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日本IBM向井氏が、新Lenovoについて発言――「売り上げ規模が大きくなることで、ThinkPadの進化・強化が早まる」

2005年02月09日 14時23分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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Think&Innovationをスローガンに掲げ、2005年のIBMの戦略を説明
Think&Innovationをスローガンに掲げ、向井氏が2005年のIBMのパソコン戦略を説明

日本アイ・ビー・エム(株)は9日、東京・六本木の本社オフィスにプレス関係者を集め、中国の聯想集団有限公司(Lenovo社)が米IBM(International Business Machines)社のパソコン(PC)事業を統合し、新会社を設立する件についてのコメントを発表した。会見には、1月4日に新Lenovoの日本法人(今年2四半期設立予定)の代表者に就任することが発表されている、現理事でPC&プリンティング事業担当の向井宏之氏が出席し、IBMとしての戦略や両社の狙いなどを説明した。

今回の発言は、すでに各所で報じられているものからのアップデートにとどまるが、主な内容は以下のとおり。



IBMとLenovoの長期の戦略的提携の狙い
IBMとLenovoの長期の戦略的提携の狙い

IBMとLenovoの長期の戦略的提携の狙いと内容

  • IBMとしては、パソコン事業を外部に置く“オンデマンド経営”の実践により、市場変化に迅速に対応できる
  • 提携の狙いはずばり“アジア(日本や韓国を除く、主に中国市場を指す)”。アジアを押さえているIT企業はまだないが、ここを押さえることで将来的に世界No.1になれるスケールメリットがある
  • IBMとしては営業窓口/保守体制/サービス体制を継続して提供する
  • 新LenovoはIBMブランドを今後5年間優先的に利用できる
  • Lenovoの従来顧客にIBMの製品を優先的に提案できるという内容も提携に含まれる
  • “Think”というブランドはIBMからLenovoに売却される。従って、今後(新Lenovo発足後)はIBMから“Think○×”という製品が発売されることはない

IBMとLenovoの製品構成や顧客セグメントなどの違い Lenovoの概要
IBMとLenovoの製品構成や顧客セグメントなどの違いLenovoの概要

両社提携の見通し

  • これまで、マススケールを狙った提携は多くが失敗している
  • IBMとLenovoは互いに異なる市場をメインターゲットにしてきており、相互にセグメンテーションを補完しあえる
  • IBMから見れば、まだ誰もシェアを握っていないアジア地域に一気に入り込める
  • Lenovoとしては、中国以外の世界的な市場に打って出られる

IBMとLenovoの提携によるメリットと狙い
IBMとLenovoの提携によるメリットと狙い

新人事体制について

CEO(最高経営責任者)
スティーブ・ウォード(Stephen M.Ward)氏
現 米IBMのシニアバイスプレジデント兼PC事業部ゼネラルマネージャー
COO(最高執行責任者)
フラン・オサリバン(Fran O'Sullivan)氏
現 米IBMのPC事業部ゼネラルマネージャー
CFO(最高財務責任者)
Mary Ma氏
現 Lenovoの上級バイスプレジデント
Chairman(会長)
Yang Yuanqing氏
現 Lenovoの社長兼CEO
日本法人 代表取締役
向井宏之氏

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