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――「僕の記録、僕の説得力であり、足跡を映像で残すための欠かせないツール」と元F1レーサーの片山右京氏

三洋電機、新型動画デジカメ“Xacti”『DMX-C5』の新商品説明会を開催

2005年03月01日 21時01分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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新型動画デジカメ“Xacti”『DMX-C5』
新型動画デジカメ“Xacti”『DMX-C5』

三洋電機(株)は1日、東京・上野の同社 東京ビルにプレス関係者を集め、本日発表の薄型軽量化を図った新型動画デジカメ“Xacti(ザクティ)”『DMX-C5』の新商品説明会を開催した。会場には、常務執行役員 コンシューマ企業グループコンシューマ営業本部本部長の井植敏彰(いうえとしあき)氏、コンシューマ企業グループDIソリューションズカンパニーDIシステム第3BU DI企画部部長の重田喜孝(しげたよしたか)氏らが出席し、新製品開発の背景や特徴を説明した。さらに、ゲストスピーカーとして世界の最高峰やルマン24時間レース、パリダカールラリーなど数々の冒険に挑戦を続ける元F1レーサーの片山右京(かたやまうきょう)氏を招いて、4年前に世界第6位の高峰である8201mのチョ・オユー(ネパール)に登頂したときに携帯した動画デジカメ『MZ-1』以来、Xactiシリーズを使い続けているという片山氏に、製品への思いや新製品を使ってみた感想などを聞いた。



常務執行役員 コンシューマ企業グループコンシューマ営業本部本部長の井植敏彰氏
常務執行役員 コンシューマ企業グループコンシューマ営業本部本部長の井植敏彰氏

最初に井植氏が、昨年8月発表のプラズマ/液晶TV“CAPUJO(カプージョ)”以来、同社がデザインに特化した製品を集中的に発表し続けていることをアピール。新Xacti『DMX-C5』は、外観としてのデザインに加えて、

使って満足
カメラとしての機能を充実させた上で、エルゴノミクスデザインにも注力
持って満足
先進機能を搭載
部屋に置いたり、人に見られる満足
カラーバリエーションを用意し、インテリアにマッチするファッショナブルなデザインを採用。部屋に置いても、外に持ち出しても、人に見られてほめられる=ユーザー(オーナー)が満足する

といった「新たなデザインを集約した」と紹介し、デザインへのこだわりを強調した。

DMX-05の開発コンセプト
DMX-05の開発コンセプト
コンシューマ企業グループDIソリューションズカンパニーDIシステム第3BU DI企画部部長の重田喜孝氏
コンシューマ企業グループDIソリューションズカンパニーDIシステム第3BU DI企画部部長の重田喜孝氏

続いて、重田氏がまずデジタルカメラとデジタルビデオカメラの市場動向を、「デジタルカメラは今後も伸びるものの成長は鈍化が見られる。一方デジタルビデオカメラは、ほぼ横ばい(全世界で1500万台程度)で推移するだろう。それに対して動画撮影機能を強化した“デジタルムービーカメラ”のジャンルは、2004年以降急成長し、2010年にはデジタルビデオカメラに追いつくと期待している」と話し、“動画デジカメ”Xactiシリーズなどの成長に期待感を示した。



デジタルムービーカメラの進化の系譜 デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルムービーカメラの市場動向
デジタルムービーカメラの進化の系譜デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルムービーカメラの市場動向

DMX-C5のデザインコンセプトについては、「従来のC4まではファミリー層を中心に受け入れられてきたが、C5は25~30歳のデザインに敏感な層に向けて開発した。小型軽量化のために回路基板の構成を見直し、基板面積で約40%の削減を達成。また、ユーザーの声により、ボタンをまっすぐ押し込めるように配置を改良したので、撮影する瞬間の手ぶれも防げる」と具体的な改良点を紹介した。

三洋が掲げる“デジタルムービーによるマーケットイノベーション” 自社アンケートによる撮影状況別のユーザーニーズ Xacti Cシリーズのスタイルコンセプト
三洋が掲げる“デジタルムービーによるマーケットイノベーション”自社アンケートによる撮影状況別のユーザーニーズXacti Cシリーズのスタイルコンセプト
周辺回路の削減 光学系の改良
周辺回路の削減光学系の改良
操作系の改良 高画質化・高音質化への取り組み
操作系の改良高画質化・高音質化への取り組み

ゲストの片山右京氏
ゲストの片山右京氏

最後にゲストの片山右京氏が登場。標高8000m級の登山に前モデル(DMX-C4)を持っていったときのエピソードを、「テントの中で火をたいてようやく-26℃から-28℃くらい。外では風もあって体感で-60℃くらいだった。メーカーの人に聞いたら、もちろん動作保証はありません、と言われたけど液晶パネルもバッテリーも問題なかった。(一緒に持っていった)衛星携帯電話は、一瞬にして画面が真っ黒になり、どの番号を押しているかわからないんです。8000mの場所からでも会社の決済とかしなければならないので(笑)。電話はだめでも、カメラは胸ポケットに入れていた(暖めていた)せいもあってか、1回のチャージ(充電)で1週間使い続けられた」と厳しい環境をともに耐えたXactiを称えた。さらに、「標高8000mでは、ミトンのような厚手のグローブが外せないけど、そんな状態ではスチルとムービーのボタンが押しにくいんで、開発の人にやりやすくならないか、って言ったんですが、よく考えたらこんな厚手の“ミッキーマウス”みたいなグローブの指で、そりゃ無理ですよね。ところが、今回C5では改良してもらってやりやすくなってるんです」と、一足先に北海道の流氷撮影旅行に携行したDMX-C5の改良点をさりげなくアピール。

司会者から、「片山さんにとってXactiとは?」と問われると、「僕の(冒険の)記録であり、僕の説得力(自分自身で危険を冒した軌跡を示す)であり、足跡を映像として残すためのツール。ある意味、リュックサックやピッケルと同じ、なくてはならないもの。多分、僕が技術の人に対するお願いって厳しいものがあるんですけど、これからも長いお付き合いをさせてもらいたい」と、開発陣への謝辞を込めて答えた。



DMX-C5を構成するパーツ類 前モデル(DMX-C4)を構成するパーツ類
DMX-C5を構成するパーツ類(一部)前モデル(DMX-C4)を構成するパーツ類

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