジェクター。3LCDグループにはエプソンを筆頭に、松下電器やソニー(株)、富士通、(株)日立製作所、三洋電機(株)などが名を連ねている
3LCD方式のプロジェクターを推進する日本企業連合“3LCDグループ”のブースにあった、富士通(株)のフルHD対応液晶プロジェクター。3LCDグループにはエプソンを筆頭に、松下電器やソニー(株)、富士通、(株)日立製作所、三洋電機(株)などが名を連ねている

(編集部 小西利明)


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